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墓場まで持ってゆく
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「まさか君が出てくるとはな」
小林が腕を組んでテーブルの照り返しをじっと見ている。
本社の総務部長に今回の裁判提訴で話し合いがあるということで、今は使われていない旗手社長の社長室に呼んでもらった。ここなら裏戸から入れる。
テーブルにはケイ君が証拠を集めてくれた損害額のリストが5ページにもなっている。
「黒崎はあてにはならんだろう?」
黙って答えない。
「旗手社長には貸しがあるようだね?教えてもらっていないが」
「ああ、貸しがある。これは誰にも言っていない。誰でもここまで上がって来るにはいろいろある。でも調子に乗りすぎたな。昔は同じ夢を見た仲だった。俺がやりすぎた」
「その話も、この事件も墓場まで持って行ってくれないか?」
「今度はお前が俺の立場になる日が来る」
「そうだろうな。でも表には出てゆく気がない。それにいつまで続けるかもわからない」
それは真実だ。ただ区切りは付けたい。
妙な沈黙が続く、二人が思い思いに始めてコーヒーに口をつける。
「黒崎にはあのリスト以外に情報がない」
「そうだ。彼奴は約束を守らない。そちらの条件は?」
「裁判の和解取り下げだ。今持ってる金は小林さんのものだ」
「悪くない話だ。だがもう一つ頼まれてほしい。許から脅されている」
ケイ君の調べでは今回融資が実行されないことで、許の持っている土地も大阪のやくざの土地も接道部分を持たないことになる。話をまとめた許が詐欺をしたことになる。そもそも融資を止めた小林を責めるのだろう。
「こちらは調査して力を貸すとしか言えないが」
「それだけでいい。消えるさ」
周平はその合図で総務部長と弁護士を呼んだ。小林は消えざる得ないだろう。
小林が腕を組んでテーブルの照り返しをじっと見ている。
本社の総務部長に今回の裁判提訴で話し合いがあるということで、今は使われていない旗手社長の社長室に呼んでもらった。ここなら裏戸から入れる。
テーブルにはケイ君が証拠を集めてくれた損害額のリストが5ページにもなっている。
「黒崎はあてにはならんだろう?」
黙って答えない。
「旗手社長には貸しがあるようだね?教えてもらっていないが」
「ああ、貸しがある。これは誰にも言っていない。誰でもここまで上がって来るにはいろいろある。でも調子に乗りすぎたな。昔は同じ夢を見た仲だった。俺がやりすぎた」
「その話も、この事件も墓場まで持って行ってくれないか?」
「今度はお前が俺の立場になる日が来る」
「そうだろうな。でも表には出てゆく気がない。それにいつまで続けるかもわからない」
それは真実だ。ただ区切りは付けたい。
妙な沈黙が続く、二人が思い思いに始めてコーヒーに口をつける。
「黒崎にはあのリスト以外に情報がない」
「そうだ。彼奴は約束を守らない。そちらの条件は?」
「裁判の和解取り下げだ。今持ってる金は小林さんのものだ」
「悪くない話だ。だがもう一つ頼まれてほしい。許から脅されている」
ケイ君の調べでは今回融資が実行されないことで、許の持っている土地も大阪のやくざの土地も接道部分を持たないことになる。話をまとめた許が詐欺をしたことになる。そもそも融資を止めた小林を責めるのだろう。
「こちらは調査して力を貸すとしか言えないが」
「それだけでいい。消えるさ」
周平はその合図で総務部長と弁護士を呼んだ。小林は消えざる得ないだろう。
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