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第2話 マニアック
マニアック その3
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俺と源尾は光の道を辿り、城へと向かっている。好奇心という理由は一切ない。ただただ夢からの脱出を目指してのことである。いくら互いに頰を引っ張りあっても、いくら「覚めろ」と繰り返し念じてみても、元の布団の中に戻れないことに、突如現れたアレが関係しているのは想像するに容易い。
「大丈夫なのかな」と呟く源尾は、絵を描いていた時までとは打って変わって心底不安そうな様子だ。あんな気味の悪い建物を目の前にしているだけではなく、これからそこに行かなければならないのだから無理もない。俺だってひとりだったらこんな顔をしていたはずだ。根拠のないまま「大丈夫」と言い切って、俺は源尾に微笑みかけた。
「それに、もし大丈夫じゃなくても、俺がなんとかしてやる」
「ありがと、伊瀬冬くん。でも、無理だけはしちゃだめだよ」
遠目から見るだけで寒気がするというのに、近づいてみるとその城の造形はなおさら不気味に感じた。中学校の構成物質を無理やり組み替えて作り上げたというのが見て取れる造りであり、城の周囲を囲む濠はプールで、そこに掛かる橋は学習机の集合体、橋の先の巨大な門は体育館の床で出来ていた。
門を抜けるとコンクリートの緩やかな坂が伸びていて、そこを歩いていった先に城の内部へと通じる戸があった。お世辞にも立派とは言えない造りのその戸は恐らく、教室の出入り口に使われているのと同じものだろう。
用心しながら戸を開けてみると、中はホテルのエントランスのように広々としていた。正面には上階へと続く階段、天井を見れば部屋を煌々と照らす水銀灯の照明がある。左右の壁には歴代校長の写真が飾ってある。全体的に薄暗い。お化け屋敷みたいだ。
独特な城の雰囲気に怯えているのか、俺の背後に隠れた源尾はシャツの裾をきゅっと掴む。ここは頭のひとつでも撫でた方がいいのだろうか? いやいや、さすがにそれは気が早すぎる。だがしかし、せめて手くらいは繋ぎたい――などと心中で葛藤していると、「おやおや」という声が部屋に反響した。コツコツという靴音と共に階段を降りてきたのは、燕尾服を着たいかにも怪しい女だった。顔つきはまだ若く、年齢はきっと俺と同じくらいだろう。
「こんなところに客人とは。珍しいこともあるものです。ようこそ、カチョウ様の御城へ」
「カチョウ様?」と俺が困惑しつつ問うと、女は「ええ」と笑顔で頷いた。
「私のご主人様でございます。なんとも美しいお方で、人を惹き付ける魅力がある。少々、お戯れが過ぎることもございますが、それもまた一興」
やけに芝居染みた奴だ。しかし、マトモに対応したら面倒な奴だということだけはとりあえずわかった。どうせ夢の中なのだし、多少は雑に扱っても問題無かろうとスムーズに判断した俺は、相手の会話には乗らず、聞きたいことをさっさと訊ねてしまうことにした。
「そのサトー様っていうのはさておき、俺達、元の世界に帰りたいんだ。なにか知らないか?」
「元の世界とは、またずいぶん興味深いことを仰る方だ。カチョウ様もきっとお気に召すことでしょう」
「そうか。で、なにか知らないのか」
「残念ながら、私の口からはなにも言えません。カチョウ様のお許しを頂かなければ。それが、この城のルールなのです」
その時、階段の上から「新しいお客様?」と誰かが声を掛けてきた。燕尾服の女が恭しく頭を下げながら「ええ」と答えたところを見るに、声の主は『カチョウ様』とやらに違いない。
やがて階段を降りてきたのは、目に痛いほど強烈に赤いドレスを身に纏った女だった。ギラギラ輝く宝石のついたティアラといい、性格のキツそうな目元といい、西洋画みたいに濃い化粧といい、やたらと高いヒールといい、悪い魔女と悪い女王を足して二で割ったみたいなヤツである。
女王は階段の中頃で止まると、俺達へ「あなた達、お名前は?」と威圧的に問いかけてきた。俺と源尾がそれぞれ名前を名乗ると、そいつは値踏みするようにこちらを眺めながらふんと鼻を鳴らし、それから口を開いた。
「私はカチョウ、この城の主です。その女は私の執事。さあ、どうぞこちらへ。温かいお茶でも飲みながらお話を伺いましょう」
俺のシャツの裾を握る源尾の力が、ほんの少し強くなった。
〇
カチョウ様とやらに連れられながら、俺達は城内を進んでいる。エントランスから階段を上っていった先には果てが見えないほど長い廊下が伸びていて、歩いているだけで億劫になる。廊下の左右の壁は一面壁で窓はない。低い天井からこちらを照らす蛍光灯は切れかけなのか常にチカチカしていて恐ろしい。ただでさえ息が詰まりそうな圧迫感があるというのに、背後にぴったり燕尾服の女がついてくるのだから、尋常ではないストレスである。
しばらく真っ直ぐ進んでいると、廊下の突き当たったところに大きな扉が現れた。扉を開いて中へ入ると、大きな長机とキャスターの付いた椅子が並べられただけの、会議室めいた簡素な部屋の光景が広がっていた。外装や内装のみならず、備品まで中学校産とは。仮にも城だというのに、なんとも虚しいことだろうか。
「さあ、座って」と俺達に言いながら適当な席に座ったカチョウは、手のひらを軽く二度打ち鳴らした。すると背後に控えていた執事が、どこからともなく用意したティーポットとカップを机の上に並べ、紅茶を淹れはじめる。
カチョウと対面する席へふたりで並んで座った俺と源尾は、出された紅茶をとりあえず一口飲んだ。味が薄い、というよりも無い。とても客に出していいものじゃない。これなら『2045』のコーヒーの方がマシだ。源尾も少し眉をひそめている。
マズイ紅茶を涼しい顔ですすったカチョウは、「それで」と話を切り出した。
「あなた達ふたりは、『外の世界』からいらっしゃったとか」
「そうだ。もてなしてもらって悪いけど、早く帰りたい。この世界から出る方法を知ってるなら教えてくれ」
「そう言わずに。外の世界からのお客様は久しぶりなの。お話を聞かせて頂戴」
「話すほどのもんじゃない。そうたいして、ここと変わらん。まずいコーヒーが出るかまずい紅茶が出るかの違いだ」
「施しも無く見返りだけを求めるおつもり? たいしたものね。ここから出るための手掛かりも無いのでしょう?」
そう言われてしまうと、あまり強くは出られない。紅茶を一気に飲み干した俺は、熱いため息と共に「わかったよ」と呟いた。
「……それで、なにが聞きたいんだ。知ってることなら全部答える」
「そうね。たとえば、あなたの隣に座ってる女の子について、とか」
「源尾についてか?」
冷たい微笑みを浮かべたカチョウは「そう」と答えて源尾に視線を向けた。
「その、見た目〝だけ〟は可愛らしくて、腹の中ではなにを考えているのかわからない、甘く囁いてあなたを動かすことだけが大得意なその源尾ちゃんについて、私にも教えて」
「ふざけんな」と椅子が倒れる勢いで席を立った俺が、そのまま対面のカチョウの胸倉へ掴みかかれなかったのは、源尾が俺の腕にしがみついてそれを止めたからだ。「放してくれ」と言ったが、「大丈夫だから、わたしなら」と泣きそうな顔で言われてしまっては、それ以上は何も言えないし、できなかった。
やり場のない怒りをなんとか胃の底に沈めた俺は、人を小馬鹿にするような笑みを浮かべるカチョウを強く睨んだ。
「……帰る。マズイ茶をどうも」
「あら、どこから、どうやって、出るつもりなのかしら?」
「知らん。だけど、とりあえずお前の顔はもう一秒も見ていたくないことは間違いない。後はこっちでどうにかする」
「そう。でも、現実は厳しいと思うわよ」
背筋を撫でられたような嫌な感覚を覚え、俺は恐る恐るこの部屋の出入り口へ目を向けた。つい先ほどまでそこにあったはずの扉は消しゴムで擦ったかのように、跡形もなく消えている。
カチョウは心底楽しそうに「くっくっ」と喉の奥を鳴らして笑うと、ぱちんと指を鳴らした。ほんの一瞬だけすべての照明が消えた後、すぐに元の明るさが戻ってきたが、その時にはすでにふたりの姿は部屋のどこにもなかった。
「あなた達はもう一生、私の世界に留まるしかないの。ご愁傷様」
呆然とする俺達の耳へ、腹立たしい調子の声だけがどこからか届いた。
「大丈夫なのかな」と呟く源尾は、絵を描いていた時までとは打って変わって心底不安そうな様子だ。あんな気味の悪い建物を目の前にしているだけではなく、これからそこに行かなければならないのだから無理もない。俺だってひとりだったらこんな顔をしていたはずだ。根拠のないまま「大丈夫」と言い切って、俺は源尾に微笑みかけた。
「それに、もし大丈夫じゃなくても、俺がなんとかしてやる」
「ありがと、伊瀬冬くん。でも、無理だけはしちゃだめだよ」
遠目から見るだけで寒気がするというのに、近づいてみるとその城の造形はなおさら不気味に感じた。中学校の構成物質を無理やり組み替えて作り上げたというのが見て取れる造りであり、城の周囲を囲む濠はプールで、そこに掛かる橋は学習机の集合体、橋の先の巨大な門は体育館の床で出来ていた。
門を抜けるとコンクリートの緩やかな坂が伸びていて、そこを歩いていった先に城の内部へと通じる戸があった。お世辞にも立派とは言えない造りのその戸は恐らく、教室の出入り口に使われているのと同じものだろう。
用心しながら戸を開けてみると、中はホテルのエントランスのように広々としていた。正面には上階へと続く階段、天井を見れば部屋を煌々と照らす水銀灯の照明がある。左右の壁には歴代校長の写真が飾ってある。全体的に薄暗い。お化け屋敷みたいだ。
独特な城の雰囲気に怯えているのか、俺の背後に隠れた源尾はシャツの裾をきゅっと掴む。ここは頭のひとつでも撫でた方がいいのだろうか? いやいや、さすがにそれは気が早すぎる。だがしかし、せめて手くらいは繋ぎたい――などと心中で葛藤していると、「おやおや」という声が部屋に反響した。コツコツという靴音と共に階段を降りてきたのは、燕尾服を着たいかにも怪しい女だった。顔つきはまだ若く、年齢はきっと俺と同じくらいだろう。
「こんなところに客人とは。珍しいこともあるものです。ようこそ、カチョウ様の御城へ」
「カチョウ様?」と俺が困惑しつつ問うと、女は「ええ」と笑顔で頷いた。
「私のご主人様でございます。なんとも美しいお方で、人を惹き付ける魅力がある。少々、お戯れが過ぎることもございますが、それもまた一興」
やけに芝居染みた奴だ。しかし、マトモに対応したら面倒な奴だということだけはとりあえずわかった。どうせ夢の中なのだし、多少は雑に扱っても問題無かろうとスムーズに判断した俺は、相手の会話には乗らず、聞きたいことをさっさと訊ねてしまうことにした。
「そのサトー様っていうのはさておき、俺達、元の世界に帰りたいんだ。なにか知らないか?」
「元の世界とは、またずいぶん興味深いことを仰る方だ。カチョウ様もきっとお気に召すことでしょう」
「そうか。で、なにか知らないのか」
「残念ながら、私の口からはなにも言えません。カチョウ様のお許しを頂かなければ。それが、この城のルールなのです」
その時、階段の上から「新しいお客様?」と誰かが声を掛けてきた。燕尾服の女が恭しく頭を下げながら「ええ」と答えたところを見るに、声の主は『カチョウ様』とやらに違いない。
やがて階段を降りてきたのは、目に痛いほど強烈に赤いドレスを身に纏った女だった。ギラギラ輝く宝石のついたティアラといい、性格のキツそうな目元といい、西洋画みたいに濃い化粧といい、やたらと高いヒールといい、悪い魔女と悪い女王を足して二で割ったみたいなヤツである。
女王は階段の中頃で止まると、俺達へ「あなた達、お名前は?」と威圧的に問いかけてきた。俺と源尾がそれぞれ名前を名乗ると、そいつは値踏みするようにこちらを眺めながらふんと鼻を鳴らし、それから口を開いた。
「私はカチョウ、この城の主です。その女は私の執事。さあ、どうぞこちらへ。温かいお茶でも飲みながらお話を伺いましょう」
俺のシャツの裾を握る源尾の力が、ほんの少し強くなった。
〇
カチョウ様とやらに連れられながら、俺達は城内を進んでいる。エントランスから階段を上っていった先には果てが見えないほど長い廊下が伸びていて、歩いているだけで億劫になる。廊下の左右の壁は一面壁で窓はない。低い天井からこちらを照らす蛍光灯は切れかけなのか常にチカチカしていて恐ろしい。ただでさえ息が詰まりそうな圧迫感があるというのに、背後にぴったり燕尾服の女がついてくるのだから、尋常ではないストレスである。
しばらく真っ直ぐ進んでいると、廊下の突き当たったところに大きな扉が現れた。扉を開いて中へ入ると、大きな長机とキャスターの付いた椅子が並べられただけの、会議室めいた簡素な部屋の光景が広がっていた。外装や内装のみならず、備品まで中学校産とは。仮にも城だというのに、なんとも虚しいことだろうか。
「さあ、座って」と俺達に言いながら適当な席に座ったカチョウは、手のひらを軽く二度打ち鳴らした。すると背後に控えていた執事が、どこからともなく用意したティーポットとカップを机の上に並べ、紅茶を淹れはじめる。
カチョウと対面する席へふたりで並んで座った俺と源尾は、出された紅茶をとりあえず一口飲んだ。味が薄い、というよりも無い。とても客に出していいものじゃない。これなら『2045』のコーヒーの方がマシだ。源尾も少し眉をひそめている。
マズイ紅茶を涼しい顔ですすったカチョウは、「それで」と話を切り出した。
「あなた達ふたりは、『外の世界』からいらっしゃったとか」
「そうだ。もてなしてもらって悪いけど、早く帰りたい。この世界から出る方法を知ってるなら教えてくれ」
「そう言わずに。外の世界からのお客様は久しぶりなの。お話を聞かせて頂戴」
「話すほどのもんじゃない。そうたいして、ここと変わらん。まずいコーヒーが出るかまずい紅茶が出るかの違いだ」
「施しも無く見返りだけを求めるおつもり? たいしたものね。ここから出るための手掛かりも無いのでしょう?」
そう言われてしまうと、あまり強くは出られない。紅茶を一気に飲み干した俺は、熱いため息と共に「わかったよ」と呟いた。
「……それで、なにが聞きたいんだ。知ってることなら全部答える」
「そうね。たとえば、あなたの隣に座ってる女の子について、とか」
「源尾についてか?」
冷たい微笑みを浮かべたカチョウは「そう」と答えて源尾に視線を向けた。
「その、見た目〝だけ〟は可愛らしくて、腹の中ではなにを考えているのかわからない、甘く囁いてあなたを動かすことだけが大得意なその源尾ちゃんについて、私にも教えて」
「ふざけんな」と椅子が倒れる勢いで席を立った俺が、そのまま対面のカチョウの胸倉へ掴みかかれなかったのは、源尾が俺の腕にしがみついてそれを止めたからだ。「放してくれ」と言ったが、「大丈夫だから、わたしなら」と泣きそうな顔で言われてしまっては、それ以上は何も言えないし、できなかった。
やり場のない怒りをなんとか胃の底に沈めた俺は、人を小馬鹿にするような笑みを浮かべるカチョウを強く睨んだ。
「……帰る。マズイ茶をどうも」
「あら、どこから、どうやって、出るつもりなのかしら?」
「知らん。だけど、とりあえずお前の顔はもう一秒も見ていたくないことは間違いない。後はこっちでどうにかする」
「そう。でも、現実は厳しいと思うわよ」
背筋を撫でられたような嫌な感覚を覚え、俺は恐る恐るこの部屋の出入り口へ目を向けた。つい先ほどまでそこにあったはずの扉は消しゴムで擦ったかのように、跡形もなく消えている。
カチョウは心底楽しそうに「くっくっ」と喉の奥を鳴らして笑うと、ぱちんと指を鳴らした。ほんの一瞬だけすべての照明が消えた後、すぐに元の明るさが戻ってきたが、その時にはすでにふたりの姿は部屋のどこにもなかった。
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