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大将軍6

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 王子は2刻も遅れて宿泊所に到着した。
 王子の部屋で茉緒とリーと商人隊の小頭が集まる。
「都の状況はどうなんだ?」
「都は門周辺に警備兵が3百置かれています。警備兵は経済相の傘下にあります。経済相は宗久さんが押えています。宮殿内は千の親衛隊が守っています。これは王の配下で大将軍の力は及びません」
「大将軍の本体は宮殿の外の兵舎に5千の兵がいるわ。でも宮殿内で大将軍は動くことはない」
 リーが都の地図を開いて説明する。サンベット王子は頷いて聞いている。相当疲れているようだ。
「都の中のこちらの警備は?」
「こちらの親衛隊百の他に私の部下を百人要所に配置します。商人隊もゴラクさんと宗久さんを合わせて3百都にいます。問題は今回のチャクラバットの総司令官の解任をビルマの王が認めるかです」
「これについては都に着いたら宗久さんにすぐに会ってほしいのです」
「大将軍はこの際兄王子をアユタヤの王に復帰させるべきと主張しています」
「私は監禁されるのか?」
「そうもいかないビルマの理由もあります。ビルマ周辺部族のビルマ離れが続いています。それと財政的にはますます厳しくなっています。アユタヤとの商いがビルマの大きな柱になっています」
「私は一足先にビルマの都に入るつもりよ。宗久さんと話をしておく」
 翌朝早く茉緒はりーと下忍を5人連れて町を出た。







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