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反撃11

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 ヒデが親衛隊の突進を食い止めた。燃え盛る火で親衛隊は一時後ろに後退した。凜の鉄砲隊が砦から狙い撃ちをしている。海からは南蛮船が大砲を撃ち込む。完全に半島を制圧したようなものだ。豪はリーを連れて小舟で水軍の将軍を訪ねている。今日はヒデが小舟でサンベット王子を半島の館に連れてきている。
「これは内乱ではないよ」
「分かっています」
 王子が頷いている。
「王様とは話ができる?」
「兄が塔に軟禁している」
「この国の力関係は?」
「チャクラバット総司令官が半分を押さえています。それ以外と言うと水軍の将軍と警備隊長に後はヒデの親しい商人頭だよ」
「ああ、知っておる」
 宗久が乗り出す。
「堺にも商人を送ってきていた。王子が会わしてくれるかい?」
「ヒデが王子と宗久さんを送ってくれるか?だがここは慎重に動かないと」
「どうして」
 王子が問いかける。
「和寇だけでなくまだチャクラバットが持つ手があるように思う。そこを調べるまで攻めるのは難しい」
「私もそう思います」
とヒデが頷いている。こちらもいつ豪の兵を引き込むかだ。それとまだ南蛮船が2隻帰ってくるのだ。






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