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mission 1 俺たち、観光大使じゃない冒険者!
人混みかき分け情報収集!
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side-アーチ 1
あーやだやだ。何が悲しくてあんな宿屋でカンヅメになって働かにゃならんのよ?外はこんなに晴れて清々しいってのによ。あーシャバの空気は美味い! 正直、賑やかな町が恋しかったんだよな♪ すぐ脇には運河を兼ねた川が石畳と並行して流れ、水鳥が悠々と浮かんでいる。点々と並ぶ街路樹の向こうには、行き交う観光客の姿とツタが絡んだ土産物屋台に観光大使のポスターと…まあとにかく活気あふれる光景だ。ついこの前まで、もっと広い街だと思ってたのによ。今じゃ視界いっぱいの観光客に阻まれ、まっすぐ歩くことさえ難しくなっちまったなあ。まあ観光客ってのは何か珍しいものを見つけちゃ立ち止まるもんだから、ぶつかって当たり前だよな。威勢のいい宿屋の呼び込みも土産売りの口上も、観光客にとっちゃ珍しいもんだ。デュエルみてぇな大男もオレみてぇなイイ男もその部類に入るんじゃないかね? 他二人はともかくとして、オレはいつでも逆ナン受け付け中だぜ!
いつもの異国風ポンチョをなびかせてふと左右を見りゃ、後の連中も似たり寄ったりの心境なんだろうぜ。右側を歩くデュエルはいつもの完全装備と違って動きやすい簡単なシャツ姿で開放感たっぷりに肩を回してリラックス状態だ。左にいるラスファも袖口と裾にだけ複雑な文様が入った長い上着姿で軽く伸びをして深呼吸ときたもんだ。リンダ達に仕事を押し付けられたのもオレ様あってのことだからな、ちっとは感謝しろよオメーら?まあオレも給仕の制服には飽きたところだからな。
いつものスタイルが一番しっくりくるぜ。なんせ、オレらの本業は冒険者なんだからよ。
デュエルはメンバー最強の専業戦士だ。いつもならガチガチの鎧姿で槍を持ってるんだが「情報収集の邪魔だ」と言って副業の荷運びスタイルで出てきた。ま、確かに今の状況で鎧姿だと観光客にもみくちゃにされちまうわな。そういや実は槍に限らず武器はなんでも使えるらしいと知ったのは、割と最近のことだ。傭兵時代から、生き抜くためにあらゆる武器の使い方を覚えたって言ってたが…どんだけ殺伐とした人生を送ってきたんだか? まあ、たくましい体格してやがるからそれだけで目立つけどよ。
ちなみにラスファは弓使い権精霊使いだ。やたらと命中率の高い撃ち方してやがるから、敵に回したかねぇな。援護射撃としては助かるけどよ。しかもエルフ族ってのは全種族中でもトップの魔術適性を持ってるんだってよ。オレも何度か奴の精霊魔法を見たが、まあかなりの腕前なんだろうよ。奴は外に出た途端、特徴的な細長い耳をバンダナに押し込むようにして隠しちまった。こいつもデュエルとは違った意味で観光客のエジキになっちまうからな。以前、若いおねーちゃん観光客にもみくちゃにされた時にゃ「この野郎!」とか思っちまったが、その後に酒臭せぇおっさんどもに囲まれた時は心底、エルフ族に生まれなくて良かったと思っちまった。
あ? オレ? オレはそりゃもう超一流の盗賊さ。宝探し専門だけどな…そこんとこは誤解するんじゃねぇぞ? 軽業鍵開け罠外し、とできねェことなんざねぇさ。中でも一番の得意は、なんたってナンパだけどな。
しかし、この観光客騒ぎもいつまで続くんだかね? ちょっとすりゃ冷めるかと思ってたんだが、一向に冷める気配もないそれどころか加熱してんじゃねぇの?オレとしてはナンパし放題だし面白れぇことは大歓迎なんだが、宿の裏方仕事ばっかなのはいただけねぇよ。まあ、せっかく舞い込んだ単純な以来だ、さっさと盗みに入ったバカとっ捕まえてサボるとするか!
「さて、と…まずは被害があった武器屋でも見に行くか?」
ひとしきり開放感を満喫したオレのひとことに、奴らはうなづいた。さてと、お仕事お仕事♪
「あ、ちょっと待ってくれ。先に通り道の鍛冶屋に寄っていいか?」
デュエルが思い出したように呟く。こいつのいう鍛冶屋ってのは傭兵時代からの知り合いで、実際わりかし若いくせに見た目も中身も年寄りくせぇドワーフのとっつぁんだ。ドワーフ族ってのは岩山の民って別名もある頑健な種族。呼び名通り岩山や洞窟に住み着き、鉱山夫や鍛冶屋、時に木こりとしても生計を立てている。見た目はずんぐりとして背は低く、怪力な筋肉ダルマっていや伝わるか? 職人として人里に来ることが多く、街中でもわりかしホイホイ見かけるんだが…どうもオレは付き合いにくい。好物の酒さえ入りゃ陽気になるんだが、頑固な奴が多すぎるんだよな。特にこいつの知り合いって奴は癖もんだ。腕は確かだが、とにかく説教くせえんだ。おかげであっちこっちから煙たがられてるが、本人はどこ吹く風と我が道を突っ走ってやがる。ドワーフってのはアレか? メンタルも金属製かよ?
「行くなら一人でいってくれ」
鍛冶屋と聞いて、ラスファの声に露骨な嫌悪が混ざった。ああ、確かエルフ族とドワーフ族ってのは昔からとことんソリがあわねぇと相場が決まってるんだっけか? エルフ族はドワーフ族を「頑固な筋肉ダルマ」と煙たがり、ドワーフ族はエルフ族を「繊弱な引きこもり」と嫌っているんだとよ。まあオレたち人間はカンケーねぇよな。
「そう言わずに…この人ごみで合流し直すのは骨だから!」
さんざん渋ったが、デュエルの説得で入り口で待つことにしたが…実はオレも同感。工房までは行ってもいいが、それ以上はな…。
エルダードの鍛冶屋通りってのはかなりの数の工房がひしめく一大市場。何しろあっちもこっちも冒険者なこの街、腕さえありゃ食いっぱぐれは有りえねぇ。建材のみならず石畳まで火に強えぇ赤レンガで覆われ、年中暑っ苦しいもんだから「赤レンガ通り」だの「赤い岩石砂漠」だのっつー別名でも呼ばれている。その名の通り工房から溢れ出る熱気のせいでいつでも陽炎が見える上に、立ってるだけでうっすらと汗をかく。植物だってこの熱気に耐えられるものは限られ、南国風の木々がところどころで風にそよいでいる。外でさえこれだ。ひとり中に入ったデュエルはさぞかし大汗かいて戻るんだろうぜ。必然的に熱気や火に耐性があるドワーフ人口が多い地域ってのはわかる気がするぜ。さすがにオレもここに住めって言われりゃ、全力で辞退しちまうわな。
通りを行き交う連中は、がっしりした半裸のおっさんとずんぐりドワーフ、そして鉱石や武器をてんこ盛りに積んだ荷車ばっかだ。あとたまに物好きな観光客が工房を覗いちゃ汗だくで出て来る。大した筋肉祭りだ。うん、やっぱオレ、ここにゃ住めねぇ! 案外この熱気を利用して、副業で蒸し風呂でも作ったら…いや、ここが蒸し風呂だから誰も入りゃしねぇか。とにかく、オレらみてぇなのは完全にこの場から浮いていた。
しばらくして、デュエルが汗を拭きながら戻って来た。熱気から逃げるように赤い砂漠から出ると、うっすらと湿った背中がひやりと冷たくなる。
「何か頼まれごとか?」
天日干しから解放されて一息ついたラスファの問いに、デュエルがうなづく。
「最近になって入った若い弟子が一人、行方不明になったらしい。やる気満々な奴だったらしいから、修行を放り出して逃げるなんてありえないそうだ。どこかで見かけたら捕まえて欲しいと言ってきてな。名前はレオンで、年頃は十五くらい。痩せ型で黒髪黒瞳の、色黒な少年だそうだ」
淀みなく告げると奴はため息をついた。
「ちょっと前なら探すのも楽だったんだろうが…この人混みじゃ至難の技だろうな…」
おいおい、こんな所で探し物が増えちまった。まあそっちはデュエルの個人的な探し物で、オレにゃ関係ねぇんだけどな。
通りにゃ少しずつ人が増え、武器屋のある広場通りに差し掛かると再びぶつからずに歩くことが難しくなってきやがった。ったく、どこからこんな人数が湧いて出るんだよ? やっと目的地が近くなったところであまりありがたくねぇ声が俺らを呼び止めた。
「やあやあキミたち、実に奇遇だね!」
爽やかって言葉を声にしたらこんな感じだろう声が、背後からオレらを呼び止める。できれば聞かなかったことにしてダッシュで逃げてぇところだが、哀しいことにこの人混みじゃちっとばかし無理だな…。後の二人も同感らしく、絶望的な表情で嫌そうに振り返る。そこには予想どおり、ド派手な男が立っていた。肩までのハニーブロンドの巻き毛、実用性のかけらもねぇ金ピカの鎧に、これまたド派手な真紅のマント。にこりと笑えば白い歯がキラリと輝き、赤いバラを手にしたすっとこどっこい。
まさしく『観光客が夢見る勇者』と言うのを体現したような姿だが…念のために言っとくぞ。こんなカッコでマジで冒険したら、魔物に狙われまくってあっちゅー間に死ぬからな。だが、奴に限っては恐ろしいほどの幸運で生き延びかねん気がしてちと怖い。
「いやあ、ここで会えて実に嬉しいよ。この幸運を神に感謝しよう!」
態とらしく芝居がかった大仰な言い回しだが、こいつの場合はこれが素だ。奴の名はフランシス。信じる奴はいねぇが自称『地方貴族の三男坊』だってよ。エルダードの『ウザい奴ランキング』なんてものがあったら、上位入賞は確実だろうな。どうしようもない『目立ちたがり』な上に病的なまでの『ナルシスト』で、自分を含めて美しいものが大好きな『バカ』という三重苦! 冒険者になった理由も「この世にはまだ見ぬ美しいレディや宝石がボクを待ってるのさ! 迎えに行ってあげないとね!」と、シラフで言いやがったもんだからオレは耳を疑ったぜ。見た目だけなら結構なイケメンなんだが、剣の腕はどうもイマイチ。見てくれのハンデでナンパの成功率は高けぇんだが、空気読めねぇ性格が災いしてフラれるのも早ぇ。こんな奴が冒険者やっててよく生きてるもんだともっぱらの評判で、エルダードの七不思議に数えられてるとかなんとか。そんなこいつが観光大使冒険者に志願したっていう話を聞いた連中からは「納得」だの「天職」だのと囁やかれたもんだ。
「何の用だ?」
ラスファの露骨に剣呑な声音も、奴は意に介さねえ。
「おやおや、不機嫌だねキミ? 通りすがりに親しい友人と出会ったことは喜ばしくないのかい?」
「友人? 誰のことだ?」
「ボクと一緒に仕事しないかと誘ったじゃないか。キミたちなら大スターだって夢じゃないと保証するよ! 是非一緒に組もうじゃないか! 狙うはトップだ!」
馴れ馴れしく肩に手を回しながらのウザいセリフに、ラスファはため息つきながらデュエルを押し出した。ついでに肩に回された手を邪険に振り払う。
「パス。こいつとは会話が成立しない。任せた」
「お、おい!」
そのまま奴はフランシスに背を向け黙ってしまった。まあ、その言い分もわからんでもねぇ。
フランシスの言う『仕事』ってのは、観光客相手に舞台の上で殺陣やら演劇やら恋愛ものなんかを演じる、いわば見世物冒険者ってやつだ。オレ的には面白いんで、ごくたまにはやってるんだけどな? だがな、毎日ともなりゃちとキビシイわな。だっつーのに、こいつは所属する芸能観光局に向けて『すっごい逸材の大親友がいる!』なんて勝手に売り込みやがった。おかげでオレらはしばらく観光局芸能課の回しモンにしつこくしつこく、とにかくしつこく追い回されるハメに陥った。最初は単なる挨拶に始まり、そこからだんだんエスカレートし、終いにゃどこにいても追い回されて逃げ回り、本業にも差し支えるわでウザかったのなんのって! 特にラスファは珍しいエルフ族だからとハンパなく追い回された挙句、ある日とうとうブチ切れちまった。そしてその日からぱったりとスカウトは消えちまった。そん時何があったのかは、今となっちゃわからねぇ。だが、聞いた話じゃ帰っていく連中は全員蒼白になって震えてたってんだから恐ろしい。敵に回しちゃヤベェ奴ってのはいるんだと骨身にしみた。
「気心知れた友人たちを相手に仕事した方がやりやすいだろう? 勝手な真似をしたことは謝るよ。でももう一度考えちゃくれないか?」
「無理だな。俺たちにも本業があるんだ、そこはわかってるだろう?」
代表がデュエルに変わっても全くかわらねぇ調子でフランシスは続ける。
「そうかい。でも気が変わったらいつでもボクに知らせてくれないか? いつでも歓迎しているよ!」
「……」
ダメだ、こいつ話が通じねぇ。ラチがあかねぇんで、オレはその会話に割り込んだ。
「まあ、そのうち気が変わったらな。考えとくから、ここはちょいと引き下がっちゃくれねェか? 実はオレらもこれから本業の仕事でな、急いでんだよ」
割り込んだオレの助け舟に、デュエルはホッとしたみてぇだった。一つ貸しだからな。
「ああ、それは悪かった。じゃあ、これだけでも。…この後のショーでボクのサイン会と握手会があるんだけど、友情のしるしに特別チケットをあげるよ! ぜひとも来てくれたまえ!」
それだけ言うとフランシスは、来た時以上に颯爽と金髪巻き毛をなびかせて去ってしまった。無理やりチケットを三枚押し付けられたデュエルは困惑もあらわにチケットを見つめる。
「あいつ、本物のアホだろ。本職の冒険者にこんなモン渡してどーすんだ?」
どんなに遠くなってもまだ目立つ後ろ姿に、オレはこっそりとツッコんだ。紙っぺらの処分に困ったデュエルから、ラスファがチケットを奪い取る。
「さっさと処分して行くぞ」
そう言うなり思い切って一息に破ろうとしたが、さっきまでのやりとりを見て集まっていた観光客たちの羨ましそうな視線に手が止まった。フランシスの言う通り、観光客にとってコレはプラチナチケット。「破るくらいならそれ、私に! 」ってな怨念が伝わってくらあ。額を押さえて仕方なさげに奴はこのタチ悪ィプレゼントを手近にいた三人組の観光客に「やる」っつって押し付けた。この場合、まあそうするっきゃねェわな。どうにも垢抜けねぇ印象の三人姉妹みてぇだが、磨きゃさぞかし…いやいや独り言だ。突然渡された方も、数秒ラスファに見とれ、続いてチケットに歓声をあげた。まあ、価値わかる奴に渡って、良かったんでねぇかい?
例の武器屋は、広場通りの繁華街にあった。さあてと、保護店に盗みに入ったバカの手がかり探すとするかね。いかつい石造りの入り口には、これまたゴッツイ番犬が鎮座ましましてやがる。しかし、客逃げねぇかコレ? まあいいや。とにかく、売ってるものがものだから店内は半地下に作られている。薄暗れェんだが、防犯のためのありがちな造りだ。もちろん、いざって時の裏側に通じる抜け穴もあるんだろうぜ。店と同じく、店主も体格はいいが陰気な男だ。事情を聞くと面倒くさそうに「ショーケースに入れる前に、薄っすら錆が浮いてたので研ぐつもりで別にして金庫に入れていた。装飾がかなり見事だったので値打ちものとして丁重に扱っていたが、鍵という鍵を全て突破されて盗まれてしまっていた。手練れの仕事だろう」と『絶賛』しやがった。ほほう? コレは優秀な盗賊としてのオレの出番かね? あ、何度も言うがそっち方面の盗賊じゃねぇからなオレ?
とりあえず一通り金庫の構造を調べ、高難度の砦なのを確認すると看板も調べた。そこにある、同業者にしかわからねぇだろう保護店扱いを示す印が打ってあるのも確かめる。うんうん、こりゃ見間違いようもなく言い逃れのしようもねぇ。こりゃ犯人は『腕利きだろうが符丁を知らねェ余所者』か『腕を上げていい気になった世間知らずの新米バカ』ってトコか?
もし前者なら、ブツはとうに街の外に出されてるだろうよ。だが、そもそも腕利きが符丁を知らねェってことはありえねぇ。盗賊としての経験を積む修行時点で符丁は叩き込まれるのが常だ。んで、後者なら…後生大事に懐にしまいこんで離さねェだろうな。だが、いくら世間知らずでも盗賊ギルドの鉄の掟を知らんようじゃ話にならんだろな。
どっちにしろ、他のエモノを物色した痕跡がねぇってのが逆に気にかかる。どういうこった?
振り返りゃ、あとの連中もそれぞれ違った視点での調べを進めてるようだった。デュエルは引き続き店主から聞き取りを進め、ラスファは金庫の内部が気になるもんを見つけたらしい。とりあえず、それぞれに視点が違うのは当然か。ついでにコネも調べ方も違う。こっから先は別行動で情報収集ってパターンだ。
ふと思いついてオレは、店主に向けて盗賊同士のみで通じるブロックサインを送ってみる。が、店主はそれに全く反応しやしねぇ。ギルド構成員の息がかかっているなら、ほぼ条件反射で反応するんだよな。ふむ。これでよっぽどの腹芸持ちって可能性を除いて店主がグルって線も消えた。
そうなりゃ『正統派』盗賊のハシクレとしてギルドに話を聞きに行くとするかね?
あーやだやだ。何が悲しくてあんな宿屋でカンヅメになって働かにゃならんのよ?外はこんなに晴れて清々しいってのによ。あーシャバの空気は美味い! 正直、賑やかな町が恋しかったんだよな♪ すぐ脇には運河を兼ねた川が石畳と並行して流れ、水鳥が悠々と浮かんでいる。点々と並ぶ街路樹の向こうには、行き交う観光客の姿とツタが絡んだ土産物屋台に観光大使のポスターと…まあとにかく活気あふれる光景だ。ついこの前まで、もっと広い街だと思ってたのによ。今じゃ視界いっぱいの観光客に阻まれ、まっすぐ歩くことさえ難しくなっちまったなあ。まあ観光客ってのは何か珍しいものを見つけちゃ立ち止まるもんだから、ぶつかって当たり前だよな。威勢のいい宿屋の呼び込みも土産売りの口上も、観光客にとっちゃ珍しいもんだ。デュエルみてぇな大男もオレみてぇなイイ男もその部類に入るんじゃないかね? 他二人はともかくとして、オレはいつでも逆ナン受け付け中だぜ!
いつもの異国風ポンチョをなびかせてふと左右を見りゃ、後の連中も似たり寄ったりの心境なんだろうぜ。右側を歩くデュエルはいつもの完全装備と違って動きやすい簡単なシャツ姿で開放感たっぷりに肩を回してリラックス状態だ。左にいるラスファも袖口と裾にだけ複雑な文様が入った長い上着姿で軽く伸びをして深呼吸ときたもんだ。リンダ達に仕事を押し付けられたのもオレ様あってのことだからな、ちっとは感謝しろよオメーら?まあオレも給仕の制服には飽きたところだからな。
いつものスタイルが一番しっくりくるぜ。なんせ、オレらの本業は冒険者なんだからよ。
デュエルはメンバー最強の専業戦士だ。いつもならガチガチの鎧姿で槍を持ってるんだが「情報収集の邪魔だ」と言って副業の荷運びスタイルで出てきた。ま、確かに今の状況で鎧姿だと観光客にもみくちゃにされちまうわな。そういや実は槍に限らず武器はなんでも使えるらしいと知ったのは、割と最近のことだ。傭兵時代から、生き抜くためにあらゆる武器の使い方を覚えたって言ってたが…どんだけ殺伐とした人生を送ってきたんだか? まあ、たくましい体格してやがるからそれだけで目立つけどよ。
ちなみにラスファは弓使い権精霊使いだ。やたらと命中率の高い撃ち方してやがるから、敵に回したかねぇな。援護射撃としては助かるけどよ。しかもエルフ族ってのは全種族中でもトップの魔術適性を持ってるんだってよ。オレも何度か奴の精霊魔法を見たが、まあかなりの腕前なんだろうよ。奴は外に出た途端、特徴的な細長い耳をバンダナに押し込むようにして隠しちまった。こいつもデュエルとは違った意味で観光客のエジキになっちまうからな。以前、若いおねーちゃん観光客にもみくちゃにされた時にゃ「この野郎!」とか思っちまったが、その後に酒臭せぇおっさんどもに囲まれた時は心底、エルフ族に生まれなくて良かったと思っちまった。
あ? オレ? オレはそりゃもう超一流の盗賊さ。宝探し専門だけどな…そこんとこは誤解するんじゃねぇぞ? 軽業鍵開け罠外し、とできねェことなんざねぇさ。中でも一番の得意は、なんたってナンパだけどな。
しかし、この観光客騒ぎもいつまで続くんだかね? ちょっとすりゃ冷めるかと思ってたんだが、一向に冷める気配もないそれどころか加熱してんじゃねぇの?オレとしてはナンパし放題だし面白れぇことは大歓迎なんだが、宿の裏方仕事ばっかなのはいただけねぇよ。まあ、せっかく舞い込んだ単純な以来だ、さっさと盗みに入ったバカとっ捕まえてサボるとするか!
「さて、と…まずは被害があった武器屋でも見に行くか?」
ひとしきり開放感を満喫したオレのひとことに、奴らはうなづいた。さてと、お仕事お仕事♪
「あ、ちょっと待ってくれ。先に通り道の鍛冶屋に寄っていいか?」
デュエルが思い出したように呟く。こいつのいう鍛冶屋ってのは傭兵時代からの知り合いで、実際わりかし若いくせに見た目も中身も年寄りくせぇドワーフのとっつぁんだ。ドワーフ族ってのは岩山の民って別名もある頑健な種族。呼び名通り岩山や洞窟に住み着き、鉱山夫や鍛冶屋、時に木こりとしても生計を立てている。見た目はずんぐりとして背は低く、怪力な筋肉ダルマっていや伝わるか? 職人として人里に来ることが多く、街中でもわりかしホイホイ見かけるんだが…どうもオレは付き合いにくい。好物の酒さえ入りゃ陽気になるんだが、頑固な奴が多すぎるんだよな。特にこいつの知り合いって奴は癖もんだ。腕は確かだが、とにかく説教くせえんだ。おかげであっちこっちから煙たがられてるが、本人はどこ吹く風と我が道を突っ走ってやがる。ドワーフってのはアレか? メンタルも金属製かよ?
「行くなら一人でいってくれ」
鍛冶屋と聞いて、ラスファの声に露骨な嫌悪が混ざった。ああ、確かエルフ族とドワーフ族ってのは昔からとことんソリがあわねぇと相場が決まってるんだっけか? エルフ族はドワーフ族を「頑固な筋肉ダルマ」と煙たがり、ドワーフ族はエルフ族を「繊弱な引きこもり」と嫌っているんだとよ。まあオレたち人間はカンケーねぇよな。
「そう言わずに…この人ごみで合流し直すのは骨だから!」
さんざん渋ったが、デュエルの説得で入り口で待つことにしたが…実はオレも同感。工房までは行ってもいいが、それ以上はな…。
エルダードの鍛冶屋通りってのはかなりの数の工房がひしめく一大市場。何しろあっちもこっちも冒険者なこの街、腕さえありゃ食いっぱぐれは有りえねぇ。建材のみならず石畳まで火に強えぇ赤レンガで覆われ、年中暑っ苦しいもんだから「赤レンガ通り」だの「赤い岩石砂漠」だのっつー別名でも呼ばれている。その名の通り工房から溢れ出る熱気のせいでいつでも陽炎が見える上に、立ってるだけでうっすらと汗をかく。植物だってこの熱気に耐えられるものは限られ、南国風の木々がところどころで風にそよいでいる。外でさえこれだ。ひとり中に入ったデュエルはさぞかし大汗かいて戻るんだろうぜ。必然的に熱気や火に耐性があるドワーフ人口が多い地域ってのはわかる気がするぜ。さすがにオレもここに住めって言われりゃ、全力で辞退しちまうわな。
通りを行き交う連中は、がっしりした半裸のおっさんとずんぐりドワーフ、そして鉱石や武器をてんこ盛りに積んだ荷車ばっかだ。あとたまに物好きな観光客が工房を覗いちゃ汗だくで出て来る。大した筋肉祭りだ。うん、やっぱオレ、ここにゃ住めねぇ! 案外この熱気を利用して、副業で蒸し風呂でも作ったら…いや、ここが蒸し風呂だから誰も入りゃしねぇか。とにかく、オレらみてぇなのは完全にこの場から浮いていた。
しばらくして、デュエルが汗を拭きながら戻って来た。熱気から逃げるように赤い砂漠から出ると、うっすらと湿った背中がひやりと冷たくなる。
「何か頼まれごとか?」
天日干しから解放されて一息ついたラスファの問いに、デュエルがうなづく。
「最近になって入った若い弟子が一人、行方不明になったらしい。やる気満々な奴だったらしいから、修行を放り出して逃げるなんてありえないそうだ。どこかで見かけたら捕まえて欲しいと言ってきてな。名前はレオンで、年頃は十五くらい。痩せ型で黒髪黒瞳の、色黒な少年だそうだ」
淀みなく告げると奴はため息をついた。
「ちょっと前なら探すのも楽だったんだろうが…この人混みじゃ至難の技だろうな…」
おいおい、こんな所で探し物が増えちまった。まあそっちはデュエルの個人的な探し物で、オレにゃ関係ねぇんだけどな。
通りにゃ少しずつ人が増え、武器屋のある広場通りに差し掛かると再びぶつからずに歩くことが難しくなってきやがった。ったく、どこからこんな人数が湧いて出るんだよ? やっと目的地が近くなったところであまりありがたくねぇ声が俺らを呼び止めた。
「やあやあキミたち、実に奇遇だね!」
爽やかって言葉を声にしたらこんな感じだろう声が、背後からオレらを呼び止める。できれば聞かなかったことにしてダッシュで逃げてぇところだが、哀しいことにこの人混みじゃちっとばかし無理だな…。後の二人も同感らしく、絶望的な表情で嫌そうに振り返る。そこには予想どおり、ド派手な男が立っていた。肩までのハニーブロンドの巻き毛、実用性のかけらもねぇ金ピカの鎧に、これまたド派手な真紅のマント。にこりと笑えば白い歯がキラリと輝き、赤いバラを手にしたすっとこどっこい。
まさしく『観光客が夢見る勇者』と言うのを体現したような姿だが…念のために言っとくぞ。こんなカッコでマジで冒険したら、魔物に狙われまくってあっちゅー間に死ぬからな。だが、奴に限っては恐ろしいほどの幸運で生き延びかねん気がしてちと怖い。
「いやあ、ここで会えて実に嬉しいよ。この幸運を神に感謝しよう!」
態とらしく芝居がかった大仰な言い回しだが、こいつの場合はこれが素だ。奴の名はフランシス。信じる奴はいねぇが自称『地方貴族の三男坊』だってよ。エルダードの『ウザい奴ランキング』なんてものがあったら、上位入賞は確実だろうな。どうしようもない『目立ちたがり』な上に病的なまでの『ナルシスト』で、自分を含めて美しいものが大好きな『バカ』という三重苦! 冒険者になった理由も「この世にはまだ見ぬ美しいレディや宝石がボクを待ってるのさ! 迎えに行ってあげないとね!」と、シラフで言いやがったもんだからオレは耳を疑ったぜ。見た目だけなら結構なイケメンなんだが、剣の腕はどうもイマイチ。見てくれのハンデでナンパの成功率は高けぇんだが、空気読めねぇ性格が災いしてフラれるのも早ぇ。こんな奴が冒険者やっててよく生きてるもんだともっぱらの評判で、エルダードの七不思議に数えられてるとかなんとか。そんなこいつが観光大使冒険者に志願したっていう話を聞いた連中からは「納得」だの「天職」だのと囁やかれたもんだ。
「何の用だ?」
ラスファの露骨に剣呑な声音も、奴は意に介さねえ。
「おやおや、不機嫌だねキミ? 通りすがりに親しい友人と出会ったことは喜ばしくないのかい?」
「友人? 誰のことだ?」
「ボクと一緒に仕事しないかと誘ったじゃないか。キミたちなら大スターだって夢じゃないと保証するよ! 是非一緒に組もうじゃないか! 狙うはトップだ!」
馴れ馴れしく肩に手を回しながらのウザいセリフに、ラスファはため息つきながらデュエルを押し出した。ついでに肩に回された手を邪険に振り払う。
「パス。こいつとは会話が成立しない。任せた」
「お、おい!」
そのまま奴はフランシスに背を向け黙ってしまった。まあ、その言い分もわからんでもねぇ。
フランシスの言う『仕事』ってのは、観光客相手に舞台の上で殺陣やら演劇やら恋愛ものなんかを演じる、いわば見世物冒険者ってやつだ。オレ的には面白いんで、ごくたまにはやってるんだけどな? だがな、毎日ともなりゃちとキビシイわな。だっつーのに、こいつは所属する芸能観光局に向けて『すっごい逸材の大親友がいる!』なんて勝手に売り込みやがった。おかげでオレらはしばらく観光局芸能課の回しモンにしつこくしつこく、とにかくしつこく追い回されるハメに陥った。最初は単なる挨拶に始まり、そこからだんだんエスカレートし、終いにゃどこにいても追い回されて逃げ回り、本業にも差し支えるわでウザかったのなんのって! 特にラスファは珍しいエルフ族だからとハンパなく追い回された挙句、ある日とうとうブチ切れちまった。そしてその日からぱったりとスカウトは消えちまった。そん時何があったのかは、今となっちゃわからねぇ。だが、聞いた話じゃ帰っていく連中は全員蒼白になって震えてたってんだから恐ろしい。敵に回しちゃヤベェ奴ってのはいるんだと骨身にしみた。
「気心知れた友人たちを相手に仕事した方がやりやすいだろう? 勝手な真似をしたことは謝るよ。でももう一度考えちゃくれないか?」
「無理だな。俺たちにも本業があるんだ、そこはわかってるだろう?」
代表がデュエルに変わっても全くかわらねぇ調子でフランシスは続ける。
「そうかい。でも気が変わったらいつでもボクに知らせてくれないか? いつでも歓迎しているよ!」
「……」
ダメだ、こいつ話が通じねぇ。ラチがあかねぇんで、オレはその会話に割り込んだ。
「まあ、そのうち気が変わったらな。考えとくから、ここはちょいと引き下がっちゃくれねェか? 実はオレらもこれから本業の仕事でな、急いでんだよ」
割り込んだオレの助け舟に、デュエルはホッとしたみてぇだった。一つ貸しだからな。
「ああ、それは悪かった。じゃあ、これだけでも。…この後のショーでボクのサイン会と握手会があるんだけど、友情のしるしに特別チケットをあげるよ! ぜひとも来てくれたまえ!」
それだけ言うとフランシスは、来た時以上に颯爽と金髪巻き毛をなびかせて去ってしまった。無理やりチケットを三枚押し付けられたデュエルは困惑もあらわにチケットを見つめる。
「あいつ、本物のアホだろ。本職の冒険者にこんなモン渡してどーすんだ?」
どんなに遠くなってもまだ目立つ後ろ姿に、オレはこっそりとツッコんだ。紙っぺらの処分に困ったデュエルから、ラスファがチケットを奪い取る。
「さっさと処分して行くぞ」
そう言うなり思い切って一息に破ろうとしたが、さっきまでのやりとりを見て集まっていた観光客たちの羨ましそうな視線に手が止まった。フランシスの言う通り、観光客にとってコレはプラチナチケット。「破るくらいならそれ、私に! 」ってな怨念が伝わってくらあ。額を押さえて仕方なさげに奴はこのタチ悪ィプレゼントを手近にいた三人組の観光客に「やる」っつって押し付けた。この場合、まあそうするっきゃねェわな。どうにも垢抜けねぇ印象の三人姉妹みてぇだが、磨きゃさぞかし…いやいや独り言だ。突然渡された方も、数秒ラスファに見とれ、続いてチケットに歓声をあげた。まあ、価値わかる奴に渡って、良かったんでねぇかい?
例の武器屋は、広場通りの繁華街にあった。さあてと、保護店に盗みに入ったバカの手がかり探すとするかね。いかつい石造りの入り口には、これまたゴッツイ番犬が鎮座ましましてやがる。しかし、客逃げねぇかコレ? まあいいや。とにかく、売ってるものがものだから店内は半地下に作られている。薄暗れェんだが、防犯のためのありがちな造りだ。もちろん、いざって時の裏側に通じる抜け穴もあるんだろうぜ。店と同じく、店主も体格はいいが陰気な男だ。事情を聞くと面倒くさそうに「ショーケースに入れる前に、薄っすら錆が浮いてたので研ぐつもりで別にして金庫に入れていた。装飾がかなり見事だったので値打ちものとして丁重に扱っていたが、鍵という鍵を全て突破されて盗まれてしまっていた。手練れの仕事だろう」と『絶賛』しやがった。ほほう? コレは優秀な盗賊としてのオレの出番かね? あ、何度も言うがそっち方面の盗賊じゃねぇからなオレ?
とりあえず一通り金庫の構造を調べ、高難度の砦なのを確認すると看板も調べた。そこにある、同業者にしかわからねぇだろう保護店扱いを示す印が打ってあるのも確かめる。うんうん、こりゃ見間違いようもなく言い逃れのしようもねぇ。こりゃ犯人は『腕利きだろうが符丁を知らねェ余所者』か『腕を上げていい気になった世間知らずの新米バカ』ってトコか?
もし前者なら、ブツはとうに街の外に出されてるだろうよ。だが、そもそも腕利きが符丁を知らねェってことはありえねぇ。盗賊としての経験を積む修行時点で符丁は叩き込まれるのが常だ。んで、後者なら…後生大事に懐にしまいこんで離さねェだろうな。だが、いくら世間知らずでも盗賊ギルドの鉄の掟を知らんようじゃ話にならんだろな。
どっちにしろ、他のエモノを物色した痕跡がねぇってのが逆に気にかかる。どういうこった?
振り返りゃ、あとの連中もそれぞれ違った視点での調べを進めてるようだった。デュエルは引き続き店主から聞き取りを進め、ラスファは金庫の内部が気になるもんを見つけたらしい。とりあえず、それぞれに視点が違うのは当然か。ついでにコネも調べ方も違う。こっから先は別行動で情報収集ってパターンだ。
ふと思いついてオレは、店主に向けて盗賊同士のみで通じるブロックサインを送ってみる。が、店主はそれに全く反応しやしねぇ。ギルド構成員の息がかかっているなら、ほぼ条件反射で反応するんだよな。ふむ。これでよっぽどの腹芸持ちって可能性を除いて店主がグルって線も消えた。
そうなりゃ『正統派』盗賊のハシクレとしてギルドに話を聞きに行くとするかね?
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