【完結】護衛騎士の忠誠は皇子への揺るぎない溺愛

卯藤ローレン

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34. 救った命があることを

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 その日、ブラッドリーは変装したシェルエンと街歩きに興じていた。
 豊穣祭の時と同様に、平民男性の格好をしている皇子だが、今回は髪を染めていない。
 護衛騎士から猛抗議が入ったからだ。

 バレないので大丈夫です、バレても俺がどうにかしますから、と説き伏せられて、シェルエンは髪染めの材料を持っていたジュディスの手元を止めさせた。

 祭りの時に小ファーセスの住民の態度に気づいていたブラッドリーには、確信があった。
 彼らは皇子に気づいている。
 気づいていて、気づかない振りをしている。
 彼らに出来る最大限で皇子の生活を護っている、と。

 だから髪を塗り替えてしまうのには反対した。
 美しい銀白をありふれた茶色にしてしまうのは個人的に猛烈に嫌だったので、断固として反対した。
 苦笑いで了承する主人をはじめ、使用人たちのくたびれたような表情は無視した。

 とはいえ、本日の目的地は実は小ファーセス内にはない。
 橋を渡った先、大ファーセスの末端にある店に立ち寄る予定だ。
 新素材を用いて開発された万年筆の評判がとても良いと聞いたので、散歩がてら見に行ってみようとなったのである。

「品質が良ければ陛……お父上にも贈る予定なんですか?」
「ええ、そうしようと思っています。もうすぐ誕生日なので」
「あぁ、もうそんな時期ですね」

 秋の始まりには皇帝の生誕祭が行われる。
 祝日となるその日、街では一日限りの仮装パレードが開催される。
 何百年か何十年か前、当時の皇帝の生誕を国民が仮装して祝った祭りが起源とされている。
 それが何代か前のお祭り大好き君主によって、許容範囲が極限まで拡大された。
 つまり、『何の仮装をしても可、楽しければ可』となったのだ。

 ちなみに、秋に収穫シーズンを迎えるかぼちゃがその祭りには飾りとして広く使用されている。
 顔を書いたり、かぼちゃ自体に仮装をさせて玄関先に置いたり、最近では全く関係のないあれやこれやもデコレーションとして用いられるようになり、橙と紫と黒の、相性の良い色合いで装飾されている。
 パレードは一日限りだが、飾りつけ自体は二週間ほど前から行われ、国を彩っている。

 邸ではメイドのジュディスが大張り切りで音頭を取り、玄関ホールから食堂、応接室、風呂に至るまでをあらゆるアイテムが埋めつくしている。
 シェルエンの寝間着までもが紫と橙に変わったのには笑ってしまった。
 「陽気ですね」と評価したブラッドリーは皇子の抗議を期待していたのだが、「年に一度ですから、これくらいは序の口です」と意外にも乗り気な返答が返ってきたので逆に驚かされた。

 忘れていたわけではないが、忘れていた。
 ファンデミア皇国の第四皇子は、途轍もなく肝が据わっている。

「殿下、あのオブジェ珍しいですね」
「大きく開いたかぼちゃの口の中にミニかぼちゃが詰まってますね……スコーン屋さんのようです。大ファーセスは来る機会が少ないので、知らない店ばかりで面白いです」
「大ファーセスは中心地に行けば行くほど気取った店が多くなるので、俺にはあまり向きません」
「だけど、あなたは大ファーセスで育ったと言っても言い過ぎではないでしょう? 確か、十一歳の頃には叔父の騎士団長の元で暮らしていたはずですよね?」
「そうでした、ご存じなんでした。その頃の叔父はまだ子爵だったので、貴族街の端でのびのびと暮らしてました。なので、端の方が好きです。まさか叔父が大功績を上げて貴族街の中心地に引っ越すことになるなんて、その頃は想像もしてませんでした」

 筋肉ムチムチで知られるブラッドリーの叔父であるガウェドミール・ジェスフォードは、ジェスフォード家が所有していた子爵を継いだ。
 それが十年前、長年ファンデミアと国境線争いをしていた隣国に奇襲作戦を仕掛け、その僅か二日後には停戦状態に持ち込むという大偉業を成し遂げた。
 その結果、可能な限りの最短で陞爵となり、今では騎士団長と伯爵家当主の二足のブーツを履いている。

「あなたが何歳の頃ですか?」
「十四を半分過ぎた頃でした。周りが高位貴族だらけで嫌で嫌で、早く騎士学校に入りたくて仕方がありませんでした」
「寮があるからですね」
「十六になって脇目も振らずに入学の準備をしていたら、ふたつ下の従弟に裏切り者呼ばわりをされました」
「ふふふ、従弟の方も貴族街が性に合わなかったんですね」
「あの、もしやあなたは騎士様ではありませんか?」

 最後の言葉はブラッドリーのものではない。
 ふたりの背後から投げかけられた問いだ。
 すぐさまシェルエンを背中に隠してブラッドリーは振り向いた。
 殺気はしなかったので、襲撃者ではないはずだ。

「どなたですか?」
「あの、あの時は助けていただいて本当にありがとうございました」
「どこかでお会いしたことがあるでしょうか?」
「あぁ、そうですよね。憶えていらっしゃいませんよね。去年の終わり、北東の国境線沿いで、隣国の兵士に追われていたところを助けていただきました」

 長袖のシャツにズボンという普通の出で立ちの男は、そう言うなり深く頭を下げた。
 小柄な腕の中には赤ん坊を抱いていて、父の大きな動きに反応してきゃっきゃっと楽しそうな声を上げている。

「北東の国境線沿い……」

 背後でシェルエンが背伸びをしている気配がするが、一旦放っておく。
 それはブラッドリーの心の傷となったあの戦いのことだ。
 どう見ても騎士らしさのない男との接点はないように思うが、相手側は自分を騎士だとすぐに見抜いたということは何かがあったのだろう。

「俺は傭兵に志願して、国境線沿いで戦っていました」

 その言葉で全てを思い出した。
 ページが捲られるように記憶が蘇る。

 軍部増強を積極的に推し進めるファンデミアでは、傭兵も広く募集している。
 地元の腕利きたちを見張り役として置くことで敵側を牽制し、かつ騎士団への情報共有を迅速に行わせる目的がある。
 けれどあの時は敵側の動きが早く、またたく間に進行が始まってしまった。
 状況は劣勢で、ブラッドリーたち第一騎士団が到着した頃には、傭兵の約八割が地面に伏していた。

「給金がいいからと志願したんですが、蹲りながら大後悔しっぱなしでした。もうすぐ生まれてくる子のために何でもやってやるって気持ちだったんですが、いざ剣を持つとぶるぶる震えてしまって。もう駄目だ、と思った瞬間、朝の光を導きながら馬を走らせる騎士様の姿が見えたんです」

 記憶を回想している男は、まるでうっとりとしたように魂を遠くへ飛ばしている。

「もう本当に神の使いのようでした。後ろに何百人、何百頭と従えて凛々しく駆けつけてくださった姿は、もう今でも忘れられません。それはそれは神々しくて、今にも命が取られそうっていうのも放り投げて、思わず拝んでしまいました」

 称賛の雨が降る。
 けれどそれは、ブラッドリーを有頂天に連れて行くどころか、恥ずかしさで赤面させた。
 穴があったらすぐにでも飛び込みたい。
 それか、脇目も振らずに今すぐ逃げてしまいたい。
 今日でまたひとつ、大ファーセスが苦手になったブラッドリーだ。

「本当にありがとうございました。あのとき騎士様が駆けつけてくださらなかったら、俺はこの子に会えず終いでした。腰が抜けて立つことも出来なくなった無様な俺を、軽々と背負って運んでくださったことも忘れません」

 男は再度頭を下げた。
 赤ん坊が再度きゃっきゃっと楽しそうに笑う。

「俺は騎士として当たり前のことをしたまでです。感謝ならば、生まれて来てくれたその子に。きっと恐ろしい光景の中でも生きる希望になってくれたでしょうから」
「はい……はい、ありがとうございます。このご恩は絶対に忘れず、この子を大切に育てていきます」

 握手を交わして、男は去って行った。

 ひとつ息を吐いたブラッドリーは、シェルエンと向き合う。
 見つめ合う紫シルバーの瞳は、全てを包み込むような優しい煌めきを湛えていた。




∞∞∞∞∞∞∞

 その日の夜は、寝室から続くテラスでふたり、ゆっくりと紅茶を飲んでいた。
 防犯の観点から普段、夜は室内に籠ることが多いのだが、「今夜はそうしたい気分だから」と皇子に誘われた。
 秋の素っ気ない風が心地いい。
 シェルエンは久しぶりの白い寝間着の上から、グレージュの大判ショールを羽織っている。

「命を奪っただけだと思ってました。生活を奪って未来を奪って、その人の周りにいる人たちの希望を奪って。それまでも騎士相手に同じことをしてきましたけど、いわゆる同業者だったので、そういう意識は欠落していました。でも、村人たちの身体に刻まれた文身でその意識は引き戻されて、剣を突きつけた相手のその向こう側が見えるようになってしまって」

 ぽつり、ぽつり、とブラッドリーの口から独白が零れる。
 それをシェルエンは、ずっと黙って聞いていてくれる。
 ゆっくりなまばたきが静かに先を促すようで、言葉が溢れて止まらない。

「でも今日あの男性に会って、救った命があることに気がつきました。俺は真正面にいる敵を倒すのみでした。向かってくる相手に気を取られすぎて、背中側のことに意識を向けるのを忘れていました。護った命もあったんですね」
「むしろ、護った命の方が多いはずです。国境線上で第一騎士団が敗れれば、それだけ民を失い大地を失い、作物や家畜を失います。国の貴重な財産を失うことになる。国境を死守するということは、ファンデミアを死守するということです。その手で、その剣で、あなたはファンデミアの数多の光を護ったんです」

 ブラッドリーは目を閉じて押し黙った。
 身の内に想いを巡らせるように何度か呼吸をして、繰り返し頷いた。
 目を開ける。
 そこには僅かに頬を紅潮させた、感極まった青年の顔があった。

「俺はもう迷いません。躊躇いもしません。殿下を護るためならば、どんな敵でも殲滅します。貴方は国にとってかけがえのない人だから。本当は怪我なんてしてほしくないけれど、俺が代われるならすぐにでも代わりたいけれど。それが皇子としての役目だと覚悟を決めていらっしゃるなら、そうして貴方が国を護るというのなら、俺はどんなに残虐なことをしても貴方を護ります。その肩の向こう側に背負う、ファンデミアの民を護ります」

 決意は、夜空に燦然と輝く。
 それはどんな一等星にも劣らない、何億光年と燃え続ける強い志だった。

「あなたを信じています」

 肩に掛けていたショールが地面に落ちる。
 席を立って近づいてきたシェルエンに、そっと抱き締められた。
 それは慈悲の抱擁で、極上の安寧で、求めてやまない温情だった。




 ベッドへと身を横たえたふたりは、その夜初めて身体を繋げた。

「ぁ、ブラッドリー……ブラッドリー、っ」
「放しません、ずっと。離れません、ずっと。俺を、永遠にあなたのものにしてください」
「あ、あ、あ、っっっ……ブラッド……!」

 満ちて、溢れて、止めどなく揺れて。
 尽き果てぬ想いで、純白の欲望で、愛しい人と夜の淵に紛れた。
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