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二十七粒目 未来の正体
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馨の死から二週間経った。朝と夜を繰り返すだけの日々を送っていた香はその日、ふと青いワンピースに着替えて家を出た。向かう先は喫茶店『しまうま』。突然の外出の理由は彼女自身わからなかったが、もしかしたらまだ彼があの店にいるかもなんて、非現実的なことを考えたのは少なからずあった。
九月の半ば。暦の上ではとっくに秋だが、未だ夏が続いているようにギラギラと輝き続ける太陽は、香の肌を無遠慮に刺す。強い光は痛いくらいに目に染みる。「ぶっ壊れろ、夏」と恨みを込めて呟きながら歩くうち、彼女は店にたどり着いた。
扉を開いてみれば、「いらっしゃいませ」と声を掛けてきたのは見知らぬ女の子だ。これだけで香は帰りたくなったが、グッと気持ちを抑えて空いていたカウンター席に腰掛けた。
間も無くしてコーヒーを運んできたのはマスター室藤である。
「……お久しぶりです、長瀬さん」
そう言って一礼した彼はキッチンの奥へと引っ込んでいく。多くは語らない彼の流儀が、今の香にとっては何よりもありがたかった。
香はじっと黙ってコーヒーをすする。店内に客は四名。そのいずれも『しまうま』の常連だ。あの人達もカオルくんのお通夜に来たんだろうか、なんて香が思ったその時、真鍮製のベルが鳴った。店に現れた男性は、香にとってどこか見覚えのある顔だったが、どこで会ったのかは思い出せない。
――誰だっけな、この人。
香が横目で来店した男性を見ていると、その人は真っ直ぐ彼女に歩み寄り、「やあ、やっと会えた」とにこやかに言った。彼の正体が馨の父・栄一であることを香が思い出したのは、その時になってのことだった。
「申し訳ない、初対面なのに名乗りもしないで。俺は馨の父です。栄一と申します。よろしければ、こちらに座っても?」
「ええ」と香が答えると、彼は「よいしょ」と彼女の隣に腰掛ける。
「いやいや。あなたがこのお店によくいらっしゃると息子から聞いていたものですから。一目お会いしたくてですね、恥ずかしながら毎日来ておりました。今ではすっかり常連ですよ。コーヒーなんて、今までの人生でほとんど飲んでこなかったのに」
「……すいません。探させてしまって」
「いいんです。俺が勝手に待ったんですから」と言って彼は笑う。親子だから当たり前だが、その人懐っこい笑顔は馨のそれとよく似ていた。
「うちの馨はですね、ああいうヘンに気取った性格なもんですから、女の子の友達があんまりいなくてね。でもそんな息子が、あなたのことはよぉく喋ってくれた」
「そんなに、喋ってたんですか?」
「ええ、そりゃもう。あなたのことについて喋る息子はずいぶん楽しそうでね。でも、こっちとしては面白くない。会ったことのない美人の話をされるなんて。会わせろって何度も言ってきたんですがね、連れて来やしない。独り占めですよ、まったく」
彼の冗談に香は思わず笑みがこぼれた。
「……まあとにかく俺が言いたいのは、息子があなたと出会ってよかったということです。本当は式の時に言いたかったんですが、どうにも老眼が進んだのか、見つけられなかったもんで」
そう言うと彼は席を立ち、「ありがとうございました、長瀬さん」と深く頭を下げた。慌てて香も席を立って頭を下げる。お互いしばらくそうした後、先に顔を上げた彼は「それじゃ」と去ろうとしたが、扉に手を掛ける直前に何かを思い出したのか引き返してきて、懐から取り出したアポロチョコのカウンターの上に置いた。
「形見分け、っていうのも妙なモンだと思いますけど、息子の持ち物です。長瀬さんの好物だって話を聞いてたんで、もしよろしければ」
〇
馨の父と別れてから程なくして。家に帰った香はソファーに寝転がり、彼から貰ったアポロチョコを見つめていた。
馨が死んだその日以来、香はアポロチョコを食べていない。能力が消失したゆえに食べる必要も無かったというのもあるが何よりも、それを見ると、馨のことを思い出してしまうからという理由が大きい。
彼女にとってそれは、既に人生のどの場面においても必要のないものである。しかし捨てるのは忍びなく、かと言って取っておくのも未練がましい。仕方なく箱を包むビニール包装の封を切った彼女は、小さな円錐状のそれを口の中へと一粒放り込んだ。
奥歯で噛み砕けば鼻の奥に広がるいつもの香り――瞬間、脳裏に浮かぶ見覚えのある映像。鼻腔の奥にアポロチョコの香り。大雨の中、ふらふらと歩く自分と、今ではすっかり馴染みとなった『しまうま』の店内、マスター室藤の姿。
――未来、じゃない。これ、カオルくんとはじめて会った時に見た景色だ。
理解の直後、香は現実へ帰還する。ただの白昼夢か、それとも未来の次は〝過去〟が見えるようになったのか。そのどちらかは定かではないが、確かめるためには食べるしかない。チョコをもう一粒手に取った彼女は、目をつぶってそれを口に放り込む。
続いて香が見たのは、見知らぬ女性がこちらに向かって微笑みかける景色。その女性はこちらの頭を優しく撫でると、「美味しい?」と訊ねてきた。見ると、彼女の手元にはアポロチョコの箱がある――と、同時に現実へと帰還する。
思い切ってもう一粒食べれば、今度はつい最近の景色。病院の中で西島美緒に「ありがとう」と言われた時のものだ――と、彼女が食べているのもアポロチョコ。ずいぶん縁があるな、なんて香が思ったところでまた現実へと戻ってくる。
チョコを食べれば食べるほど、見覚えのある景色とはじめて見る景色が無軌道に交差していく。マッチ売りの少女みたいだなんて考え、つい調子に乗って三粒も一気にチョコを食べたその瞬間、香はまるで時間が逆転するみたいな強烈な眩暈を覚え、「うわうわ」と声を上げながらソファーから転がり落ちた。
「なんなの、もう」とぼやきつつ身体を起こせば――そこは、自分の部屋ではなかった。
時刻は夜。通りのあちこちに屋台が出ていて、野暮ったい熱気の中に安いアルコールの匂いや、むせるほどの香水の匂い、味の濃い肉を焼く匂いなど、雑多な空気が充満している。客引きの声が四方から響く。
間違いない。ここはかつて、ふたりのカオルが幽霊を探すためにやって来た、八月末の池袋西口、メトロポリタン通り。時間も、場所も、つい数秒前までとはまったく異なる。
――タイムスリップ……?
目の前の現実は、香にとって受け入れるにはあまりにも大きすぎた。頭を抱えた彼女は、助けを求めるように天を見上げた。
「……なに、コレ。どういうこと?」
「――うん、どうしたのかな?」
香にとっては聞き覚えのある声が背後から聞こえる。振り返ると、そこにいたのは足立と島津のわたあめ屋コンビ。
混乱の渦の最中にいた香は、知り合いがいたことに安堵しつつ、喉に強烈な渇きを覚えながら辛うじて訊ねた。
「……足立さんに、島津さん、だよね? なんでここにいるの?」
「おやおや。また聞くのかい? 何度でも言うよ、デートさ」
そう言って笑う足立。それに島津が「ちょ、ちょっと。足立さん」と反応して顔を真っ赤にした。
――ああ、このふたり。やっぱり付き合ってるんだ……って、そんな場合じゃないって。なに? なんなの、この状況。
理解の範疇を優に超えた現象を前に、香はぎゅっと目をつぶった。現実逃避――というわけではない。動揺に波打つ頭を鎮め、やるべきことを模索していたのである。
――なんだか色々とわからないや……けど! もし本当にわたしが過去に来てるなら、出来ることがある!
理解と共に駆けだす香。背後から「どうしたんだい」という足立の声が追ってきたが、彼女はちらりと振り返ることすらしなかった。
彼女が目指すは雑司ヶ谷、鬼子母神堂。この日、馨がいる場所。
人混みの隙間をぬってぐんぐんと進んでいく。爆発しそうなほど心臓が強く脈打っている。息が切れて肺が千切れそうだ。道を行く人は走る香を迷惑そうな視線で刺す。あるいは、露骨に舌打ちする。
〝騒〟が基本となる夜の池袋ですら、全力疾走する人は明らかな異物である。そして異物は排除される。いつ何時、因縁をつけられて危険な目に遭ってもおかしくない。それでも彼女はただ走った。
もう一度、馨に会うために。そして、過去を変えるために。
西池袋通りから明治通りへ。雑司ヶ谷方面へ道なりに走って行けば、目的地はすぐだ。鳥居をくぐって境内に踏み入り、「カオルくーん」と彼を呼んだが返事は無い。どうやらまだ彼は来ていないらしい――と、急に足を止めたせいか途方もない疲労感が全身を襲い、香は思わず吐きそうになった。
――水。水が飲みたい。
ふと、彼女の視界に手水舎が入る。綺麗ではないだろうことは香自身わかっていたが、背に腹は代えられない。舎へ歩み寄り、顔ごと水につけようとしたその瞬間、香は思わず飛び退いて尻もちをついた。
水面に映ったのが、自分ではなく馨の姿だったからだ。
「なに、なに?!」
慌てて辺りを見回したが、そこは夜の鬼子母神堂ではなく、彼女にとっては見慣れた自室。
静かな部屋にひとり。混乱の波が収まると同時に香の全身を理解の血液がじわじわと巡り、やがて彼女の思考はひとつの答えを導き出した。
「……いくら未来を見たって、カオルくんが見えないはずだよ。わたしは今まで、ただ未来を見てたんじゃない。未来のカオルくんが見ていた景色を、一緒になって見てたんだから」
九月の半ば。暦の上ではとっくに秋だが、未だ夏が続いているようにギラギラと輝き続ける太陽は、香の肌を無遠慮に刺す。強い光は痛いくらいに目に染みる。「ぶっ壊れろ、夏」と恨みを込めて呟きながら歩くうち、彼女は店にたどり着いた。
扉を開いてみれば、「いらっしゃいませ」と声を掛けてきたのは見知らぬ女の子だ。これだけで香は帰りたくなったが、グッと気持ちを抑えて空いていたカウンター席に腰掛けた。
間も無くしてコーヒーを運んできたのはマスター室藤である。
「……お久しぶりです、長瀬さん」
そう言って一礼した彼はキッチンの奥へと引っ込んでいく。多くは語らない彼の流儀が、今の香にとっては何よりもありがたかった。
香はじっと黙ってコーヒーをすする。店内に客は四名。そのいずれも『しまうま』の常連だ。あの人達もカオルくんのお通夜に来たんだろうか、なんて香が思ったその時、真鍮製のベルが鳴った。店に現れた男性は、香にとってどこか見覚えのある顔だったが、どこで会ったのかは思い出せない。
――誰だっけな、この人。
香が横目で来店した男性を見ていると、その人は真っ直ぐ彼女に歩み寄り、「やあ、やっと会えた」とにこやかに言った。彼の正体が馨の父・栄一であることを香が思い出したのは、その時になってのことだった。
「申し訳ない、初対面なのに名乗りもしないで。俺は馨の父です。栄一と申します。よろしければ、こちらに座っても?」
「ええ」と香が答えると、彼は「よいしょ」と彼女の隣に腰掛ける。
「いやいや。あなたがこのお店によくいらっしゃると息子から聞いていたものですから。一目お会いしたくてですね、恥ずかしながら毎日来ておりました。今ではすっかり常連ですよ。コーヒーなんて、今までの人生でほとんど飲んでこなかったのに」
「……すいません。探させてしまって」
「いいんです。俺が勝手に待ったんですから」と言って彼は笑う。親子だから当たり前だが、その人懐っこい笑顔は馨のそれとよく似ていた。
「うちの馨はですね、ああいうヘンに気取った性格なもんですから、女の子の友達があんまりいなくてね。でもそんな息子が、あなたのことはよぉく喋ってくれた」
「そんなに、喋ってたんですか?」
「ええ、そりゃもう。あなたのことについて喋る息子はずいぶん楽しそうでね。でも、こっちとしては面白くない。会ったことのない美人の話をされるなんて。会わせろって何度も言ってきたんですがね、連れて来やしない。独り占めですよ、まったく」
彼の冗談に香は思わず笑みがこぼれた。
「……まあとにかく俺が言いたいのは、息子があなたと出会ってよかったということです。本当は式の時に言いたかったんですが、どうにも老眼が進んだのか、見つけられなかったもんで」
そう言うと彼は席を立ち、「ありがとうございました、長瀬さん」と深く頭を下げた。慌てて香も席を立って頭を下げる。お互いしばらくそうした後、先に顔を上げた彼は「それじゃ」と去ろうとしたが、扉に手を掛ける直前に何かを思い出したのか引き返してきて、懐から取り出したアポロチョコのカウンターの上に置いた。
「形見分け、っていうのも妙なモンだと思いますけど、息子の持ち物です。長瀬さんの好物だって話を聞いてたんで、もしよろしければ」
〇
馨の父と別れてから程なくして。家に帰った香はソファーに寝転がり、彼から貰ったアポロチョコを見つめていた。
馨が死んだその日以来、香はアポロチョコを食べていない。能力が消失したゆえに食べる必要も無かったというのもあるが何よりも、それを見ると、馨のことを思い出してしまうからという理由が大きい。
彼女にとってそれは、既に人生のどの場面においても必要のないものである。しかし捨てるのは忍びなく、かと言って取っておくのも未練がましい。仕方なく箱を包むビニール包装の封を切った彼女は、小さな円錐状のそれを口の中へと一粒放り込んだ。
奥歯で噛み砕けば鼻の奥に広がるいつもの香り――瞬間、脳裏に浮かぶ見覚えのある映像。鼻腔の奥にアポロチョコの香り。大雨の中、ふらふらと歩く自分と、今ではすっかり馴染みとなった『しまうま』の店内、マスター室藤の姿。
――未来、じゃない。これ、カオルくんとはじめて会った時に見た景色だ。
理解の直後、香は現実へ帰還する。ただの白昼夢か、それとも未来の次は〝過去〟が見えるようになったのか。そのどちらかは定かではないが、確かめるためには食べるしかない。チョコをもう一粒手に取った彼女は、目をつぶってそれを口に放り込む。
続いて香が見たのは、見知らぬ女性がこちらに向かって微笑みかける景色。その女性はこちらの頭を優しく撫でると、「美味しい?」と訊ねてきた。見ると、彼女の手元にはアポロチョコの箱がある――と、同時に現実へと帰還する。
思い切ってもう一粒食べれば、今度はつい最近の景色。病院の中で西島美緒に「ありがとう」と言われた時のものだ――と、彼女が食べているのもアポロチョコ。ずいぶん縁があるな、なんて香が思ったところでまた現実へと戻ってくる。
チョコを食べれば食べるほど、見覚えのある景色とはじめて見る景色が無軌道に交差していく。マッチ売りの少女みたいだなんて考え、つい調子に乗って三粒も一気にチョコを食べたその瞬間、香はまるで時間が逆転するみたいな強烈な眩暈を覚え、「うわうわ」と声を上げながらソファーから転がり落ちた。
「なんなの、もう」とぼやきつつ身体を起こせば――そこは、自分の部屋ではなかった。
時刻は夜。通りのあちこちに屋台が出ていて、野暮ったい熱気の中に安いアルコールの匂いや、むせるほどの香水の匂い、味の濃い肉を焼く匂いなど、雑多な空気が充満している。客引きの声が四方から響く。
間違いない。ここはかつて、ふたりのカオルが幽霊を探すためにやって来た、八月末の池袋西口、メトロポリタン通り。時間も、場所も、つい数秒前までとはまったく異なる。
――タイムスリップ……?
目の前の現実は、香にとって受け入れるにはあまりにも大きすぎた。頭を抱えた彼女は、助けを求めるように天を見上げた。
「……なに、コレ。どういうこと?」
「――うん、どうしたのかな?」
香にとっては聞き覚えのある声が背後から聞こえる。振り返ると、そこにいたのは足立と島津のわたあめ屋コンビ。
混乱の渦の最中にいた香は、知り合いがいたことに安堵しつつ、喉に強烈な渇きを覚えながら辛うじて訊ねた。
「……足立さんに、島津さん、だよね? なんでここにいるの?」
「おやおや。また聞くのかい? 何度でも言うよ、デートさ」
そう言って笑う足立。それに島津が「ちょ、ちょっと。足立さん」と反応して顔を真っ赤にした。
――ああ、このふたり。やっぱり付き合ってるんだ……って、そんな場合じゃないって。なに? なんなの、この状況。
理解の範疇を優に超えた現象を前に、香はぎゅっと目をつぶった。現実逃避――というわけではない。動揺に波打つ頭を鎮め、やるべきことを模索していたのである。
――なんだか色々とわからないや……けど! もし本当にわたしが過去に来てるなら、出来ることがある!
理解と共に駆けだす香。背後から「どうしたんだい」という足立の声が追ってきたが、彼女はちらりと振り返ることすらしなかった。
彼女が目指すは雑司ヶ谷、鬼子母神堂。この日、馨がいる場所。
人混みの隙間をぬってぐんぐんと進んでいく。爆発しそうなほど心臓が強く脈打っている。息が切れて肺が千切れそうだ。道を行く人は走る香を迷惑そうな視線で刺す。あるいは、露骨に舌打ちする。
〝騒〟が基本となる夜の池袋ですら、全力疾走する人は明らかな異物である。そして異物は排除される。いつ何時、因縁をつけられて危険な目に遭ってもおかしくない。それでも彼女はただ走った。
もう一度、馨に会うために。そして、過去を変えるために。
西池袋通りから明治通りへ。雑司ヶ谷方面へ道なりに走って行けば、目的地はすぐだ。鳥居をくぐって境内に踏み入り、「カオルくーん」と彼を呼んだが返事は無い。どうやらまだ彼は来ていないらしい――と、急に足を止めたせいか途方もない疲労感が全身を襲い、香は思わず吐きそうになった。
――水。水が飲みたい。
ふと、彼女の視界に手水舎が入る。綺麗ではないだろうことは香自身わかっていたが、背に腹は代えられない。舎へ歩み寄り、顔ごと水につけようとしたその瞬間、香は思わず飛び退いて尻もちをついた。
水面に映ったのが、自分ではなく馨の姿だったからだ。
「なに、なに?!」
慌てて辺りを見回したが、そこは夜の鬼子母神堂ではなく、彼女にとっては見慣れた自室。
静かな部屋にひとり。混乱の波が収まると同時に香の全身を理解の血液がじわじわと巡り、やがて彼女の思考はひとつの答えを導き出した。
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