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和寇12

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 ゆっくりと港を離れる。日本の夕陽が眩しい。
「どうだ何人乗り込んだ?」
「子供女を入れて32人です。残されていた財宝も積み込みました」
 九郎が説明する。
 源じいは茉緒が出る時に目を覚ました。はやりここに残ると言うことだった。薬草園の人間が残ったようだ。今伊賀にはまだ藤林お館の亡霊が出るようだ。源じいが亡霊だったようだ。次にここに来ることはあるのだろうか。
「懐かしいな?」
「今回は私も子供を連れて入れて貰いました」
 彼女は藤林の館に最後まで残っていた女忍者だった。息子を生んだが夫はこの戦いで死んだのだ。彼女は毒を使うと右に出るものはない。
「今日本にも相当なアヘンが入ってきています」
「そんなに?」
「これは商人の話ですが、イギリス船が持ち込んだものを和寇が日本に運び入れているようです」
 果心が揺れながら入ってくる。
「飲み過ぎですか?」
「茉緒を助けて足を落とされたが修理が下手なのだ」
「命の恩人ですね?」
 まだまだ上には上がある。
「いつアユタヤに着く?」
「直線で3日ですかね」
 船長の後ろの海はもう真っ暗だ。






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