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京へ4
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今井宗久の荷隊は手練れも含めた軍団だ。実際隊を率いる隊長は鉄砲も名人だ。運び込んで試し打ちをして引き渡す。だが夜に忍び込む忍者では相手にならない。それで今回は茉緒入れて4人が探索に回る。伏見までは船旅で襲われているのはすべて船を降りてからだ。
先に出した薬売り探索が帰って来る。
「この山越えに妙な動きがあります」
茉緒はすぐさま戻って隊長に耳打ちをする。
「空荷を通してはと?」
「こちらから腕の立つのを3人と鉄砲を2人いれるが?」
「こちらも4人を入れます。後は山道を抜けて裏側に回ります」
準備を済ませると空荷隊が出発する。茉緒が2人を連れて山道を走る。下は空荷が移動している崖道だ。やはり人の気配がする。大きな爆音があって崖の大岩が崩れる。藤林だ。崖の上には5人の忍者が街道に向けて弓を射ている。茉緒は手を上げると短弓をつがえて打ち込みながら切り込む。
「藤林か?」
相手は黙って剣を振り下ろしてくる。鈍い。慎吾ではない。走りながら躱すと切り倒している。続けて弓を構えている背中を切り下す。崖を綱で降りるともう争っていた藤林の忍者は消えている。荷隊が1人岩に当たって即死した。抜け忍側は1人肩に矢を受けた。藤林は5人が討ち取られた。一人は隊長が鉄砲で仕留めた。
「やはり忍者は強い」
そう言って隊長が握手を求めてきた。
もう京は目の前だ。
先に出した薬売り探索が帰って来る。
「この山越えに妙な動きがあります」
茉緒はすぐさま戻って隊長に耳打ちをする。
「空荷を通してはと?」
「こちらから腕の立つのを3人と鉄砲を2人いれるが?」
「こちらも4人を入れます。後は山道を抜けて裏側に回ります」
準備を済ませると空荷隊が出発する。茉緒が2人を連れて山道を走る。下は空荷が移動している崖道だ。やはり人の気配がする。大きな爆音があって崖の大岩が崩れる。藤林だ。崖の上には5人の忍者が街道に向けて弓を射ている。茉緒は手を上げると短弓をつがえて打ち込みながら切り込む。
「藤林か?」
相手は黙って剣を振り下ろしてくる。鈍い。慎吾ではない。走りながら躱すと切り倒している。続けて弓を構えている背中を切り下す。崖を綱で降りるともう争っていた藤林の忍者は消えている。荷隊が1人岩に当たって即死した。抜け忍側は1人肩に矢を受けた。藤林は5人が討ち取られた。一人は隊長が鉄砲で仕留めた。
「やはり忍者は強い」
そう言って隊長が握手を求めてきた。
もう京は目の前だ。
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