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動乱3

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 ラオスに入る手前で街道を外れて山に入って陣を取る。ここから九郎と5人の下忍をラオスに潜入させる。茉緒は5人を連れて護衛隊を探す。
「どうもこの草の感じではこの山を登ったようです」
 下忍が指を指す。茉緒たちは馬を置いてきている。1刻半走ると次の繋ぎが現れる。
「ここの谷に陣を張っています。食料はずいぶん失ったようですが、兵はほとんど失っていないようです。今こちらの下忍が護衛隊に入りました。案内します」
 谷を上ると中州に人影が見える。茉緒が降りていくとヒデの姿が出てくる。
「申しわけありません。先導に使った商人がラオスの息がかかっていました。ラオスの国境の前で休んでいるときに襲撃を受けました。60人ほど失いました」
「これからだ。で攻撃はしてきていない?」
「はい。どうも国境を出てくるつもりはないようです」
「ここまで来たら焦る必要はない。すぐに百を出してこの山を越えラオスに入る道を探すのだ。それから1千で街道口に圧力をかける。ヒデが百を連れて行け」
 茉緒は1千を連れて街道口に出る。騎馬隊から下忍の繋ぎが着く。
「街道口にはもう1千しかいません。残りはワンボインとラオスに分かれて引き揚げています。あまり連携はよくないようです。だが攻撃されたら1刻で駆けつけてきます」
「九郎は?」
「果心とさらに奥に進んでいます」
 まあ果心がいれば安心だ。
「ここに3列の鉄砲隊を敷きゆっくり前進をする。騎馬隊がまず街道に入って引き返す」
 しばらくして40騎が街道口に踏み込む。彼らは騎馬から鉄砲を撃つ。1千の鉄砲隊が慌てて出てくる。待っていたようにことらの鉄砲隊の連射が始まる。およそ3百は倒しただろうか。今度は逃げるように谷に戻る。





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