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恋の罪(12)
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もううすら湿った彼女のショーツを取り払うと、ディルドで拡がった後ろが目につき、興味がわきましたが抑えて、ちゃんと正道に指と舌を使いました。一回達させて十分潤してから、正常位でつながります。好き放題動かず、様子を見ながら突きつつ陰核もくすぐり、胸も愛撫し、紅潮した顔に時折キスして、愛の言葉を囁きます。養ってきた技術を駆使して、奉仕するように彼女を抱きました。……正直に申します。この記念すべき夜に、私はやや失望感を覚えていました。
講習で伊織を何度も抱いている戸渡さんに羨ましさを感じていました。が、実際に抱いてみたらどうでしょう。伊織が被虐されているところを見て、感情移入しながら手淫していたときのほうが気持ちよかったのです。快楽はエゴイスト、という言葉を頭に浮かべつつ、避妊薬を飲まされているとは思いますが膣から陰茎を抜いて、少し時間を要してしまった放出を彼女のお腹の上にしました。
いや、しかしもちろん、感動はありましたよ。恋した相手と情を交わせたのですから。彼女の体に撒き散らした精水を丁寧に拭いながら、抱いているときに伝えましたがもう一度――ずっと好きだった、と告白しました。彼女は放心しているみたいになっていましたが――うん、としっかりうなずいてくれます。それから、一緒に寝ました。腕の中の体温に感じる愛しさ、なんとも言えない多幸感。お客さまを抱いたり、または抱かれたりでは得られなかった感情です。
それに快楽との釣り合いは……なんか、うまくいかないものなのですね、その辺。
こうして私たちが恋人同士になってから、伊織は乳房を隠そうとしなくなりました。私の前や講習中だけでなく、部屋の外ででもです。
そこに、彼女の静かな決意を感じます。やはり彼女は強い人です。講習も受動的に、とりあえずは抵抗をしなくなっていました。コルセットも私の場合より時間はかかりましたが、慣れてフルクローズできるようになっていました。ウエストが細くなって、下半身の豊満さがより強調されます。
恋人同士になりましたから、彼女を訪ねれば体を重ねることがありました。時折、妙に擦り寄ってきてくれたりして、彼女からそういう雰囲気を作ってくれます。
ついで、彼女自らが手と口を使って動かなければならないたぐいの性技をそれとなく教えてあげたりしました。この辺は私が講習したと言っても過言ではありません。……結局、ご褒美は下品なものになってしまったなとふと思いましたが、私の手の中で安らかそうな表情を浮かべている彼女を見たら、そんなふうに思っては悪いなと改めました。伊織は私を愛していて、それで求めてくれるのです。講習中、別に愛もなにもなく、ただ欲のみで淫靡なご褒美を貪った私の場合に比べたら、ずっと純情です。
愛の行為をおえると、ベッドの中で彼女はよくエデンからの脱走の話をします。それは適当に合わせていました。
そして、色々な性技にまだ不安を残しつつも講習最終日がやってきます。私は勤めをおえた深夜に、伊織の仕上げの様子を収めた映像を楽しみました。ガータータイツとコルセットを身に着け、ショーツは穿いておらずディルドを尻から尻尾のように生やした姿の彼女が、首輪の鎖を戸渡さんに引かれて四つ足で廊下を歩いていました。表情はこわばっていましたが、しっかりとした四足歩行です。途中、彼女は犬の鳴き声の真似をすることを強いられたりしながら、鎖を引っ張られ厨房へ向かっていきました。
そこで待っていた使用人たちに、彼女はディルドを抜かれて輪姦されます。おとなしく受け入れ、使用人の陰茎が顔の前に突きつけられれば手と口を使い、尿を浴び、浣腸された牛乳を皿に出して飲み干す……そんな伊織の姿に私は異様な美しさを感じました。そう、古風なサドマゾ小説に出てくる、愛を希望にして被虐に耐える女性を連想したのです。体を張る女性の健気さ、潔さ、強さ、美しさ……。エデン脱出についてはぐらかしつづけるつもりの私を信じて、彼女は講習を乗り越えました。
昼過ぎの余暇に、休んでいる彼女を十分いたわってあげました。そして、すぐに水揚げの日です。お客さまである笹沼ご一家は私と旦那さまも快楽のお供をするようにご指名してきました。私と伊織は着る衣装を指定されていて、私は自室でサテン地の真っ赤なコルセットを締めて同色のショーツを穿きながら、ある心配を感じていました。毛などない、綺麗すぎる自分の体を触らせてはいますが、やはり外界の常識に照らし合わせられたら、私のこの着飾った姿を見て、彼女は引いてしまうのではないか? と。
そんな不安を覚えつつ化粧をして、前髪を横一列にそろえた長い黒髪のかつらをかぶり、用意されていた黒いヴェールで頭を飾りました。ヴェールには真紅の薔薇が咲いています。部屋を出て、三階へ向かうと私とおそろいの、しかしコルセットとショーツ、ヴェールの薔薇は青色の格好をした伊織が自分の部屋の前で待っていました。旦那さまもいます。彼女は私を見ると目を見張り、やや間を置いてから――なんか、あたしより美人じゃない? と、笑いました。
ずれた反応に呆れると同時に、ほっとします。間近で彼女の華やいだ姿を眺めて、ふとある疑問点に気がつきました。旦那さまに押されたはずの烙印はどこでしょう? 旦那さまが――じゃ、行くよ。と私たちを促し、彼女が私に後ろを向けた瞬間、目に入りました。右の尻たぶで薔薇が赤々としているのが。
笹沼ご一家をお待たせしている旦那さまの部屋へ連れ立つ途中、色々と話しかけてくる旦那さまに向ける彼女の目は冷たかったです。いちばん恨むべき、諸悪の根源ですからね。旦那さまが苦笑しつつ――お客さまにはそんな目つきをしないように、と言いながら自室のドアを開けます。レザーのフェティッシュなデザインのワンピースを着て、持っている鞭を弄んでいる夫人と、学校の品格のよさがわかるようなブレザーの制服を着崩し、髪を金になるまで脱色してすっかり不良になったご子息がテーブルについていました。夫君は純白のふわふわしたベビードールをまとった体を縄で縛られて、夫人の足下に転がっています。
講習で伊織を何度も抱いている戸渡さんに羨ましさを感じていました。が、実際に抱いてみたらどうでしょう。伊織が被虐されているところを見て、感情移入しながら手淫していたときのほうが気持ちよかったのです。快楽はエゴイスト、という言葉を頭に浮かべつつ、避妊薬を飲まされているとは思いますが膣から陰茎を抜いて、少し時間を要してしまった放出を彼女のお腹の上にしました。
いや、しかしもちろん、感動はありましたよ。恋した相手と情を交わせたのですから。彼女の体に撒き散らした精水を丁寧に拭いながら、抱いているときに伝えましたがもう一度――ずっと好きだった、と告白しました。彼女は放心しているみたいになっていましたが――うん、としっかりうなずいてくれます。それから、一緒に寝ました。腕の中の体温に感じる愛しさ、なんとも言えない多幸感。お客さまを抱いたり、または抱かれたりでは得られなかった感情です。
それに快楽との釣り合いは……なんか、うまくいかないものなのですね、その辺。
こうして私たちが恋人同士になってから、伊織は乳房を隠そうとしなくなりました。私の前や講習中だけでなく、部屋の外ででもです。
そこに、彼女の静かな決意を感じます。やはり彼女は強い人です。講習も受動的に、とりあえずは抵抗をしなくなっていました。コルセットも私の場合より時間はかかりましたが、慣れてフルクローズできるようになっていました。ウエストが細くなって、下半身の豊満さがより強調されます。
恋人同士になりましたから、彼女を訪ねれば体を重ねることがありました。時折、妙に擦り寄ってきてくれたりして、彼女からそういう雰囲気を作ってくれます。
ついで、彼女自らが手と口を使って動かなければならないたぐいの性技をそれとなく教えてあげたりしました。この辺は私が講習したと言っても過言ではありません。……結局、ご褒美は下品なものになってしまったなとふと思いましたが、私の手の中で安らかそうな表情を浮かべている彼女を見たら、そんなふうに思っては悪いなと改めました。伊織は私を愛していて、それで求めてくれるのです。講習中、別に愛もなにもなく、ただ欲のみで淫靡なご褒美を貪った私の場合に比べたら、ずっと純情です。
愛の行為をおえると、ベッドの中で彼女はよくエデンからの脱走の話をします。それは適当に合わせていました。
そして、色々な性技にまだ不安を残しつつも講習最終日がやってきます。私は勤めをおえた深夜に、伊織の仕上げの様子を収めた映像を楽しみました。ガータータイツとコルセットを身に着け、ショーツは穿いておらずディルドを尻から尻尾のように生やした姿の彼女が、首輪の鎖を戸渡さんに引かれて四つ足で廊下を歩いていました。表情はこわばっていましたが、しっかりとした四足歩行です。途中、彼女は犬の鳴き声の真似をすることを強いられたりしながら、鎖を引っ張られ厨房へ向かっていきました。
そこで待っていた使用人たちに、彼女はディルドを抜かれて輪姦されます。おとなしく受け入れ、使用人の陰茎が顔の前に突きつけられれば手と口を使い、尿を浴び、浣腸された牛乳を皿に出して飲み干す……そんな伊織の姿に私は異様な美しさを感じました。そう、古風なサドマゾ小説に出てくる、愛を希望にして被虐に耐える女性を連想したのです。体を張る女性の健気さ、潔さ、強さ、美しさ……。エデン脱出についてはぐらかしつづけるつもりの私を信じて、彼女は講習を乗り越えました。
昼過ぎの余暇に、休んでいる彼女を十分いたわってあげました。そして、すぐに水揚げの日です。お客さまである笹沼ご一家は私と旦那さまも快楽のお供をするようにご指名してきました。私と伊織は着る衣装を指定されていて、私は自室でサテン地の真っ赤なコルセットを締めて同色のショーツを穿きながら、ある心配を感じていました。毛などない、綺麗すぎる自分の体を触らせてはいますが、やはり外界の常識に照らし合わせられたら、私のこの着飾った姿を見て、彼女は引いてしまうのではないか? と。
そんな不安を覚えつつ化粧をして、前髪を横一列にそろえた長い黒髪のかつらをかぶり、用意されていた黒いヴェールで頭を飾りました。ヴェールには真紅の薔薇が咲いています。部屋を出て、三階へ向かうと私とおそろいの、しかしコルセットとショーツ、ヴェールの薔薇は青色の格好をした伊織が自分の部屋の前で待っていました。旦那さまもいます。彼女は私を見ると目を見張り、やや間を置いてから――なんか、あたしより美人じゃない? と、笑いました。
ずれた反応に呆れると同時に、ほっとします。間近で彼女の華やいだ姿を眺めて、ふとある疑問点に気がつきました。旦那さまに押されたはずの烙印はどこでしょう? 旦那さまが――じゃ、行くよ。と私たちを促し、彼女が私に後ろを向けた瞬間、目に入りました。右の尻たぶで薔薇が赤々としているのが。
笹沼ご一家をお待たせしている旦那さまの部屋へ連れ立つ途中、色々と話しかけてくる旦那さまに向ける彼女の目は冷たかったです。いちばん恨むべき、諸悪の根源ですからね。旦那さまが苦笑しつつ――お客さまにはそんな目つきをしないように、と言いながら自室のドアを開けます。レザーのフェティッシュなデザインのワンピースを着て、持っている鞭を弄んでいる夫人と、学校の品格のよさがわかるようなブレザーの制服を着崩し、髪を金になるまで脱色してすっかり不良になったご子息がテーブルについていました。夫君は純白のふわふわしたベビードールをまとった体を縄で縛られて、夫人の足下に転がっています。
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