【本編完結済】未来樹 -Mirage-

詠月初香

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2章

11歳 -火の極日1-

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この辺りは標高が高い為にそこまで高い気温にはなりませんが、それでもジリジリと焼けつくような日差しに夏を感じる火の極日。私が山に戻ってきてから約1ヶ月90日が経ちました。

山吹に加えて叔父上や兄上もほぼ元通りの体調となり、早朝鍛錬も以前と同じ量をこなしています。そんな男性陣に対し、母上やつるばみは復調はしたものの以前ほどの無理はできなくなりました。特に橡はその傾向が顕著で、

「認めたくないけれど、歳って事かしらねぇ……」

と苦笑しながら話していました。前世だと女優さんは別格だとしても、一般人でも50代とは思えないような若々しい人をあちらこちらで見かけました。ですがこの世界では50代は立派な老人ですし、見た目的にも体力的にも前世の50代とはかなりの差があります。例外はヤマト国の人たちぐらいですが、老化がゆるやかなだけで老化しない訳ではありません。また食事は量こそ前世よりもたくさん食べているものの、栄養バランスなんて知識が無い為にお腹がいっぱいになればOKといった感じですし、更には常に紫外線を浴びて畑仕事をするような庶民の女性の肌は老化一直線です。

それに、そもそもスキンケアという概念がありません。華族の成人女性はお化粧をするので、それを落す為に米ぬかで顔を洗う事はあるのですが、その後に肌を保湿するようなモノを使わないのです。ですから天都で出会った牡丹様や菖蒲様はとても綺麗な方たちでしたが、私からすると前世基準だと実年齢より年上に見えます。あの時はそれどころじゃなくて気になりませんでしたが、母上より少し年上のはずなのにかなり年上に見えていました。あと匂いがすごかった……。

対し母上や橡は毎日のようにお風呂に入って肌の汚れを落とし、その後の保湿にも気を遣い、栄養バランスの取れた食事を3食欠かさず食べています。流石に畑仕事の関係で紫外線を浴びる事は避けられませんが、小さい頃に私が監修して作ってもらった虫よけネット付日よけ帽子で頭頂部から胸元までカバーしていたので、浴びている量は最小限になっているはずです。竹皮を使った笠に日除け布を垂らしたり色々と試行錯誤をして今の形に落ち着きましたが、初めてこれを作った時は見慣れない帽子に被ってもらえないかもと心配した事を覚えています。ところがそんな私の心配なんてどこ吹く風で、全く抵抗感なく母上たちは身につけてくれました。不思議に思っていたのですが、後になって華族の女性が出かける際に身につける虫の垂衣むしのたれぎぬが付いた市女笠いちめがさを被るようなものだと思われていた事が判明。言われてみれば構造的には似ている部分もあるように思います。

……つまり、前世で農作業やガーデニングをする女性御用達だったあの帽子は平安時代の優雅さを現代に再現したモノであり、身につけていた女性たちは平安文化の伝承者兼体現者だったのです!!

な、なんだってー!!!

なんていうやり取りを脳内で妄想する程度には私も元気になりました。もともと私は呪詛によって体調を崩していた訳ではないので、疲労さえ抜けてしまえば簡単に体調は戻ります。


話しが逸れましたが、ようは母上や橡は年相応に見えますし、この世界の殆どの人と比べるとかなり若々しいという事です。なので橡の言葉には「まだまだ若いと思うよ」と返したいところですが、それを11歳児が言うのもの変な気がして結局何も言えませんでした。

何はともあれ橡が50歳を超えている事は確かですから、これを機に重労働は極力避けて家事や機織りといった比較的体力の消耗が少ない事をお願いしようという事になりました。また体調の戻り切っていない母上も、出来る範囲で橡の手伝いをしてもらうという方向で日々の仕事を調整する事になりました。

その結果、今まで母上と橡の二人がやっていた畑仕事や採取のほぼ全てが、私の肩にドーーーン!とのしかかってきた訳です。うん、無理です、特に畑仕事が無理です。ちょっと誰か私でも使える小さい耕運機を異世界転移させてください。

流石にこれは皆も無理だと思ったようで、力仕事の大半は兄上が手伝ってくれる事になりました。

「兄上、手伝ってもらってごめんね。でも助かる。ありがとう」

「大丈夫だよ、こうやって重い荷物を運ぶのも体力づくりに丁度良いから」

と兄上は笑って引き受けてくれますが、この世界では男性は畑仕事や台所産み育てる仕事はしません。そこは女性の領域だからです。逆に女性が狩りや漁殺し奪う仕事をする事もありませんが。

「それにこうやって櫻と話しながら作業するのは楽しいからね。
 今日の晩御飯は何だろう?とか、その後のかき氷に何をかける?とかね」

兄上は相変わらず食べる事が好きなようです。こちらの世界では削り氷けずりひと呼ばれるかき氷ですが、私と三太郎さんが常にかき氷と呼んでいたので、母上や兄上たちも今ではかき氷と呼ぶようになりました。氷を真夏に食べるなんて贅沢は高位華族ですらワンシーズンに1~2回あれば良い方なのに、私達は毎日のようにかき氷を楽しんでいます。こんな贅沢が出来るのも浦さんの技能のおかげです。

それにしても……、叔父上にしても兄上にしてもあれだけ食べて太らないのも凄いと感心してしまいます。まぁ早朝から夕方遅くまで常に働いていますし、あの身体能力を維持するには必要な量なのかもしれませんが……。という事は私もたくさん食べられるようになれば、あの身体能力が身につくのかな??




「よし、早植えの青瓜の畝は綺麗にし終えたよ。
 午後からは土に灰を入れて、極日の終わり頃には肥料。
 それから更に数日後にようやく秋野菜の種まき……だったかな」

「うん、母上たちが立てた予定だとそうだったはず」

兄上は畑仕事は門外漢ですし、私もまだまだ知識が足りません。なので畑のどの畝に何を植えて何時収穫するかといったスケジュールは母上や橡が決めてくれて、私はそれに従って動くことになっています。とは言っても実際に畑を見てみないと解らないことも事も多いので、毎日母上と橡が見に来てくれています。体調が戻り切っていない母上にとって、朝夕の涼しい時間に畑の様子を見に行く事は丁度良い散歩運動になるので一石二鳥なんですよね。

「狩猟に比べたら畑仕事は楽だと思っていたんだけど、
 思いのほか疲れるんだね。知ることが出来て良かったよ。
 ほら、櫻。道具類は僕が持ったからそろそろ切り上げて家に戻ろう。
 太陽がもうあの位置だから、そろそろお昼ご飯の時間だ」

そう言って笑顔で私に手を差し伸べてくれる兄上に、私は頷くと兄上の手を取る為に腕を伸ばしました。




その時




「櫻!! 逃げるぞ!!!」

桃さんがいきなり現れたかと思うと、私と兄上を両脇に抱えて走り始めました。その走り方は何時もとは違って私の事を一切考慮しない走り方で、食事直後だったら胃の中のものを確実にリバースしていただろうと思う程の激しさです。

「も、桃さん?! 何、なんなの?!」

舌を噛みそうになりながら状況の把握に努めますが、桃さんは応える事なく私と兄上を桃さんの自室まで問答無用で連れてきました。

「桃様、どういうことでしょうか?!」

兄上も状況が飲み込めていないようで、何時になく桃さんに強い語調で話しかけます。

「襲撃だ。素性は解らねぇが人数は俺様が確認できただけで30人は軽く居た」

桃さんの襲撃という言葉の意味が理解できず、「しゅうげき?」と小さく呟いてしまいました。ですがその言葉の意味を理解した途端

「母上!!!」

桃さんの横をすり抜けるようにして母上を探しに向かおうとします。ですが、そんな私の手を掴んだのは兄上でした。その兄上の手を振り払おうとしても兄上の方が力が強く、私の力では対抗できません。

「駄目だ、櫻!!
 桃様、僕たちがすべき事をお教えください」

えんじゅは櫻と一緒に此処で隠れていろ。
 あいつらの狙いはお前たちだ」

その桃さんの言葉に頭に上っていた血がスッと全速力で引いていくのが解ります。

「兄上と私が狙い??
 野盗や山賊なんかじゃなくて、明確に私達を狙っているの??」

私の言葉が震えてしまうのは怖いからなのか、それとも信じたくないと拒否感からなのか……。

「あぁ、あいつ等に真っ先に気付いた金の野郎が直接聞いたらしい。
 『子供は必ず殺して証拠に首を持ち帰れ。目撃者は一人残らず殺せ』ってな」

何かの冗談だと思いたいぐらいに殺意の高い言葉ですが、此方の世界にはエイプリルフールはありません。

「櫻、大丈夫。僕が一緒にいるから、大丈夫だよ……」

そういって私の手をギュッと握ってくれる兄上ですが、その兄上の手が小さく震えている事に気付きました。当然といえば当然なのですが、兄上だって怖いのです。その事に気付くと私も兄上を守らなくちゃという気持ちが芽生え、少しだけ冷静になれましたし心を奮い立たせる事もできました。

「僕たちが標的なうえに、足手まといなのですね。
 わかりました、櫻と共にここに隠れています」

「兄上と一緒にここにいた方が良いって事は解った……。
 でも、桃さん。母上や叔父上たち、皆を助けて」

「あぁ、金や浦が向かってるから安心しろ」

桃さんの言葉に少しだけ安堵したのですがその直後、壁や床がビリビリと振動するほどの爆音が鼓膜を震わせました。余りにも大きな音に、ビクッと身体をすくませてしまう程です。更にその音は一度だけでなく、あちこちから響きはじめます。

「な、何の音?!」

「落ち着け、櫻は知っているはずだろ?
 万が一にも山を下ろせない技術を誰かに盗まれるような事があれば
 その時は施設ごと爆破する仕組みの事は!」

そう言われて思い出しました。使う日が来なければ良いと思いつつも、念の為にこの拠点には幾つもの仕掛けが隠されています。桃さんの技能「爆炎」を基本に金さんや浦さんの技能を組み合わせて作った霊石もその一つで、三太郎さんが霊力を流す事で爆発を起こすようになっているのです。ただ、本当に使う日が来るとは思っていませんでしたが……。

「桃!! 手当て道具はここにあるか?!」

金さんの声と同時に扉が開かれ、金さんに抱えられた橡が部屋に入ってきました。急に開いた扉に肩をすくめるようにして驚いてしまいますが、それより驚いたのは金さんが連れてきた橡の左脇が赤黒く染まっていた事でした。

「橡!!!」

慌てて私と兄上が駆け寄るのと同時に、金さんがそっと橡を床におろします。

「坊ちゃま、お嬢様、ご無事で……何よりです」

自分の事をそっちのけで私達の無事を喜ぶ橡に、泣いたら良いのか怒ったら良いのか感情がぐちゃぐちゃになってしまって解りません。血の気の引いた真っ青な顔で喜ばれたって、素直に再会を喜べないよ。

「わりぃ、ここにはその手の道具は置いてねぇ」

苦渋に満ちた表情で小さく「すまねぇ」と呟く桃さんですが、本来この部屋は桃さんの趣味のモノを溜め込むための部屋です。手当て道具がある方がおかしいって事ぐらい私にだって解ります。

「とにかく橡の傷の手当をしよう」

自分の着物の袖を引き裂いた兄上は、布をぐっと橡の脇腹に当てて止血を始めました。ただ橡の傷は深いのか、土蜘蛛の糸で織られた兄上の白い着物がみるみる真っ赤に染まっていきます。私も自分の着物を使いたいのですが、私が今着ている服は切り裂ける袖が無いドーリス式キトンです。自分のあまりの使えなさに唇を噛みしめてしまいます。

「金さん、母上や叔父上たちは大丈夫かな……」

「沙羅は鬱金や山吹と共に此方に向かっている。
 浦も一緒ゆえ、安心するが良い」

その言葉に少しだけ安堵しますが、気になるのは襲ってきた連中です。

「襲ってきた人たちってどんな人なの?」

「我も全てを知っている訳ではないが……
 ならず者とは思えぬ手練れの集団である事は確かだ。
 とにかく我と桃も浦と共に手分けして爆破をしなくてはならぬ。
 霊石や我らの技能に関する僅かな手がかりも、
 あの者どもに与える訳にはいかぬゆえ」

金さんが手練れと評価する、そんなすごい人が30人以上……。しかも金さんの話しによると連携の取れた攻撃や指揮系統がしっかりと見て取れるらしく、金さんたちも単なる野盗や山賊の類とは思えないという結論に至っていました。だからこそ拠点の最奥にあるこの三太郎さんの部屋にしっかりと隠れていろと金さんも念を押すようにして私に言いつけます。

精霊である三太郎さんは、積極的に人を害する事は基本できません。ただ抜け道のようなものはあって、自分たちの力の込めた霊石を奪われないようにするための処置に巻き込んだという形でなら襲撃者を排除できるのだとか。人を害すればそれだけ穢れが溜まって妖化してしまう恐れがある以上、積極的にやってほしい事ではないのですが、そこの判断は三太郎さんに任せていますし、その判断を私は全面的に信じています。




「駄目だ、橡の血が止まらない!!」

兄上の悲痛な声に慌ててそちらを見れば、どんどんと顔色の悪くなっていく橡に兄上の顔が泣きそうになっていました。そんな兄上の手元を見れば、この僅かな時間で兄上の手までもが橡の血で真っ赤に染まっています。

「兄上はこれも使ってしっかり押さえていて!
 私、お薬と包帯を取ってくる!!」

覚悟を決めてドーリス式キトンを脱いで甚平のような肌着姿になると、キトンを兄上に渡して引き続き橡の止血をお願いします。母上たちにお願いして肌着の丈を膝上丈にしてもらっているので、キトンを脱いでも以前のようにお尻丸見えなんて事にはなりません。

「「馬鹿言うな!!」」

金さんと桃さんが同時に怒鳴りますが、手が空いている人が私しかいない事は2人だって解っているはずです。だから私も引けません。私よりずっと背の高い金さんと浦さんを見上げると、私は力いっぱい踏ん張るようにして仁王立ちになり

「襲撃者にばったり出会ってしまうかもしれない確率や怖さよりも
 このままじゃ橡を失うかもしれないという可能性方が高いし怖いの!!
 だから絶対に譲れない!!」

そう宣言したのでした。
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