古の冒険都市は観光地化の波に飲まれました 〜次は(俺・オレ・私・あたし・わたくし)のターン〜

杏仁霜

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intermission 9 真昼の珍事!?

待機組の憂鬱

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Side-アーシェ 5

 裏口で待機って言われたけどさ…正直言っていい?

 ヒマ! ヒマヒマヒマったらヒマ!

 何にもない裏通りだしー、一緒にいるのはゴリッゴリの筋肉ダルマエドガーだしー、引っ込んでる呪い被害者のラナさんは、なんか話しづらいしー! 召喚獣パンサー撫でるくらいしかやることないじゃんよ!

 あたしも忘れないでー、と言いたげに新しい子のティグが擦り寄ってくる。パンサーと変わらない大きさの白いトラなんだけど、とにかく可愛いうちの女子なんだよ♪

 でも可愛いからってナメちゃダメだよ? こう見えて力持ちさんだから、大の大人を二人ほど引きずり回すくらいの事はやってのけるんだからね!
 じま~ん♪ 今度リボンつけたげるね♪

 「嬢ちゃんの召喚獣だったんだな」
 ティグたちにつけるリボンの色を考えてると、エドガーがポツリと言った。ちなみに今度この人、ヒマだからってその場で筋トレスクワット始めてるし。汗臭いからやめてよ、もう…。

 とりあえず頷くと、大きな手があたしの頭を包むように撫で回す。
「子供扱いしないでよ!」
「いや悪いな。武術の師から、女子供には優しくしろと教育されているのでな」
 
  そーですか、女子供…どうせあたしはどっちのカテゴリに入るか、解ってますよ! ちんちくりんでつるっぺたって、自分で解ってるもん!
 ちょっぴり荒んだ気分は、パンサー撫でてやり過ごす! もふもふって癒されるよねー。

  まだ何か言おうとしてモゴモゴしてるエドガーを放っといてあたしは、裏口の扉を見つめた。中から、イカれた笑い声が聞こえた気がしたから。
  なんだか臆病なパンサーがぷるぷる震えてる。それと逆に、ティグは毛を逆立てて唸りはじめた。何が起きてるの?!

 起きようとしている何かに備えて、あたしは裏口から離れた。すかさずエドガーがあたしをかばう位置に立つ。
 いきなり! 裏口の扉が軽く吹き飛んだ! 直立したままで飛んできた扉を受け止めると、エドガーはあたしに声をかける。

「無事か?!」
「う…うん!」
 な…なによもう…。けっこう紳士じゃないの。
 裏口の中は砂埃の向こうでまだ見えない。杖を出して警戒すると、さっき聞こえた笑い声がまた聞こえてきた。

 止める間もなく、ティグが砂埃の中に飛び込んでいく。
「ちょっと!?  ティグ待って!?」

 白いトラの姿は、砂埃の中ですぐに見えなくなった。
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