古の冒険都市は観光地化の波に飲まれました 〜次は(俺・オレ・私・あたし・わたくし)のターン〜

杏仁霜

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mission 5 冒険者は 期間限定教師?

追加補習二時限目・生徒捜索開始!

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Side-アーシェ 1

  石造りの古い砦の中は、どこかカビ臭い匂いと埃っぽさが同居していた。アーちんが言うには、野盗団か何かが根城にしてるって話だけど…あたし的には絶っっ対に有り得ない!!

  なんで好きこのんでこんな汚ったない廃屋に棲みつかなきゃならないのよ? ゴブリンじゃあるまいし、こんなとこに住み着くなんてムリ!! ムリムリ!!!  絶ッッ対にムリ!!!!
  まあそれ以前に、野盗になる気もさらさらないけどさ…。
  積もった埃で点々と残る足跡は、明らかに野生動物でもゴブリンでもない。やっぱ人か…やだな。

「…ここもだな」
  アーちんが途中の扉に手をかける。また鍵、閉まってんだ…。
「露骨すぎるが、罠じゃないのか?」
  兄貴が解錠するアーちんに向けて呟く。だよねぇ、あんまりベタすぎて疑う気にもならないもん。

「だがなぁ…どう見ても足跡がコッチに続いてんだわ。無視できねぇだろ? しかもコレ」
  デュエルがランタンを足元に向ける。あ、確かにあるわ足跡。しかもコレって…。
「小さいな。子供の足跡か?」
「大きい足跡もあるんだが、それはこっちに続いてるぞ?」
  
  小さな足跡は子供だとして、大きいのは野盗団よね? やっぱ…。
「よし、開いたぜ。チビどもがいるか?」
  小さな軋みを立てて開く扉は、ぽかりと真っ暗な口を開けた。すかさず音もなく、兄貴が闇に滑り込む。兄貴はエルフ族だから、真っ暗でも見えるのよね。下手にランタンで照らすと…最悪罠だった時に待ち伏せしてる野盗の標的になっちゃうから、最善の選択なの。

  そう考えると…兄貴ってすっごく暗殺向きの能力かもしれない。暗いとこ平気だし、一方的に弓の狙いつけ放題じゃん!
  あ、いけないいけない。脱線しちゃったわ。
  耳を澄ませると、その暗がりから幼い唸り声と啜り泣きが聞こえてきた。
「居るのは子供だけだ。灯を持ってきてやってくれ!」

  兄貴の声にランタンで照らすと、縛られていた子供の縄を兄貴が解いてやっているところだった。
「ふぇ…ぜ…ぜんぜ~!!!」
  かわいそうに。猿ぐつわを解いたら、緊張の糸が切れたのか泣きじゃくり始めた。ここにいたのはたったの二人。

  確か、武術の得意なランディくんと…古代語の首席だったジョラちゃんだっけ?
  話を聞けば…好奇心に負けて砦に行ってみたら、運悪く野盗一味と鉢合わせ。そのままさらわれて監禁ってのが今までの流れだったんだって。中の魔物はあたしたちがおおむね倒してるから大丈夫、とタカを括っていたらしいわ。ほんっとにもう…。

「助けてせんせー…後のみんなは、奥に連れてかれちゃったの…!」
  ジョラちゃんが泣きじゃくりながら訴えてくる。そんな頼み方されて、断れる冒険者なんているわけないよね!
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