【本編完結済】未来樹 -Mirage-

詠月初香

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3章

16歳 -火の極日10-

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緋桐殿下と馬車に乗って小火宴しょうかえんの会場へと移動している最中、私の向かいに座っていた緋桐殿下が珍しく躊躇いがちに

「……とても、とても綺麗だ」

なんて言い出しました。馬車とはいうものの前世の馬車とは形状が大きく違い、天都やヤマト国で使われている牛車の牛が馬に変わっただけなので、緋桐殿下は車の中でヒノモト国伝統の胡座あぐら、正式には幡足座はんそくざと呼ばれる座り方で座っていますし、私も未だに慣れませんが片膝立ちで座っています。ヒノモト国では男女共に即座に立ち上がって戦える姿勢を保つのが正しい姿勢なので、こういう姿勢になるんだそうです。

「あぁ、この服の生地ですか?
 ヤマト国で今度売りに出す事になっている生地なんです。
 透明感があって良い生地だと思いませんか?」

土蜘蛛の糸を加工して作る艶糸。その艶糸で織られた布は程よい透明感や上品な光沢があり、手触りもサラリとしていて頬ずりしたくなるような布です。薄暗い車内でも質の良さが解ってもらえたことに嬉しくなって、思わずホクホク笑顔になってしまいます。

ただ残念なことに山に住んでいた頃は比較的入手が簡単だった土蜘蛛の糸も、島には土蜘蛛がいない為に一気に入手が難しくなりました。ここ2年程は叔父上たちがヤマト国へ行商に行った際に、こっそり行商ルートを外れて確保しに行くしかなかったのです。当然本来の荷物もあるので、大量には持ち帰る事はできません。そもそも加工前の土蜘蛛の糸はベッタベタなので、他の荷物と一緒に袋に入れる訳にもいかなくて色々と面倒なんです。

なので今度からは蒔蘿じら殿下が運営している兵座つわものざに、土蜘蛛の糸の採取依頼を出すことで確保することになりました。

それというのも兵座に持ち込まれる依頼があやかしの討伐依頼ばかりで、人材登録が思っていたよりも進まないと相談があったのです。ヤマト国は技術者、或いは職人の国なので、妖退治を生業にしようとする人は多くありません。その多くない一部の人にとっては救いとなった兵座ですが、その兵にすら向いていない人というのは当然ながら居ます。何より妖討伐が常にある訳でもありません。そういった時には蒔蘿殿下が自腹で護衛依頼なんかを出していたようなのですが、何か良い方法はないかと書簡で相談を受けていたのです。

それならば……と一石二鳥を狙って「輸送」や「採取」といった依頼の形式を提案したところ、蒔蘿殿下から驚く速度で「それ採用させてもらうよ!」という返事が届きました。

輸送は私達から頼むことは早々無いと思うので、荷物を確実に輸送する仕事のモデル提案と、茴香ういきょう殿下がアスカ村で立ち上げた貸し馬屋と提携していて、兵座の依頼票を見せることで馬を通常より少し安く借りられる割引サービスを提案してみました。ちなみに既存のサービスとかぶるので、書簡の輸送は受付ないという方針です。

採取は土蜘蛛の縄張りを主張する糸を(土蜘蛛を刺激しないように)採取する方法を叔父上から蒔蘿殿下に伝え、それを兵座が少額ですが有料で講習を開いて希望者に教え、そうやって採取した土蜘蛛の糸を当面の間は全量買い取るという両者両得な依頼になったと思います。これが採取依頼のモデルとなるはずです。

ただし土蜘蛛の糸の加工技術に関しては秘密のままです。加工方法は三太郎さんの手を借りずとも再現可能なので門外不出にする必要はないのですが、殿下たちと叔父上が希少性を高めてブランド化するという戦略を打ち出したので、我が家でしか作れない謎の高級糸という事になっています。

あっ、伸糸のびいと硬糸かたいとは門外不出のままです。殿下たちはとても残念がっていましたが、三太郎さんが首を縦に振りませんでした。詳しい理由は教えてくれませんでしたが、両方ともこの世界の糸という概念からは少し外れるので、それを嫌ったのだと思います。


その綺麗な艶糸の布を、母上とつるばみがヒノモト国風の着物に仕立て上げてくれました。暑さ対策の為にゆったりとした造りのこの着物は、男性は古墳時代の衣装とよく似ていますが女性は少し違います。正確には上半身のゆったりした服の作りや、手首や肘・腰・膝・足首を帯や紐で括っているという部分は男性と同じなのですが、女性のズボンが丸見えになるのははしたないとされているので、上着が既婚女性は足首まで、未婚女性は膝下まであります。だからこの国の女性の衣装に一番近いイメージは、上半身がぴっちりしていないベトナムの民族衣装のアオザイかもしれません。ただ上がダボッとしているので、あんなに洗練された感じではありませんが……。

王族主催の夜会というと、どうしても前世知識のせいで西洋の豪奢なドレスを思い出してしまうので、この国の服に違和感を覚えて仕方がありません。でもあのドレスをこの国で着ていたら、1時間と持たずに熱中症になること間違いなしです。その土地その土地に根付いた服って、大概理にかなった服なんですよね。


「いや、それもそうなんだが……」

緋桐殿下が苦笑しつつ、何かを言おうとしてそのまま口を噤んでしまいました。どうしたんだろう?と首を傾げて言葉の先を促します。

「あー、なんだ。ヤマト国ではこの10年。大きく改革が進んだと聞いている。
 その布もその一環なのか??」

「一環のつもりはありませんでしたが、結果的にそうなるかもしれません」

ついでにいうと全然大きく・・・もありません。一般に公開や流通しているモノは、三太郎さんの許可を何とか得られたものだけですから。

「ヤマト国で始まった量り売りという方法はこの国でも重宝しているし、
 兵座もこの国で展開できないか現在検討が進められている。
 我が国も悪いところは直し、良いところはもっと伸ばしていかなくてはな」

そう言って緋桐殿下は馬車の窓から外を見ました。少しずつ夜闇が迫ってきている外は薄暗く、大通りを彩っている火の極日を祝う旗や朝廷天都の使節団を歓迎する横断幕に書かれている文字も判別できない程です。

「まぁ、まずはこの小火宴しょうかえんを乗り越えてからだけどな」

視線を私へと戻した緋桐殿下は、そう笑ったのでした。





笙や篳篥ひちりきといった雅楽器が奏でる旋律が、遠くから風に乗って微かに私が居る部屋まで聞こえてきます。小火宴の会場に到着したらそのまま会場に入ると思っていたのですが、どうやら王族とその同伴者は一度控室に入るのだそうです。家格の低い人たちが先に会場に入るのでその待ち時間を過ごす為に、また宴の途中であっても何時でも休憩できるように、王家や高位華族は専用の控室があるのが普通なんだそうです。

小火宴が催されるこの建物はヒノモト国にしてはとても珍しい木造建築で、天都あまつで良く見かけた寝殿造りになっていました。ただ天都のものとは違って住居としては使われておらず、いわゆる迎賓館として作られた建物です。そのため少しだけ本来の使い方から外れた箇所もあったりするんだとか。

木材が貴重なこの国であえて寝殿造りの迎賓館を作った理由は、若い王族や華族がここで宴を経験をすることで、外交などで天都を含む他国に行った際に不慣れから恥をかくことがないようする為なんだそうです。ヤマト国やミズホ国と違い、ヒノモト国は明らかに気候風土や文化が特殊なので、そういう対策が必要なんでしょうね。


そんな先程緋桐殿下から聞いたばかりの話を、何度も何度も脳内でリピートするぐらいに私は緊張しまくっていました。手のひらに人って字を300回書いて飲んでも効きそうにない程に緊張していて、口の中がカラッカラに乾いてしまいます。

「大丈夫か??」

心配そうに聞いてくる緋桐殿下に、少しだけ引きつった笑顔を返しました。そうやって笑顔を返すのが精一杯で、言葉は何も出てきません。

「そう緊張するな。俺が常に傍に居るから対処は俺に任せておけば良い。
 どうしても俺が離れなくてはならない事があれば、その時は皐月が居る」

その皐月姫殿下は主催としてアレコレと仕事があるために、この部屋の中にはいません。まぁ……仕事がなかったとしても、王族は控室を3つ持っていて母親ごとに違う部屋になるために、皐月姫殿下の控室はここではないのですが……。

「ダメそうだな。では今一度情報のすり合わせをしておくか」

少しでも落ち着ける何かが欲しくて、緋桐殿下の提案に即座に頷きます。

「そうだな……。まず俺たちは5年前の天都で出会った。
 これは事実だから何も問題無いな。
 その時に俺が君に惚れて、それ以来ずっと求愛を続けている」

「ま、前も言いましたけど、それあまり大っぴらには言わないほうが良いかと。
 5年前だと私は11歳だから、また梯梧殿下に誤解されてしまいます」

「……兄者の誤解は面倒だな。
 では当時、祟り病で大変だったときに牡丹様を介して知り合い、
 二人助け合った縁で俺が櫻嬢に好意を持つようになった。
 それが俺はいつしか愛に……ってことにしよう」

それなら……って、それでも大丈夫じゃない気がしますが。でもこの世界の王侯華族なら、成人前から婚約することもあるって聞くから大丈夫なのかな?

「それから俺としては寂しい事だが、
 櫻嬢は俺に対して一線を引いていて、俺の求愛を受け入れていない。
 そうしないと身を引けと櫻嬢の方へ攻撃が向かいそうだからな」

物理的にも精神的にも攻撃はされたくないので、それには大賛成です。

「今回は叔父の鬱金《うこん》殿が我が国で商売を始めるにあたり、
 兄と共に入国していた所を俺が偶然見かけて、宴に誘った。
 最初は断っていた櫻嬢だが、俺が何度も誘ったので折れてくれた。
 ……経緯はこんなところだ」

「兄上とは友人って事で良いのですよね?」

「あぁ、えんじゅ殿とも友人ということで話をつけてある。
 先程も言ったが常に俺が傍にいるから、何かあれば俺に……って違うな。
 何も無いように俺が全部対処するから」

緋桐殿下の頼もしい言葉に「はい」と返事をして頷きます。

「そして一番、気をつけなくてはならないのは仁家の一つ、火箭かせん家の苧環おだまき姫だ。
 彼女自身は独善的なところがあって、少々対応に手を焼く程度なんだが、
 その父を始めとした家門一同がな……」

「あぁ、例の緋桐殿下に求愛し続けているという……」

緋桐殿下の顔が苦笑を通り越して、苦々しいものを口いっぱいに頬張った時のような表情に変わります。老若問わず女性全般に優しい緋桐殿下にこんな顔をさせるなんて、ある意味すごい女性です。

「見かけたら真っ先に教えるし、俺も極力距離を取るようにするが
 櫻嬢の方でも念のために気をつけておいてくれ」

「解りました。
 それにコレもありますしね」

そう言って懐から取り出したのは、5年前に緋桐殿下からもらった表面に桐と大きな鳥の紋が刻まれた木札です。あの時は緋桐殿下の縁者を示すこの木札を使うことはありませんでしたが、ヒノモト国に向かうことが決まった時に念のために持ってきていたものです。

「懐かしいな!
 それがあれば先程の打ち合わせ内容に真実味が出るぞ。
 なにせソレは今の俺では渡すことのできない札だからな」

なんでも表面の桐の紋の枝と葉の数が殿下の年齢を表しているらしく、毎年作り替えては古いモノは焼却されるので、何時渡した札なのかが一目瞭然なんだとか。




その後も幾つかの情報の共有と注意事項の確認を済ませた頃には、私の緊張もとりあえず落ち着きました。全く緊張していないとは言えませんが、ガチガチになって動けないという程ではありません。

それに特例にはなるんだそうですが、会場には叔父上が居ます。本来ならば平民が会場に入る事は許されていないのですが、今回吉野家が持ち込んだ料理やその他商品は説明が必要な物が多く、他の店のように女官に担当させるには荷が重いと特別に許可されました。知らない人ばかりじゃなくて、叔父上に緋桐殿下に皐月姫殿下といった味方もちゃんと居ると思うと、より気が楽になります。

そうやって少しリラックスできた時、遠くからドオォォン!という大きな太鼓の音が聞こえてきました。大太鼓の音がドン・ドン・ドドドドドドンと特定のリズムで響くと少し音が止まる空白の時間があり、暫くするとまた同じようなリズムで大太鼓が鳴ります。

「呼び太鼓が鳴り始めたな。
 アレは信家以上の家格の者が入場する際に鳴らされるんだ。
 呼び太鼓が鳴り始めたら、そろそろ俺たちも出る準備をしたほうが良い」

そう言うと、すっと立ち上がって背後に控えていた随身の柘榴さんから、何時も持っている物より装飾過多な剣を受け取ります。

信家は、前世の創作で出てくる爵位でいうところの伯爵家ぐらいの家格です。そして気をつけなければならない苧環おだまき姫の火箭かせん家は公爵家ぐらいの家格のようです。あくまでも目安ですけどね。

もし碧宮家が存続したままで、私が碧宮家の姫として小火宴に参加していたら、他国の公爵家ぐらいの扱いになるのですが、今は単なる一平民です。つまりこれから先に出会う人は全て自分より位の高い人になります。

(よしっ! 女は度胸だ!!)

ここまで来たら腹を括るしかありません。緋桐殿下から借りた檜扇をパッと開くと顔のほとんどを隠し、殿下の横に並びます。そうして二人揃ってゆっくりと歩き始めました。篝火のある薄暗い回廊の先に見える明るい場所を目指して。




それにしても5年前の大観衆の前での神楽舞といい、今回といい……。
緋桐殿下と会うと極度に緊張するような事態に放り込まれるのは何でなの??
私の中で緋桐殿下=超緊張と紐づけされて、トラウマ化しそうだよ……。
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