咎の園

山本ハイジ

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人工楽園にて(8)

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 それから使用人はベッドをおりて、使った道具と盥を携え笹沼親子に頭をさげてから、部屋を退出します。――どうぞごゆっくり。という去り際の使用人の言葉と同時に、少年がベッドへあがってきました。少年は私を見下しながら、半ズボンと下着をおろします。少年の陰茎はいったいどんな改造を施されたのやら、大人のものと寸分違(たが)わないほど発達していました。腿を掴まれ、すでに反り返っている肉刀に情け容赦なく挿されます。
 使用人が肛門をよくほぐしてくれたのにもかかわらず、あまりの激痛に悲鳴をあげてしまいました。このとき少年は破顔しました。まるで、無邪気に虫をいたぶり殺す幼児のような笑顔です。慣れて、体内をえぐられる苦しみが薄れてくると、少年は私の腿をつねったり、手を伸ばして髪を引っぱってきたりしました。どうしても苦鳴を漏らさせたいようです。夫人は少年に、なにも注意してくれません。
 そのうち、少年が私の中へ注ぎます。こうして私の後ろの純潔は、同い年の男の子に奪われてしまいました。少年は無愛想な表情に戻り、陰茎を引き抜くと下半身の着衣を直して私から離れます。入れかわりに夫人がベッドにあがってきました。夫人はコルセットを外し、ドレスを脱ぎながら――どうだった? 兄弟の初物は。と、少年にたずねます。少年はなにも答えません。兄弟、についてはまああとで……。
 真っ赤なランジェリー姿になった夫人が、私を舌で愛撫してくれます。反応すると、夫人はショーツを脱いで私に跨がり、陰茎を繁みの中へ入れました。夫人は――あなた、高くて大変だったわ。と呟き、私の初物を楽しみます。
 夫人は自分で陰核をくすぐり、熟した膣には小さすぎるであろう幼茎を、括約筋を利用して締めつけてくれました。夫人はとても魅力的ですが、私は失礼ながら放出することができませんでした。少年に凌辱されたショックを引きずっていたのです。
 内腿を痙攣させて、夫人はほとんど自慰で達しました。こうして童貞は、夫人へ差し上げたのです。夫人は私にキスをして――あなたが素敵な奴隷になったら、また会いましょう。と言葉を残し、私の体からおりて着衣を元に戻すと、行為を静観していた少年を連れて部屋から出ていきました。すぐに激しい足音が響き、全身を褐色に汚した男性が部屋に入ってきます。私の糞を競り落としたのでしょう。
 男性は広間にいたお客さまです。お客さまはベッドに飛び込み、私を糞に塗れさせながら犯しました。それから次々とお客さまが訪ねてきます。途中、疲労からどうしても立たなかったので、女性相手にはディルドのついたベルトを巻かれました。男性でも後ろではなく前を所望する方と、女性でもペニスバンドを使って私を犯す方がいました。すべておわったあと、私の意識は自ずと途切れました。
 家で過ごした日々と、小夜子を夢に見たと思います。目覚めるとベッドのそばには使用人と旦那さまが立っていて、手足の枷は外されていました。着ていたガウンはともかく、体も綺麗に拭かれています。私がこれはいったいどういうことなのかと聞く前に、旦那さまが口を開きました。――すまないね、と一言言ってからパーティーの目的は私のオークションであったことと、人工楽園エデンという快楽施設の説明をしてくれました。そして、私の今後の運命を告げます。
 ――世話になるからには、ここで働かなければならないよ。甘やかしてばかりはいられないからね。と、冷酷に。エデンに入ったとき見かけた、裸で頭をさげていた女性たちのように私もなるのだと伝えられました。本格的に勤める前に講習を受けてもらう、と旦那さまは使用人を示しながら言います。
 私に講習をしてくれたのは先程から話に出てきた使用人と同じ、そこでカメラを廻している戸渡さんです」
 カメラを持っていた戸渡に一瞬、観客たちの視線が集まった。旦那さまは今宵、抜けられない付き合いがあるか、俺より興味を惹く光景でもあるのか不在のようだ。
「ややここに来たことを後悔しはじめていると、旦那さまはふっと表情をやわらげて――とりあえず昨日はご苦労だった。ご褒美だ。と、言うと戸渡さんがドアを開けます。奴隷の少女が三人、部屋に入ってきました。旦那さまと戸渡さんが去ると、少女たちはいっせいにベッドへ飛び込んできます。私の体の至るところを愛撫して、陰茎を膣へ誘い、いたわってくれます。ある程度、私の心は癒されました。
 楽しみがおわってから、私は戸渡さんの手で大浴場へと連れていかれました。拭いただけだから、清潔にしてきなさいと。様々な妖精の像が設置された噴水を湯船だと思えず戸惑ったり、お客さまが一人いて軽く悪戯されたりしましたがなんとか入浴を済ませます。糞を擦りつけられたことを思い出し、念入りに全身を洗いました。戸渡さんが水分をタオルでよく拭ってくれて、私の髪を乾かし、肌の手入れまでしてくれます。しかし着替えがありません。用意されていたのは、レザーのコルセット一枚だけでした。
 服はどうしたのかと聞きました。――あなたの荷物は処分しました。と、返ってきます。そういえばベッドのかたわらに置いたはずの、ほとんど衣類しか入っていない私の荷物、パーティーを抜けてから見ていないような気がしました。
 コルセットを巻かれます。巻かれただけでも結構苦しいのに、容赦なく背中の紐を引っぱられました。肋骨、折れるかと思いました。そのまま部屋へ戻されます。いつの間にかシーツをかえられていたベッドに座らせられると、戸渡さんは突然スラックスの前を開けて陰茎を取り出し、私に突きつけてきました。――吸茎してください、と。……その行為をされるのは慣れていましたが、するとなるとどうにも抵抗がありました。――あなたはこれから、性器より汚いものを口にしたりしなければならないのですよ。上手にできたら、コルセットを緩めてあげますから。
 腰を楽にしてくれる、という約束に惹かれて恐る恐る口をつけました。――あ、もしも噛みついたりしたら殺します。と、戸渡さんはナイフを出して私の首筋にあてがいました。使用人たちは元は怖い職業の人ばかりですから態度は執事のようでも、発する雰囲気で冗談ではないことがわかります。半分泣きながら吸茎を教わりました。
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