けもの

夢人

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天海の陰謀2

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 狗は城内に部屋を貰って側近として高虎の側にいる。顔見知りも多いが高虎は隠密に活動していたと説明してくれている。それでいらぬ説明はいらない。ここ数日伊賀上野城下の力関係を調べた。やはり服部の力が強いがどうも伊賀の忍者は半蔵が動かせるようではないようだ。ほとんどの半蔵の親派は江戸に出ている。
 伊賀の忍者の中には百地や藤林の残党も混じっている。蝙蝠は高虎に伊賀支配のために忍軍を作ろうとしている。そのメンバーに会ったが百地や藤林が主流だ。すでに10人ほどが集められていて調査に動き回っている。しばらくは狐の部隊と合流させず使おうと決めた。
「いい感じの店だな?」
「すでに支払いを済ませた。薬の2便もこちらに向かっている。今日呼んだのはお福の件よ。お福は斎藤利三の娘よ」
「斎藤利三と言えば明智光秀の一番の家臣だったな。天海はいよいよ自分の腹心を呼んだのだ。江戸には薬問屋は置いていたのか?」
「問屋はないけど茶屋には年寄りを1人入れている」
「鼠をこのお福を見張らせてくれないか?お福の動きを見たら天海の手が見えるように思う」
「分かった手配するわ。それと服部屋と主人とも懇意にしているわ。番頭に聞いた話じゃ、半蔵が徳川に付くと決めた時この主人は金庫番として反対した。そのために落ち目になり別に江戸に半蔵の身内が両替屋を営んでいる。この息子に興味があるのよ」
 狐は調査にかけては独特の勘を持っている。
「元々浅井に忍者頭として送られていた。それがお茶々の付き人だったらしい。だが今戻って来てやはり裏で服部の忍者を束ねている。彼と組むのも面白いわ。久しぶりに寝技を使ってみるよ」
「そこまでは」
「妬いているの?」







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