【完結】①魔力・魔法が無いと家族に虐げられてきた俺は殺して殺して強くなります

ルナ

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序章

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「何よ!なんなのよもう!さっきから!」

 誰のかも分からない死体から慌てて足をどけた、その拍子に床に尻もちを着いてしまった。逃げ遅れた執事かメイドの死体かしら、もう!このノロマ!だから逃げ遅れてこんな姿になるのよ!

「あれ、マイラ姉様。どうしました?こんなところで」

 私が憤慨している中、話しかけてきたのはキョウ。魔法を一切使えない出来損ない。クライス家の最大の汚点。

「なんだ、アンタまだいたの?ちょうどいいわ。アルゴ兄様とガラとギラ、見なかった?どこに行ったか知らない?」
「えぇ、知ってますよ」
「どこよ」
「すぐ近くですよ」
「だ・か・ら、それがどこかって聞いてんのよ!」
「アルゴ兄様ならスグそこに」
「スグ…そこ…?」
「ほら、足元に」

 そう言って、キョウは私の足元を…先ほどの焼死体を指さした。

「…嘘…嘘よ、そんなの」

 この愚弟キョウは、ゴミみたいに床に転がっている焼死体の主をアルゴ兄様だと言い切った。

「そんな…」
「俺がやったんだよ」
「…何を…言ってるの…アンタは」

 続けてキョウはおかしな事を言い出した。ついに頭がとち狂ったのかしら。キョウがアルゴ兄様を殺した?炎魔法の使い手で、クライス家の長男を殺した?いくら何でも非現実的すぎるわ。

「アンタねぇ!!こんな状況下で冗談を…」
「こんなふうにね」

 キョウは手の平から炎を放出した。その炎は焼死体に命中し、一瞬でソレは跡形もなくなった。
 信じられない事に、あのキョウが炎魔法を目の前で使って見せたのだ。

「え…は?…何で…魔法?…キョウが?…」
「うん。そうだよマイラ姉様。アルゴ兄様から貰ったんだ」
「…貰った?」
「アルゴ兄様を殺したらさぁ…貰ったんだよ!この先頑張れよ!って、今まで虐げてごめんって…くれたんだ、魔法を。そういう事だろ?」
「何を…言ってるのか分からない」
「つ・ま・り…」

 するとキョウは私に向かって炎魔法を放ってきた。炎はあっという間に目の前まで襲いかかって来たけれど、得意の氷魔法で氷壁を作りだし、なんとか当たる寸前のところで防ぐ事ができた。

「今までの分、たっぷり仕返ししていいよって事…だろ?」
「ふざけないでちょうだい…アンタみたいな出来損ないが、に勝てるわけない!」

 炎魔法を使えるようにって調子に乗りやがって、一対一なら私に勝てるとでも思ったのかしら?残念だったわね、私は知ってるのよ。さっきこの目で見たからね。

「ガラ!ギラ!いるんでしょ!力を貸しなさい!」

 さっき逃げる途中、確かに風魔法の反応を感じた。 つまり確実にガラは近くにいる。そしてギラはいつもガラの後をくっついていたからね、あの子もいるはずなのよ。
 ふふっ、これで三対一。アンタが勝つ結末なんてアンタ同様、不要なのよ。
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