アユタヤ＊＊＊続復讐の芽＊＊＊

再建6

　茉緒はヒデを連れて一日早く２番目の街に入った。すでに入っている下忍の小頭が酒場に連れて行く。２階建ての大きな酒場だ。１階を見渡せる２階の席に掛ける。
「ここは大きな旅籠も何軒もあり、その１軒にラオス王宮から指示で予約が入れられています」
「約束は守られているわけだな？」
「だがここの長は全く力がないようです。本来もっとも大きな旅籠の申し入れをされたようですが、断れたようです。それはここの豪商の仕業です」
「この豪商を調べてきます」
とヒデが酒場を出て行く。
「この豪商は王宮の街とここと周辺の部族の荷を独占しています。荷隊は百程度でとくに大きいとは言えませんが、護衛隊はワンボインの兵が２百が当たっています」
「あれだな？」
　茉緒が指した1階の中央に３０人ほどがたむろしている。豪の護衛隊に似ている。
「この王朝はたくさんの部族で成り立っていて纏める力がありません。ワンボインもその部族の一つですが、力のある部族の一つです。聞いた話では宗久さまの参入を快く思っていないようで、街の人はひと悶着あるとみています」
「小頭はワンボインの本拠地を下忍５人を連れてみてきてくれないか？」
　茉緒もここではひと騒ぎが起こるように思う。
「それと１人は宗久さまの元にしばらく街に入らないように伝えてくれ」
　小頭が立つの待っていたように女一人の元にワンボインの頭が５人の部下を連れて２階に上がってくる。残った下忍が剣に手をかける。茉緒は首を軽く振る。頭が抱き付いてきた瞬間茉緒は軽く投げ飛ばして首筋に簪を当てた。