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変遷7
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関ヶ原で西軍と東軍が向かい合って動かない。家康の本陣には半蔵が百人ほどで固めていて潜むことはできない。下忍は家康以外の各陣に張り付かせる。茉緒は敢えて家康の本陣に潜ってみるが連日各将を集めている。ここで指揮している半蔵を見た。ここ数日の動きで茉緒は半蔵の一つの組の動きに目を付けた。
彼らは西軍の毛利の陣に度々向かっている。今朝は朝から両軍の動きが激しい。秀忠の軍がまだ到着しない。家康はもう待たないかもしれない。何か秘策があるはずだ。昔は秀吉の十八番だったはずだが。今日は半蔵自身が出張っている。
「間違いないですな?」
半蔵が陣幕の影から話しかけている。茉緒は反対の陣幕から声を聞きとっている。これはどうも家康と毛利に密約があるようだ。毛利は完全に秀吉の傘下にあったが、三成では不安なのだろう家康とも二股をかけたようだ。
「違わずと伝えてくだされい」
小早川だ。半蔵の視線がこちらに向けられる。気配を感づかれたか?だが茉緒の後ろにも気配がある。服部に囲まれたか。この位置では切り抜けるのは容易ではない。
半蔵の気配が消えても後ろの気配が消えない。
「茉緒殿ですね。死んだという噂もありましたが今は?私は毛利の魚住です」
「私を切らないのですか?」
「殿より手を出すなと言われています。毛利は勝つ方について生き抜かないと。その意味では同じ立場です」
「殿にお伝手下さい。明智光秀は家康の元で生きています」
茉緒が振り向くと魚住の姿はなかった。
石田三成は破れたり。
彼らは西軍の毛利の陣に度々向かっている。今朝は朝から両軍の動きが激しい。秀忠の軍がまだ到着しない。家康はもう待たないかもしれない。何か秘策があるはずだ。昔は秀吉の十八番だったはずだが。今日は半蔵自身が出張っている。
「間違いないですな?」
半蔵が陣幕の影から話しかけている。茉緒は反対の陣幕から声を聞きとっている。これはどうも家康と毛利に密約があるようだ。毛利は完全に秀吉の傘下にあったが、三成では不安なのだろう家康とも二股をかけたようだ。
「違わずと伝えてくだされい」
小早川だ。半蔵の視線がこちらに向けられる。気配を感づかれたか?だが茉緒の後ろにも気配がある。服部に囲まれたか。この位置では切り抜けるのは容易ではない。
半蔵の気配が消えても後ろの気配が消えない。
「茉緒殿ですね。死んだという噂もありましたが今は?私は毛利の魚住です」
「私を切らないのですか?」
「殿より手を出すなと言われています。毛利は勝つ方について生き抜かないと。その意味では同じ立場です」
「殿にお伝手下さい。明智光秀は家康の元で生きています」
茉緒が振り向くと魚住の姿はなかった。
石田三成は破れたり。
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