古の冒険都市は観光地化の波に飲まれました 〜次は(俺・オレ・私・あたし・わたくし)のターン〜

杏仁霜

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intermission 7 神官少女の憂鬱

救出依頼、やる気なし!

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Side-ラスファ 3

 それから数日は、何事もなく過ぎていった。
 例のバカ息子は自警団に留置され、イヤイヤながらも食事を運ぶ自警団員にはブレることなく毒を吐き続けている。

 殴られようがどうしようが、この男の性根は変わらないらしい。おかげで滞在期間がたった数日にもかかわらず、すっかりと嫌われまくっている。

 部外者の私が言うことじゃないが…ラグの父親はよくもまあ、こんなカスに娘を嫁がせる気になったもんだ。
 気骨のある娘なら相手方の商売の実権を奪い取って追い出すぐらいのことはやりそうだが、ラグはそのタイプに当てはまらない。要は相手方の血筋しか眼中になかったということなのか…世も末だ。

 ただ、そのバカ息子アーノルドは予想外のことをやらかした。
 病気を装って脱走し、空白地帯に逃げ込んだという知らせを受けたのだ。


「おいおい、何やってたんだよ自警団は!」
 白銀亭の依頼部屋にて。
 呆れながらアーチは頭を抱える。不本意ながら、全く同感だ。どうやら迎えにくるまで数日かかると連絡を受け、今日がその日の予定だったようだ。
「流行り病にかかったと言われてはな…。治療しないわけにいかず、医師を呼ぼうとした隙をつかれた。申し開きの言葉もない…」
 そう言いながらラインハルトは項垂れる。

「逃げた場所は?」
 私の問いに、彼はさらに表情を曇らせた。
「三十六番の空白地帯だ。よりによって…!」
 周囲がどよめく。

 空白地帯とは街中にある、未踏破の遺跡の場所のことだ。居住できる場所ではないため、地図上では空白で表記されるためにその名が付いている。
 件の三十六番はその中でも比較的、探索の進んだ場所ではあるが…確か、最奥部に比較的大き目の魔物が眠り続けているために探索が頓挫した場所だったはず。触らぬ神に祟りなし、とばかりに放置されているのが現状だ。よりによって…!

「依頼を頼みたい。自警団として、引き取り目前で留置した者を放って置くわけにいかない」
 責任者ダンチョーが、神妙な面持ちで依頼の旨を告げる。神妙というか…申し訳なさ全開というのが正しいか。

「…うあー…こんなやる気でねぇ救出依頼ってねぇよなぁ…」
 アーチが天井を仰いでやるせないため息をつく。
「あー、俺が言いたかったこと、先に言われた…」
「だって…ねぇ? 助ける価値ってある?」
 アーシェも嫌そうに肩をすくめる。
 言いたい放題の一同に、ついにラインハルトがツッコんだ。
 「…気持ちはわかるがお前ら全員、ちょっとは本音隠せ!」
  それは無理というものだ。
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