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恋の罪(8)
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直接見た、エントランスで伊織が戸惑っているところから映像は収録されています。部屋に連れていかれ、使用人たちに手早く服を脱がされ、彼女は泣きわめいていました。――なにっ!? なんなのっ!? と繰り返す彼女を使用人たちは押さえ込み、装飾のない水色のブラジャーとショーツから透けた嫌らしいランジェリーに着がえさせて、涙と鼻水で濡れた顔を拭うと化粧を施します。そのまま彼女は部屋を出され、今度は広間に連れていかれました。
あとの内容はほぼ、笹沼夫人が私に語った通りです。かわいらしくはあるのですが彫りが浅くて地味な印象もあった彼女の顔は化粧でだいぶ華やかになり、娼婦の身なりがなかなか様になっていました。が、涙ぐみ、瞳は不安げに揺れ動き、透けたベビードールの胸元を必死に隠しています。リボンで飾られたショーツも布が薄く、かすかに陰毛が透けて見えていましたが、彼女はそこまで気が廻っていないようでした。
彼女は恐慌を起こしてしまう可能性があるからでしょうか、使用人たちがそばにずっとついています。ここからは小型カメラではなく、使用人が撮った映像のようで彼女とその周囲ばかり映されていたので、少し離れたところにいるらしい旦那さまの姿は見えませんが、声が響きました。――私の娘、伊織です。みなさま、存分にお楽しみください。それが合図のようにお客さまの一人が彼女に近寄り、胸の前の自傷痕が目立つ腕を払うと乳房を鷲掴みました。彼女は悲鳴をあげてお客さまを手で押し、広間のドアへ振り向いて逃げようとしましたが当然、すぐに使用人たちに捕まってしまいます。
怖面の使用人たちに怒鳴られ、すくみあがってしまった彼女は乳房を鷲掴んだお客さまに――なんだい、まんこは処女じゃないんだろう。かわいこぶってるんじゃないよ。と、笑われながらショーツ越しに股間を擦られていました。そしてほかのお客さまがやってくると――不格好な尻をしているな、と目につくであろうむっちりとした尻から太腿を撫でられます。
彼女はうつむいて、ただ震えていました。画面に笹沼夫人が映り――まあ、これも魅力なんじゃないか? 触り心地がよい。と、彼女の尻に触れます。彼女はそのときは顔をあげて、訝しげに男装の麗人に視線を向けていました。
普段、安易に手を出したら捕まる危険性のある外界の子の新鮮さに惹かれてか、それからわらわらとお客さまたちが集まり彼女にねちっこく悪戯をしていきます。確かに、めずらしいでしょうね。ほかの奴隷や、一応外界から来たはずの私でも品定めの宴前の自室で着がえさせられるシーンなんて省かれているでしょうが、彼女はわざわざ保存されているくらいですからね。……お客さまの一人が――君の兄は少年にしてひどい雌犬(ビッチ)だったぞ、と彼女の肌をくすぐりながら話しているのが聞こえてきて、彼女から叫ぶように言われたあんたも変態共の仲間だったんでしょ! という台詞が生々しく浮かんできました。兄、という単語に反応したのか彼女の両肩が小さく跳ねます。この瞬間、彼女は私に失望したのでしょうか……。
テレビからではなく、隣から旦那さまの声が聞こえてきました。――あきらめず、一生懸命声をかけつづけてやりなさい。彼女の支えはお前にしかなれないんだよ、という慰めはこのときだと表層的にしか私の耳に届かず、ワインを飲み干すと音を立ててグラスをサイドテーブルに置き、ベッドに倒れます。――もう、眠いです。と言うと旦那さまはため息を吐きつつ自分のグラスを置いて、テレビを消しました。ちょうど伊織が広間から出され、部屋に戻されるところでした。
照明を落とし、ベッドに入ってくる旦那さまに、私は少しでもこの憂鬱を紛らそうと――抱いてください、とねだりました。旦那さまは――眠いんじゃなかったのか? と笑いつつ、私のショーツに手をかけます。ひとりよがりな償いもしたかったので――乱暴にしてください、と付け足しました。
希望通りにしてくださいました。諸悪の根源にただ突き込まれるだけの、苦痛しか与えられぬ性交をおえてから目を覚ますと、陽光射すベッドの上に私一人しかいません。サイドテーブルには途中まで見たオークションのDVDと、もう一枚、講習と記されたシールがケースに貼られたDVDが置かれてありました。……痛みと睡眠である程度精神が回復すれば、やはり興味を抑えられないところがあり、つと手を伸ばします。
まずはつづきを見ました。初物オークションの様子が短めに編集されて、収められていました。お客さまたちは悪戯で満足してしまったのか、入札は多くはなく、夫人が大声で提示した七十万で価格がとまりました。通常ならオークションの進行役を自ら務める旦那さまの隣で、エデンに昇る奴隷が自分の初物の価値はどんなものだろうかと一喜一憂している表情が見られるのですがね。つづいて糞のオークションがはじまりましたが、それは飛ばしました。それから映像が切りかわり、伊織の部屋が映されます。
またここからは、至るところにいろんな角度で仕掛けられている小型カメラの映像です。手枷と足枷に拘束されてベッドの上で泣き、使用人に避妊薬だと思われる錠剤を無理やり飲まされてからショーツを奪われわめく彼女を見ていたら、陰茎が立ちました。自分に心底呆れつつ官能に任せて陰茎に触れましたが、思い直して後ろを使うことにします。使用人が盥から浣腸器を取り出すシーンになると、排泄がおわって後ろをほぐされるところまで映像を飛ばしてから……私、汚穢趣味はそれほどないもので。見るだけなら擦りつけるなどは嫌いではないのですがね……乱暴にされてひりつく肛門に指を挿入しました。ローションに塗れた彼女の後ろを凌辱する使用人の手の動きに合わせて、指を動かします。
使用人が去ると、美男子がベッドにあがってきました。話で聞くのと、映像で見るのとではやはり官能に働きかけてくれるものが違います。夫人の装備している凶器で最後の純潔を傷つけられ、断末魔をあげる彼女を見ながら私は達しました。快楽に溺れながら、ふと、映像の中の彼女が着ているベビードールとおそろいのものが猛烈に欲しくなりました。手淫を楽しんでいる今、彼女と一体化した気持ちになってより快楽の度合いをあげるため、着たいのです。……それから、次々と訪れるお客さまたちに犯され、ベビードールを裂かれ、白い肌を汚される凄惨なシーンがつづきました。彼女は悲鳴をあげる気力さえ失ったのか、精巧にできたラブドールのようになっていました。
あとの内容はほぼ、笹沼夫人が私に語った通りです。かわいらしくはあるのですが彫りが浅くて地味な印象もあった彼女の顔は化粧でだいぶ華やかになり、娼婦の身なりがなかなか様になっていました。が、涙ぐみ、瞳は不安げに揺れ動き、透けたベビードールの胸元を必死に隠しています。リボンで飾られたショーツも布が薄く、かすかに陰毛が透けて見えていましたが、彼女はそこまで気が廻っていないようでした。
彼女は恐慌を起こしてしまう可能性があるからでしょうか、使用人たちがそばにずっとついています。ここからは小型カメラではなく、使用人が撮った映像のようで彼女とその周囲ばかり映されていたので、少し離れたところにいるらしい旦那さまの姿は見えませんが、声が響きました。――私の娘、伊織です。みなさま、存分にお楽しみください。それが合図のようにお客さまの一人が彼女に近寄り、胸の前の自傷痕が目立つ腕を払うと乳房を鷲掴みました。彼女は悲鳴をあげてお客さまを手で押し、広間のドアへ振り向いて逃げようとしましたが当然、すぐに使用人たちに捕まってしまいます。
怖面の使用人たちに怒鳴られ、すくみあがってしまった彼女は乳房を鷲掴んだお客さまに――なんだい、まんこは処女じゃないんだろう。かわいこぶってるんじゃないよ。と、笑われながらショーツ越しに股間を擦られていました。そしてほかのお客さまがやってくると――不格好な尻をしているな、と目につくであろうむっちりとした尻から太腿を撫でられます。
彼女はうつむいて、ただ震えていました。画面に笹沼夫人が映り――まあ、これも魅力なんじゃないか? 触り心地がよい。と、彼女の尻に触れます。彼女はそのときは顔をあげて、訝しげに男装の麗人に視線を向けていました。
普段、安易に手を出したら捕まる危険性のある外界の子の新鮮さに惹かれてか、それからわらわらとお客さまたちが集まり彼女にねちっこく悪戯をしていきます。確かに、めずらしいでしょうね。ほかの奴隷や、一応外界から来たはずの私でも品定めの宴前の自室で着がえさせられるシーンなんて省かれているでしょうが、彼女はわざわざ保存されているくらいですからね。……お客さまの一人が――君の兄は少年にしてひどい雌犬(ビッチ)だったぞ、と彼女の肌をくすぐりながら話しているのが聞こえてきて、彼女から叫ぶように言われたあんたも変態共の仲間だったんでしょ! という台詞が生々しく浮かんできました。兄、という単語に反応したのか彼女の両肩が小さく跳ねます。この瞬間、彼女は私に失望したのでしょうか……。
テレビからではなく、隣から旦那さまの声が聞こえてきました。――あきらめず、一生懸命声をかけつづけてやりなさい。彼女の支えはお前にしかなれないんだよ、という慰めはこのときだと表層的にしか私の耳に届かず、ワインを飲み干すと音を立ててグラスをサイドテーブルに置き、ベッドに倒れます。――もう、眠いです。と言うと旦那さまはため息を吐きつつ自分のグラスを置いて、テレビを消しました。ちょうど伊織が広間から出され、部屋に戻されるところでした。
照明を落とし、ベッドに入ってくる旦那さまに、私は少しでもこの憂鬱を紛らそうと――抱いてください、とねだりました。旦那さまは――眠いんじゃなかったのか? と笑いつつ、私のショーツに手をかけます。ひとりよがりな償いもしたかったので――乱暴にしてください、と付け足しました。
希望通りにしてくださいました。諸悪の根源にただ突き込まれるだけの、苦痛しか与えられぬ性交をおえてから目を覚ますと、陽光射すベッドの上に私一人しかいません。サイドテーブルには途中まで見たオークションのDVDと、もう一枚、講習と記されたシールがケースに貼られたDVDが置かれてありました。……痛みと睡眠である程度精神が回復すれば、やはり興味を抑えられないところがあり、つと手を伸ばします。
まずはつづきを見ました。初物オークションの様子が短めに編集されて、収められていました。お客さまたちは悪戯で満足してしまったのか、入札は多くはなく、夫人が大声で提示した七十万で価格がとまりました。通常ならオークションの進行役を自ら務める旦那さまの隣で、エデンに昇る奴隷が自分の初物の価値はどんなものだろうかと一喜一憂している表情が見られるのですがね。つづいて糞のオークションがはじまりましたが、それは飛ばしました。それから映像が切りかわり、伊織の部屋が映されます。
またここからは、至るところにいろんな角度で仕掛けられている小型カメラの映像です。手枷と足枷に拘束されてベッドの上で泣き、使用人に避妊薬だと思われる錠剤を無理やり飲まされてからショーツを奪われわめく彼女を見ていたら、陰茎が立ちました。自分に心底呆れつつ官能に任せて陰茎に触れましたが、思い直して後ろを使うことにします。使用人が盥から浣腸器を取り出すシーンになると、排泄がおわって後ろをほぐされるところまで映像を飛ばしてから……私、汚穢趣味はそれほどないもので。見るだけなら擦りつけるなどは嫌いではないのですがね……乱暴にされてひりつく肛門に指を挿入しました。ローションに塗れた彼女の後ろを凌辱する使用人の手の動きに合わせて、指を動かします。
使用人が去ると、美男子がベッドにあがってきました。話で聞くのと、映像で見るのとではやはり官能に働きかけてくれるものが違います。夫人の装備している凶器で最後の純潔を傷つけられ、断末魔をあげる彼女を見ながら私は達しました。快楽に溺れながら、ふと、映像の中の彼女が着ているベビードールとおそろいのものが猛烈に欲しくなりました。手淫を楽しんでいる今、彼女と一体化した気持ちになってより快楽の度合いをあげるため、着たいのです。……それから、次々と訪れるお客さまたちに犯され、ベビードールを裂かれ、白い肌を汚される凄惨なシーンがつづきました。彼女は悲鳴をあげる気力さえ失ったのか、精巧にできたラブドールのようになっていました。
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