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アヘン9

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 アユタヤに入ったビルマの部族の兵は護衛隊が何とか足止めをしている。だが漁港から上がった和寇は料亭に入ってしまった。それとアユタヤの街に出ている親衛隊の一部が料亭を守る側に回っている。薬師が取りまとめた貴族や官僚がそれぞれ私兵を王宮に入れた。
 茉緒は経済大臣を連れて密かに酒場の個室の2階にいる王のもとに行く。ここはリーが密かに下忍を使って身を隠している。それ程今は王宮も危険な状態だ。先ほどから王と経済大臣が話し合っている。
「これが薬師がまとめた反乱軍の中心人物です」
 リーが書き出した名前を見る。
「これだけを整理するとなると大事だな」
 サンベット王は自信なさそうだ。実際に今の王宮はチャクラバットの勢力も残っていたり、兄の腹心もまだ残っているところで国外を治めることから始めたのだ。
「人材がいないことはありません。それは抜き出してリストにして調査しています」
「この反乱が終わったらそこから人選しよう」
「だがまず薬師と女房を捕えることからでしょう?」
「どうする?」
「親衛隊長が完全に抑えている兵は?」
「5百でしょう」
「残りは残して王宮にリーが引き入れるのだ。それでこのリストの人間を拘束する。料亭は今下忍が30人、護衛隊が3百が取り囲んでいるが、和寇が中に4百集結している。それに親衛隊が少なくとも3百が参加している。押し包むのは難しい。ということならばまず王宮からだろう」
 そっそくリーが王命を持って王宮に親衛隊長を伴って向かう。









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