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本拠地11

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 くねらせながら南蛮船も大砲を撃つが届かない。荷を捨てる覚悟を茉緒はした。このままではいつか砲撃を食らう。
「よし、重たい荷から海に落とす。九郎はその荷に火薬をたっぷり乗せろ」
 下忍が動き出す。ついにどてっぱらに砲弾を受けて煙を上げている。さらに6人が吹き飛ばされた。だが下忍も火薬を積んだ荷を流し始めている。どうする?!死を覚悟して突っ込むしかないのか?でもこれ以上砲弾を受けると沈没もある。まだ待ち合わせの海にな来ない。アヘンを持ち込むイギリスの商船が組むとは思ってもみなかった。船の上に汎王と梨花が見える。笑っているのだろう。
 だが急に汎王たちが剣を抜いた。何があったのだ?イギリスの兵と和寇の兵が取り囲んでいる。あれは果心だ。両手に青竜刀を握って振り回している。10人ほどが切り倒されている。そこに汎王が分厚い青竜刀を持って切りかかる。これは怪人だ。
「走れるか?」
「走るのは問題はないです」
「よし真っ直ぐ走り抜ける」
 次の瞬間果心は黒い羽を広げて海に飛び込む。だが落ちるように見えて急上昇する。ほとんど同時に船から物凄い爆発が起こる。前から南蛮船が2艇現れる。両左右から砲撃を始めた。向こうの後ろにも和寇も現れている。
「撃ちこみを終えて反転せよ」
 茉緒の合図が送られる。ここは逃げの一手だ。流した荷の爆弾が次々と爆発していく。半刻後にはイギリスの商船も見えなくなっている。後ろから南蛮船が2艇付いてきている。その船床にゆっくりと大きな鳥が舞い降りてくる。
「また助けられた」
「いや久しぶりの対決だったがほれ見てみろ」
 見事に鉄の義足が半分に切り落とされている。
「茉緒足を作れ」











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