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守る証
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「まずは何処から何処までが人と魔物の世界の境目なのかな」
『この森は本来どちらのものでもない、魔物の住む集落などは森を抜けた先にある』
「じゃあこの森を立ち入り禁止にすれば人間が迷い込むのを止められるのかな」
『出来なくはない、森以外にも行く道は当然あるけどね』
「うーん…」
「疾風、いったい誰と話してるんだ?」
クレイドは不思議そうに俺の顔を見つめていた。
あれ、鳥と話してたんだけどクレイドには聞こえてない?
鳥を見ると『直接脳内で話しかけているからね』と言っていた。
クレイドからしたら、独り言を喋る可笑しい奴でしかないよな。
鳥が魔物で、脳内で会話している事を伝えた。
クレイドは眉を寄せて険しい顔をしていたが納得してくれた。
内緒話みたいでいい気分ではないよな。
でも、クレイドに隠し事をしたいわけではないんだ。
一文字も違えずクレイドに鳥が言っていた事を話した。
「それを直接脳内で聞いたのか?」
「うん」
「疾風の頭の中に…俺もそこまではまだしてないのに」
クレイドが怖い顔をしてブツブツとなにかを言っていた。
すぐに元の顔に戻ってきて、話を続けた。
人間側も国民達に話して、森に近付かないようにする必要がある。
他の国までは干渉出来ないが、一番森に近いのはクレイドが住んでいる国だ。
他の国はわざわざ遠くまで来て、この森を越えようと思う人はいない。
なんせこの森の先には何もないからだ。
集落にいる魔物達も長年で人間から身を隠す方法を身に付けているんだろう。
身を隠す気がない魔物も当然いるけど。
「今の騎士団長は名声を上げるためだけに魔物の巣を壊してきた、俺もずっとそれに協力していた」
「魔物だって同じだったと思うよ、じゃないとこの森で罠を使って騎士団長を陥れようとは思わないから」
騎士団長の姿をしていたクレイドになにか理由があるのは分かっている。
初めて魔物と騎士団長の戦いに巻き込まれた時もクレイドだった。
騎士団長が魔物と戦うところは見ていなくて、クレイドの手柄を全て自分がやったと部下に自慢していた。
もしかしたらクレイドは騎士団長になにか弱みでも握られてるんじゃないのか?
俺が見た騎士団長の姿を思い出して、気分が悪くなる。
そこまで深いところはクレイドが話さないから知らない。
デリケートな話だから、無神経に踏み込んでいいわけではない。
俺に出来る事は、ただ黙ってクレイドに寄り添う事だけだ。
クレイドの手を包み込むように握る。
「でも、疾風が住み分けを望むなら俺も頑張るよ」
「クレイドが嫌な事はしなくていいからね、俺のわがままで決めた事だから」
「疾風のわがままならいくらでも聞くよ、俺はいつでも疾風の味方だから、ね?」
こんなに心強い人がいるんだ、必ず成功させよう。
もうかなり遅くなってしまったからクレイドも帰らないと明日大変だよね。
俺を心配してくれて、安全なところまで送るつもりみたいだけど、これ以上引き止められない。
それにこれから危険な事なんていくらでもある、今怯えていたら魔王になんかなれない。
そう言うと、クレイドは俺の首筋を人差し指で撫でていた。
ゾクゾクと変な気分になってきて、顔に熱が集まる。
着替えたシャツのボタンを一つ二つと外されていく。
今は鳥がちかくにいるのにダメだとクレイドの手を掴んだ。
その瞬間、首筋に痛みが走り驚いて固まった。
クレイドが俺の首筋に強めに噛みついていた。
鳥も驚いて俺の頭の上から離れた。
痛いのに、何処か甘さもあって思考が追い付かない。
数秒だったのか分からないが、とても長く感じた。
「これで大丈夫」
「…えっ?」
「疾風の身体の中に結界を張ったからしばらくは大丈夫だよ」
「あ、結界…」
呆然としたまま、クレイドに噛まれた傷に触れた。
そこにあったのは痛々しい傷ではなく、首輪のようなものだった。
引っ張ってみても簡単に外れそうにない。
時間が経てばなくなる結界だけど定期的に結界を張り直せば半永久的に守ってくれる。
いきなり噛みつかれてびっくりしたけど、クレイドに守られてると思えば痛みも愛しく感じる。
見た目の変化は首輪しかないけど、心の奥底で暖かいものを感じる。
クレイドに手を振って見送り、自然と顔がニヤつく。
『能天気がここまで来たら、恐ろしいね』
「えっ、なんで?」
『あの男、本当に仲間?信用出来るわけ?』
鳥はクレイドに会った事がないからそう言うんだ。
魔王になると決めた俺を支えてくれると言っているのに、優しくないわけがない。
クレイドと初めて会ったから、人間側の騎士を疑うのは分かる。
でも、俺を信じてほしい…クレイドは味方だから。
夜道は危ないからと俺にここまでしてくれたんだ、また助けられっぱなしだ。
もっと強くならないと、背中を預けてもらえるように。
鳥は『知らぬが仏か』と呆れたような声を出して、俺の頭の上に乗っている。
難しい事知ってるんだね、俺を元の世界に帰す事も出来るから鳥もクレイドみたいに転生しているのかもしれない。
分からないけど、とりあえず魔物の住みかまで鳥に案内役を頼む事にした。
暗いし、魔物の住みかの場所は知らない。
俺を囮にして逃げたからな、あの時の顔を思い出すと苦い顔になる。
「そういえば君の名前はなんて言ったらいい?」
『好きに呼べばいい、僕には名前がないから』
「じゃあ…ピィ」
『君ってセンスの欠片もないよね』
鳥と言ったらこうかなという名前を言ったけど、気に入らないようだ。
じゃあピッピ?それともポッポ?…ポッポは鳩か。
好きに呼んでいいって言ったのにどれがいいのか自分で決めてほしい。
何個か思いついた名前を提案しても、どれもピンときていなかった。
そして結局、最初の提案した名前であるピィに決まった。
魔物の森の中での拠点である住みかの洞窟に到着した。
入り口も見ていなかったけど、俺が数日住んでいたあそこではない気がする。
きっと変えたんだろう、騎士に見つかったら潰されるから。
だったらここに居なきゃいいのに、魔物はどうしてこの森にこだわるのか。
森なら罠を張りやすい、人を襲うためだよなやっぱり。
魔物について知識不足で、俺は自分がしている事と言っている事が同じなのか分からない。
『何迷ってるわけ?』
「魔物の主食って人間なのか?…もしそうだとしたら、魔王になって人間を襲わせないのは…本当にしていいのかな」
『知りたいなら自分の目で見ればいい、口では何とでもねじ曲げられるけど真実は簡単にねじ曲げられない』
ピィの言う通りだ、そうだとか違うとか言われても実際に見ないと細かいところまで分からない。
そう簡単に言葉だけで信じるなとピィに言われているような気がした。
『この森は本来どちらのものでもない、魔物の住む集落などは森を抜けた先にある』
「じゃあこの森を立ち入り禁止にすれば人間が迷い込むのを止められるのかな」
『出来なくはない、森以外にも行く道は当然あるけどね』
「うーん…」
「疾風、いったい誰と話してるんだ?」
クレイドは不思議そうに俺の顔を見つめていた。
あれ、鳥と話してたんだけどクレイドには聞こえてない?
鳥を見ると『直接脳内で話しかけているからね』と言っていた。
クレイドからしたら、独り言を喋る可笑しい奴でしかないよな。
鳥が魔物で、脳内で会話している事を伝えた。
クレイドは眉を寄せて険しい顔をしていたが納得してくれた。
内緒話みたいでいい気分ではないよな。
でも、クレイドに隠し事をしたいわけではないんだ。
一文字も違えずクレイドに鳥が言っていた事を話した。
「それを直接脳内で聞いたのか?」
「うん」
「疾風の頭の中に…俺もそこまではまだしてないのに」
クレイドが怖い顔をしてブツブツとなにかを言っていた。
すぐに元の顔に戻ってきて、話を続けた。
人間側も国民達に話して、森に近付かないようにする必要がある。
他の国までは干渉出来ないが、一番森に近いのはクレイドが住んでいる国だ。
他の国はわざわざ遠くまで来て、この森を越えようと思う人はいない。
なんせこの森の先には何もないからだ。
集落にいる魔物達も長年で人間から身を隠す方法を身に付けているんだろう。
身を隠す気がない魔物も当然いるけど。
「今の騎士団長は名声を上げるためだけに魔物の巣を壊してきた、俺もずっとそれに協力していた」
「魔物だって同じだったと思うよ、じゃないとこの森で罠を使って騎士団長を陥れようとは思わないから」
騎士団長の姿をしていたクレイドになにか理由があるのは分かっている。
初めて魔物と騎士団長の戦いに巻き込まれた時もクレイドだった。
騎士団長が魔物と戦うところは見ていなくて、クレイドの手柄を全て自分がやったと部下に自慢していた。
もしかしたらクレイドは騎士団長になにか弱みでも握られてるんじゃないのか?
俺が見た騎士団長の姿を思い出して、気分が悪くなる。
そこまで深いところはクレイドが話さないから知らない。
デリケートな話だから、無神経に踏み込んでいいわけではない。
俺に出来る事は、ただ黙ってクレイドに寄り添う事だけだ。
クレイドの手を包み込むように握る。
「でも、疾風が住み分けを望むなら俺も頑張るよ」
「クレイドが嫌な事はしなくていいからね、俺のわがままで決めた事だから」
「疾風のわがままならいくらでも聞くよ、俺はいつでも疾風の味方だから、ね?」
こんなに心強い人がいるんだ、必ず成功させよう。
もうかなり遅くなってしまったからクレイドも帰らないと明日大変だよね。
俺を心配してくれて、安全なところまで送るつもりみたいだけど、これ以上引き止められない。
それにこれから危険な事なんていくらでもある、今怯えていたら魔王になんかなれない。
そう言うと、クレイドは俺の首筋を人差し指で撫でていた。
ゾクゾクと変な気分になってきて、顔に熱が集まる。
着替えたシャツのボタンを一つ二つと外されていく。
今は鳥がちかくにいるのにダメだとクレイドの手を掴んだ。
その瞬間、首筋に痛みが走り驚いて固まった。
クレイドが俺の首筋に強めに噛みついていた。
鳥も驚いて俺の頭の上から離れた。
痛いのに、何処か甘さもあって思考が追い付かない。
数秒だったのか分からないが、とても長く感じた。
「これで大丈夫」
「…えっ?」
「疾風の身体の中に結界を張ったからしばらくは大丈夫だよ」
「あ、結界…」
呆然としたまま、クレイドに噛まれた傷に触れた。
そこにあったのは痛々しい傷ではなく、首輪のようなものだった。
引っ張ってみても簡単に外れそうにない。
時間が経てばなくなる結界だけど定期的に結界を張り直せば半永久的に守ってくれる。
いきなり噛みつかれてびっくりしたけど、クレイドに守られてると思えば痛みも愛しく感じる。
見た目の変化は首輪しかないけど、心の奥底で暖かいものを感じる。
クレイドに手を振って見送り、自然と顔がニヤつく。
『能天気がここまで来たら、恐ろしいね』
「えっ、なんで?」
『あの男、本当に仲間?信用出来るわけ?』
鳥はクレイドに会った事がないからそう言うんだ。
魔王になると決めた俺を支えてくれると言っているのに、優しくないわけがない。
クレイドと初めて会ったから、人間側の騎士を疑うのは分かる。
でも、俺を信じてほしい…クレイドは味方だから。
夜道は危ないからと俺にここまでしてくれたんだ、また助けられっぱなしだ。
もっと強くならないと、背中を預けてもらえるように。
鳥は『知らぬが仏か』と呆れたような声を出して、俺の頭の上に乗っている。
難しい事知ってるんだね、俺を元の世界に帰す事も出来るから鳥もクレイドみたいに転生しているのかもしれない。
分からないけど、とりあえず魔物の住みかまで鳥に案内役を頼む事にした。
暗いし、魔物の住みかの場所は知らない。
俺を囮にして逃げたからな、あの時の顔を思い出すと苦い顔になる。
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『好きに呼べばいい、僕には名前がないから』
「じゃあ…ピィ」
『君ってセンスの欠片もないよね』
鳥と言ったらこうかなという名前を言ったけど、気に入らないようだ。
じゃあピッピ?それともポッポ?…ポッポは鳩か。
好きに呼んでいいって言ったのにどれがいいのか自分で決めてほしい。
何個か思いついた名前を提案しても、どれもピンときていなかった。
そして結局、最初の提案した名前であるピィに決まった。
魔物の森の中での拠点である住みかの洞窟に到着した。
入り口も見ていなかったけど、俺が数日住んでいたあそこではない気がする。
きっと変えたんだろう、騎士に見つかったら潰されるから。
だったらここに居なきゃいいのに、魔物はどうしてこの森にこだわるのか。
森なら罠を張りやすい、人を襲うためだよなやっぱり。
魔物について知識不足で、俺は自分がしている事と言っている事が同じなのか分からない。
『何迷ってるわけ?』
「魔物の主食って人間なのか?…もしそうだとしたら、魔王になって人間を襲わせないのは…本当にしていいのかな」
『知りたいなら自分の目で見ればいい、口では何とでもねじ曲げられるけど真実は簡単にねじ曲げられない』
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