【選択小説】枯男は生還したい。〜旧校舎の神隠し〜

ルナ

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3day 5月3日 月曜日

ツクヨミ

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 何事も無く二代目校舎から脱出し、三代目校舎の理事長室に移った。二代目から三代目までの距離は結構ある。全力で逃げてきたため、二人とも汗だくだ。

「ここまで来たのならヤツの射程外だ。さて、私の持つ情報だ、一部私の推測にすぎないが聞いてくれ」

 そう言って月神は話してくれた。
 彼が知り得る限りのツクヨミに関する情報を。

 ツクヨミ

 今の人類には知りえない知識を豊富に含んでおり、対話も可能。

マインドコントロール
テレポート
テレパシー
サイコキネシス
二代目旧校舎の出し入れ
他人の女性に憑依ができる。

生前が女性だったという事もあり。女性にのみ憑く事が可能。
ただし、操れるのは一部の人間のみ。

「まぁ…こんなものだ」
「厄介ですね…かなり」

 いざまとめて聞いてみると化け物だ。
 頭が良いだけでも厄介なのに、超能力や他人に憑依ができるなんて。正面からまともにやり合ったら勝ち目は無いだろう。

「ん?憑依できるのは女性のみですか?男性には?」

 今聞いてみて気になって事を月神に聞いた。ツクヨミは男性をに取り憑く事はできないのだろうか。

「…知りたいかい?」
「あー、いや結構ですー」

 月神の目が急に暗く、鋭くなったので何となく聞くのを止めた。知らない方が良い事なのかも知れない。そう思う事にした。

「テレパシーやサイコキネシスなんかは警戒するほどでも無い。今のヤツは力が衰えているし、私と君はソレを目の当たりにしたからね。もっとも、今のヤツのテレパシーは最早言葉になってないがね」

 第二校舎で聞いた激しい物音がサイコキネシス。微かにアレから聞こえたノイズのような物がテレパシーだろうか。

「一番気をつけるべきは他人への憑依だ。除霊道具があるならば問題無いが、もし無ければ憑依された人を助ける手立ては無い」

 これに関しては本当に脅威だ。母と姉が乗っ取られた時の事を思い出す。もしあの時、月神が来てくれなかったら。そう考えるとゾッとする。俺は無事では済まなかっただろう。

「そしてマインドコントロール。これもまた脅威だ。ヤツが現役の頃はかなり効果の規模が大きかった。今となっては使えるのかも分からないが…。君は知っているはずだ。ヤツのマインドコントロールの凄さを」

 それを聞いて脳内にとあるネット記事がフラッシュバックした。

【月神高校 大量の行方不明者 未だに発見ならず】

 一つの情報としてネットワークに残っているものの、世間は何故かそれについて深く追求した様子が無かった。もっと騒がれたり、叩かれたりするものだと思ったが、そんな形跡は無い。もしあの違和感がツクヨミのマインドコントロールの力ならば…。

「その効果の規模は…世界規模」
「あぁ、少なくとも日本全国には届く力だと思う」
「でも、それならばなぜ俺達はマインドコントロールにかかっていない…いや、違う。ヤツはマインドコントロールをかけないのでしょうか。「ツクヨミはいない。今までのは全て幻だ」とか吹き込めば、俺達に邪魔される事は…」
「うむ、これも私の推測だが。恐らくツクヨミのマインドコントロールの力は広く、そして薄くだ。私達のようにハッキリと間近で見た。経験した者には通用せず、何も見ていない、認識が薄い者には通用する。そんな仕組みなのだと思う」
「なるほど…」

 聞けば聞くほど疑問に思う。
 俺達はツクヨミに勝てるのだろうかと。
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