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秘密2
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茉緒は女忍を連れて婆やの里に入る。二人とも薬売りに変装している。柘植の一族に繋がると言うが忍者は20人もいないどろう。痩せこけた畑が山沿いに続く。女忍は畑の奥の小さな神社を抜けてさらに奥の炭焼き小屋の戸を叩く。
「前寄せてもらった薬売りです」
小屋の中から声がして入れ替わりに神官が出てくる。
「姉さんの話をもう一度聞かせてください」
警戒した風はない。
「確かにお館さまの妹さまが藤林に嫁ぎましたわ。その時に姉が一緒に参りました。毎年その頃は正月に戻ってきてましたが、首を傾げてあの方は姉さまだと漏らしていました。始めは私も笑っていただが、駆け落ちしていた双子の姉がその当時一緒に暮らしていたが、5年後明神池に身投げしたのだよ。姉が言いだした頃と重なるので気にしてた」
「二人を見分けることはできたのですか?」
「はい。これは姉が二人を子供の時から面倒を見てたので、尻の穴の近くに黒子があるのが姉だと言っていました」
「黒子か?」
成人した女のその部分を見ることは難しい。父も見抜けられなかったのではないだろうか。
外で物音がして身構える。めらめらと火の手が見える。四方から火の手が迫っている。先程の神官か。甕の水を浴びて土壁を突き破る。5人の忍者が一斉に飛び掛かってくる。茉緒は一人を切り下げて転げ出る。次の一人の突きを脇に受けて思い切り肘鉄を食らわせる。この忍者は藤林のものだ。
同じく飛び出た女忍を見て火薬玉を後ろに投げつける。村の半鐘が鳴る。あらかじめ用意していた逃げ道に飛び込んでひたすらに走る。茉緒も女忍も変装をしていたので正体はつかめないだろう。あれは婆の妹も殺す気でいたのだ。奥方は実家と結びついているようだ。
「前寄せてもらった薬売りです」
小屋の中から声がして入れ替わりに神官が出てくる。
「姉さんの話をもう一度聞かせてください」
警戒した風はない。
「確かにお館さまの妹さまが藤林に嫁ぎましたわ。その時に姉が一緒に参りました。毎年その頃は正月に戻ってきてましたが、首を傾げてあの方は姉さまだと漏らしていました。始めは私も笑っていただが、駆け落ちしていた双子の姉がその当時一緒に暮らしていたが、5年後明神池に身投げしたのだよ。姉が言いだした頃と重なるので気にしてた」
「二人を見分けることはできたのですか?」
「はい。これは姉が二人を子供の時から面倒を見てたので、尻の穴の近くに黒子があるのが姉だと言っていました」
「黒子か?」
成人した女のその部分を見ることは難しい。父も見抜けられなかったのではないだろうか。
外で物音がして身構える。めらめらと火の手が見える。四方から火の手が迫っている。先程の神官か。甕の水を浴びて土壁を突き破る。5人の忍者が一斉に飛び掛かってくる。茉緒は一人を切り下げて転げ出る。次の一人の突きを脇に受けて思い切り肘鉄を食らわせる。この忍者は藤林のものだ。
同じく飛び出た女忍を見て火薬玉を後ろに投げつける。村の半鐘が鳴る。あらかじめ用意していた逃げ道に飛び込んでひたすらに走る。茉緒も女忍も変装をしていたので正体はつかめないだろう。あれは婆の妹も殺す気でいたのだ。奥方は実家と結びついているようだ。
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