夢追い旅

夢人

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獅子身中の虫

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 今日は子供を病院から引き取る日だ。団長と一緒に病院に出かけ、買っておいた服を着せて団長が小さなカオルを抱きかかえる。並ぶ姿は幸せな子供を授かった夫婦に見えるだろう。小さなカオルはカオルと周平の子供として入籍されている。団長には籍がないのだ。
 ミーには事情を伝えてある。4時には川崎のスナックに集合と伝えられている。
「遅くなる?」
「ああ。旗手社長に呼ばれているからな」
 そう言って大通りからタクシーを捕まえて乗る。
 1時間半ほどでスナックに着く。ちょうどSハウスの社長の社用車も着いたところだ。
「京都で話を聞いてくれたんだな?」
「すでに社長には伝えてあります」
「今日は?」
「まだ聞いていない」
 どうも旗手社長が招集をかけたようである。
 すでに別室の円形テーブルには大皿と飲み物が並んでいて旗手社長が珍しく椅子に掛けている。今日は7名だけの集まりのようである。
「例の赤坂の国営地の件で野党から委員会で質問が出たという知らせだ」
「彼奴か?」
 Sハウスの社長が確認する。
「なぜ漏れる?」
「黒崎さんのところです」
 周平が答える。
「黒崎は外している」
 周平ではないかと言う視線が集まる。だが周平も身内の問題をここで話しにくい。
「小林か?」
「はい、こちらの調査では赤坂の問題が黒崎さんに漏れるのは小林さんのルートしかないと。これはまだ確認できていないのですが、この野党の代議士をリストに加えたのは小林さんです」
「取りあえず等価交換にはグループは外す。スーパーのD社に入ってもらうように頼んでおいた」





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