ダンボールの中身は捨て幼女でした

ルナ

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日常の終点

改ざん

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「さぁ、駒は揃った。今話そう、亮太くん。何故彼女が協力者と呼ばれていたのか」
「えっへん!」
(何故得意げなのだろう)

 月神は上着のポケットから一枚の折りたたまれた紙を取り出した。この辺り一帯の地図のようだ。地名等の詳細は書かれておらず、二箇所にバツ印が描かれている。

「いいかい?まずこの印が亮太くんのアパート」
「はい」
「そしてこっちが…心美ちゃんが捨てられたアパート」
「…え?」

 なんと心美が最初に捨てられた場所は、俺の住んでいるアパートでは無い。月神はそう言った。

「やはり順を追って話そう。ここが篠原家。篠原竜太のご両親の家だ」
「だいぶ遠いですね…」
「うん。そして、篠原竜太の父親、篠原正男が歩いて心美ちゃんを捨てに行ったのが…このアパートだ」
「これ…正反対じゃないですか」

 篠原家から見ると、俺の住むアパートと心美が捨てられていたアパートは全く正反対の方角にあった。

「そう、しかもこっちのアパートはもう使われていない。廃墟状態の建物なんだ。すると、それに気づいた何者かが心美ちゃんを移動させたという事になる。廃アパートから君のアパートまでね」
「なるほど…そしてその何者かが…」
「私の事なのですっ!」

 再度亜美が物理的に首を突っ込みに来た。さっきまで心美とデレデレ遊んでいたはずなのだが。驚くべき反応速度。
 そして亜美は元気いっぱいの表情を掻き消し、しんみりとした様子で話の続きをツラツラと話してくれた。

「私は頭が良いです。あ、自慢とかじゃないですよ?投与された薬のせいなんです…」
「それって…」
「竜太が君達姉妹に治験と称して飲ませたアレだね」
「はい。どうやら薬のせいで恋々美は身体を。私は頭をおかしくさせ…いえ、成長させられたようなのです。それも急速に。
お父さんは目に分かる異変を起こした恋々美にばかり付きっきりになって、私の事なんて忘れていたみたいです。ま、そのおかげで自由に動けて恋々美を安全な所へ…偶然にも君の所へ運べた訳なのです」

 亜美は悲しげな瞳のまま、俺を見て微笑んだ。
 怪しい薬によって急速に発達した姉妹。一人は身体能力を。一人は頭脳を授かり、結果悲劇を生んだ。

「恋々美を…私の大切な妹を拾ってくれて…ありがとうなのです」

 亜美は俺に向かって深深と頭を下げた。
 この姉妹は被害者だ。最悪な父親のせいで悲惨な人生を歩まされた被害者。そんな彼女が見ず知らずの男に頭を垂れている姿を見て胸がムシャクシャして仕方がない。

 何なのだろう。この気持ちは。
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