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mission 1 俺たち、観光大使じゃない冒険者!
それぞれ違う仕事姿勢
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side-デュエル 2
あの後、俺たちはそれぞれ時間を決めて落ち合う事にした。不思議なもので、同じ話を聞き同じ現場を見たのに、全く違う切り口から調べると他の二人が言い出したのだ。時間までは結構あるな。まあ、俺にはあいつらと違って他にアテやツテがあるでもなし…思いついた先は運河しかない。この街を流通するたいていの荷物は、この運河を通って運ばれている。そこに紛れて短剣が運び出されている可能性もある。そうでなくとも、先にここでそれとなく話をしておくが事前に止められるかもしれない。
町外れの土手から見下ろせば明るい陽光をおおらかな川面が跳ね返し、荷運び場の活気に対抗していた。眩しさに目を細めると、辺りを見回しながら知り合いを探す。俺は反対岸の下流方面に向かう船着き場の方に当たりをつけると、頑丈な石橋に足を向けた。ここの橋は街で一番古く頑丈に出来ている。ふと下に目を落とせば、水面を滑るようにして荷物満載の川船が悠々と行き来していた。この川はエルダードで二つの支流に別れ、それぞれ荷物の中継地点としても機能している。その分荷物の量も多く、荷運び場は常に人手不足。故に臨時バイトは常に募集中となっていた。そして俺はここの常連バイトだ。反対岸は、その中でも特に激戦区と呼ばれている。相変わらず多くの荷物と大勢の荷物運びバイトで賑わっていた。ここはいつ来ても常に人手不足で「働きたい」の一言でいつでも採用・いつでも仕事をさせてくれる場所だ。その分純粋な肉体労働でかなり厳しく、慣れないと半日持たずにバテることも珍しくない。右を向いても左を見ても、働いているのは体格のいい男たちがほとんど。中には男女の獣人族やドワーフ族などの異種族の姿もちらほら見える。荷物の区画をすり抜けて歩き回り、人混みに馴染みの顔を見つけると俺は声をかけた。
「お疲れさん、マゼンダ。今日も忙しそうだな」
振り返ったのは、腕や脚に鮮やかな虎縞の毛並みを持った女性獣人族だ。彼女の名はマゼンダ・ガレット。大柄で陽気な女性で、年の頃は俺と変わらない。たてがみを連想させる黄金の髪を何本にも編み込み、その中から柔らかな毛に覆われた虎耳が覗いている。そして赤いリボンをすんなりと伸びた尻尾の先に結んで愛嬌をプラスしていた。ワイルドな容貌ながら人懐っこく、笑うと意外に可愛らしい。
「ちょうどよかった、デュエル! ちょーっと人手が足りないのよね。手伝いに来てくれたんでしょ? あんたが来りゃ百人力よ、助かったわ!」
「あ、いやすまないが…」
「今日はいつもより荷物が多いのよ。しっかも! おもいし!」
「ちょっと今日は…」
「とりあえず、西側の第三区画に行ってあげて! ちょうどアタシも行くトコだから!」
彼女は俺を見つけると人波をかき分けつつ死ぬるほどの忙しさを訴えて来た。これは、話を聞くどころじゃなさそうだ。仕方ない、少々手伝いながら話を聞く他ない。俺は引きずられながら覚悟を決める。
ひと段落する頃には、一応マゼンダには俺の現状と仕事の
ことを伝える余裕ができた。
「あー、そうだったね。忘れてたけどアンタ冒険者やってたんだった。こうも忙しいと、一人一人の事情なんて覚えてらんなくってさあ。で、アタシに何か協力できることってあるの?」
おしゃべり好きの彼女らしく、手頃な木箱に座り込むと興味津々の目つきで俺を見上げてくる。そのままリボン付きの尻尾で隣をポフポフと叩き、俺にも座るように促して来た。
「おいおいイイのか? まだ忙しいんだろ?」
「イイじゃん、手伝ってもらって目鼻ついたんだし休憩ってことで。で? 聞きたいことって何?」
俺は苦笑するしかなかった。彼女も冒険に憧れて出てきたクチで冒険者の宿に所属しているが、まだ仲間を募集中の身の上だ。
不思議に思うかもしれないが、冒険者というのはそこまで儲かる仕事でもない。あまりに高額な依頼料だと、依頼人も依頼しづらいというのが現状だからだ。その証拠に、初心者向けによく来る依頼は農村部で畑を荒らすゴブリン退治や隊商の護衛などという現状に滲み出ている。故に現役の冒険者でも、副業を持つのが当たり前になっていた。誰しも生活しなくてはならないのは同じ。いつ来るかわからない依頼を待ちながら、副業で食いつないでいるのだ。俺は宿での用心棒やここでの荷運びバイト、ラスファは宿での専属料理人として糊口をしのいでいるように。財宝を見つけて一攫千金を叶えるのは、よっぽど幸運に恵まれた一握りの例に過ぎない。現実は厳しいのだ。
冒険者になりたいと農村部からやって来る冒険者志望の若者などでも、まずはこの現実に打ちのめされるのが通過儀礼となっている。世の中そんなに甘くできていない。世知辛いようだが、これが現実なのだ。
そうまでして危険な冒険者稼業を続けるのは何故? と思われるかもしれないが、その理由は人それぞれ。そこを突っ込んで聞くのは、この町全体に共通するタブーとなっていた。
しかし彼女は自ら、あっけらかんと言ってのけた。できうる限り、なるべく多くの異種族と交流してみたい、と。
同じような獣人族ばかりの郷里で、この世にいる多くの種族と交流することを望み続けて少女時代を過ごしてきたんだそうだ。書物に綴られた物語を読み解き、広い世界への憧れを募らせて…挙句この現実に向き合った。そしてなおかつ現状を楽しんでいる。彼女のような強さもあるのかと感心したのは傭兵をやめた直後だっただけに、やけに鮮烈に心に残っている。
実際獣人族の彼女から見ると、人間の俺も異種族と言えるわけだし。人生を楽しむためというのも立派に、冒険者になる理由になるのだ。
そうだった、聞き込みを再開させねば。
軽い咳払いと共に俺は言葉を切り出す。盗まれた短剣について、知っている限りを伝えた。少々短絡的な一面もあるが、彼女は口が硬い。続いて、行方不明の鍛冶屋の弟子の事も。
「ふうん、装飾の凝った短剣ねえ…少なくともアタシは見てないよ。てか、いちいち届け先や中身を書いた伝票がついてるから、変な荷物があったら検品の段階でわかるんじゃないの? ああ、でもいつもこんなカオスな状態なら紛れ込む余地も無くはないか。まあ、流石にその弟子くんが密航でもしてたらバレるけどね」
そこまで聞いて、ふと思い出した。そういえばラスファが妙なことを言っていたな。
『どうも強力な魔力の痕跡が気にかかる。もしかしたら、結構な魔力剣だったのかもな』
魔力剣。通常の武器と違って魔力を付与された特殊な剣。時には切れ味を高め、時には合言葉一つで炎を吹き出し、時には亡霊や特定の魔物に対する切り札になりうる。彼は魔力の痕跡から辿ると言って別行動に移ったが、ここに連れてきて視てもらえば手がかりが掴めたかもしれない。ただその場合、マゼンダに捕まって延々とおしゃべりに付き合わされることは避けられないだろうが。
「魔力のこもった品はなかったか?」
神妙な俺の質問に、彼女は嫌そうに鼻先にしわを寄せた。
「魔力の品? あんな危険物、特に警戒されるに決まってんじゃん! 運搬保険だってガチガチだしね。それ以前に、十日前のあの事件があったからね…」
「ああ、そうだったな…」
俺とマゼンダは、揃って遠い目をしながら十日前の惨劇を思い返す。通常の荷物に混じって魔力を帯びた壺が紛れており、何かのはずみで暴走して真っ白な煙を噴き出した事件だ。直接的な被害そのものは微々たるものだったが…吸い込んだ者はしばらく笑いが止まらなくなり、一時的に荷運び場がパニック状態になってしまった。おかげで居合わせた俺も訳がわからないまま、煙の範囲外に這い出した被害者たちを救護班よろしく運び出す作業に駆り出された。結局荷主は保険料その他をケチった魔術師ギルドの研究員だったんだが、大量の菓子折り持参で謝罪に来た研究員に何のための研究資材だったのか猛烈に聴きたくて仕方なかった。魔力が付与された品だからといって、役立つものばかりとは限らないといういい例だ。こういう例が後を絶たないせいで魔力絡みの品が危険物扱いされがちになるのだろう。かくいう俺も、馴染みのないモノにはできれば近づきたくはない。
「まあ、アタシの鼻にかかれば魔力の品なんてすぐに嗅ぎ分けられるけどね!」
「臭いで分かるのか?」
意外な特技だ。驚いた俺に、彼女は得意そうに重そうな胸を張った。
「まあね。獣人族なら大抵持ってる、特有のスキルみたいよ? あの時もパンドール親方に魔力臭い荷物のことを報告に行ったのよね。忠告した瞬間に煙が出てさ。おかげでアタシ、第一被害者よ?」
「それは災難だったな…」
知らなかったが、獣人族の特殊能力ってわけか。とりあえず魔力のかかった荷物と鍛冶屋の弟子について、見つけたら教えてくれと頼んだところで、彼女は上司のパンドール親方に捕まってしまった。ドワーフ族を縦に引き伸ばしたような、色黒で筋骨たくましいガチムチ親父に尻尾掴まれて引っ張られながら「今度おごってね~」と能天気に手を振っている。やれやれ、たくましいもんだ。種族交流か…近いうち知っている異種族を紹介してやろうかな? とは思ったが、止まらないおしゃべりに付き合わせて良さげなのは、ハーフエルフのアーシェだけだ。
結局、めぼしい収穫はなかった。いや、少なくともこの運河から装飾剣が出ていないとわかっただけでも僥倖か。しかし、待ち合わせの時間にはもう少しある。ふと思いつくと、俺は人波に逆らって自警団詰所に足を向ける。ここからはそう遠くないことを思い出した。中間報告にはまだ早いが、生真面目で真っ直ぐすぎる友人が根を詰めていないか心配になったのだ。
日もまだ高いというのに、街のあちこちで乱痴気騒ぎ。昼間から酒場に入り浸る飲めや歌えの観光客は酒臭い息を吐き散らし、地図を手にした観光客は果実水を手に小走りで観光大使のもとに向かう。俺は再来週あたりに回ってくる、持ち回りの自警団の助っ人当番を思うと頭が痛くなった。トラブルなんて、星の数ほどあるだろう…。
目を上げると、いつの間にか俺は被害にあった武器屋の前にいた。無意識に中を覗いてみると、薄暗い店内で見覚えのある純白の騎士鎧がぼんやり浮き上がって
見えるような気がした。まさかな…?
「何度もすまない。あの後に変わったことは無かったか?」
「ちょっと前に、ちぐはぐな三人組が聞き込みに来たくらいだ」
「そうか。彼らは、我々自警団が依頼した冒険者だ。きっとすぐに解決に向けて動いてくれるぞ」
陰気な店主とは対照的な、凛とした声。やはり、ラインハルト。話に夢中で、俺に気づいていないようだ。軽く壁をノックすると、びくりと体ごと振り向いた。ひどくバツが悪そうに俯く。こんな彼を見ることは珍しい。
「すまない。信用していないわけではないのだが…任せっきりというのも自警団員としてどうかと思ってな。居ても立っても居られなかった」
武器屋を出て、比較的人通りのない道を歩きながら彼はうなだれる。彼らしい仕事熱心さだ。だが…。
「ということは、今は休憩時間か?」
俺の問いに、ラインハルトはちいさくうなづいた。やっぱりか。やれやれ、能天気なマゼンダに、爪の垢を飲ませたくなった。同じ休憩時間でも、過ごし方は対照的だ。
「休める時は休まないと、いざという時困るぞ? プロとして、それはまずくないか?」
「解っているが、一度頼られた以上は全力を尽くすのが主義だ。ところで、今一人か?」
「ああ。ラスファは調べ物をしに賢者の院の図書館に行ってる。アーチは、情報屋に会いに盗賊ギルドに…あ」
言ってしまってから、おれは口を押さえた。しまった、彼に『盗賊ギルド』は禁句だった。
「デュエル、友人は選んだほうがいいぞ。盗賊などとつるむのは、どうも感心しない」
「おいおい、大袈裟な。あいつは盗賊といっても遺跡専門で、そこらの泥棒と違うぞ?」
苦笑しつつ返すと、彼は真っ直ぐに俺を睨みつけた。
「私にとってはどちらも同じことだ。盗賊などいなくても、自警団の組織に独自の情報網は存在する。商店への保護料? 必要ない! 自警団の組織力と確たる地盤さえ揃えば、盗賊ギルドなど、すぐにでも排除してやるものを!」
「ラインハルト…」
「それにエルフ族も! 神という概念さえ存在しないとは…。いつかは彼らに、真実の道を示してやらねば!」
「落ち着けよ、ラインハルト」
静かな俺の声かけに、彼は我に返ったらしい。熱くなり過ぎたことに気づくと彼は赤くなりながらさっと俺に背を向けて小さく呟いた。
「すまない、言い過ぎた。…忘れてくれ」
それなりに付き合いが長いからこそわかる。生真面目であるがゆえに融通が利かず、至高神の敬虔な使徒でありたいがゆえに視野が狭まるのだ。確かに彼にとっては、自警団の対極にある盗賊ギルドなど目の上のたんこぶでしかないだろう。だが盗賊ギルドは、ある意味必要悪という側面もある。彼らの厳しい掟が犯罪抑制に一役買っているのだ。
掟に背いた者は、想像を絶する厳しい制裁があるという話は有名だ。至高神だけでなく、盗賊としての掟や流儀で犯罪が抑制されているという事実。それこそが彼にとって許しがたいことなのだろう。世の中、綺麗事だけで治まっているわけではないのが現実だ。俺はラインハルトの肩に軽く手を置いた。思っていたよりもちいさく華奢な肩。その肩に彼は、何を背負っているのだろうか?
「ラインハルト、もう少し視野を広く持ったらどうだ? せっかく世界は広いんだ。視野を広げないと、本当に大切な物も見えなくなるぞ」
「すまない…デュエル」
背を向けたままの、消え入りそうな言葉。俺は、重くなりかけた空気を放り投げるべく言葉を続ける。
「しかしラインハルト…意外と壮大な目標を持ってるんだな。エルフ族に神の教えを説くとは、誰も至ったことのない境地じゃないのか?」
「! そ、それは…!」
勢いよく振り返る彼の頰が朱に染まる。ちなみに、『エルフに神の教えを説く』とは無駄なことを指すことわざだ。そもそも神の概念がないのだから、教えを説いても無駄なことという意味で使われる。彼はその由緒正しいことわざを真っ向から全否定してしまったのだ。さらに『エルフの神官』も、あり得ないものという意味で知られている。
「だから、忘れろ!」
「おいおい、そんな女みたいな声出すなって。…そろそろ本題に戻るが、組織的でなくとも個人的な理由のもとで盗まれたって線は考えられないか?」
俺は今朝の、武器マニアらしい観光客の紳士を思い出した。馬車の床板が歪み、二頭立ての馬が悲鳴をあげるほどに大量の武器レプリカを積んでいたが…例えばあの中に紛れて持ち出せるというなら話は変わってくる。
「観光客の荷物に紛れてか? いや、それも考えづらい」
「どういうことだ?」
「たいていの観光客は、帰り道で大量の荷物を持ち帰ることを嫌う。店などで、届け物を担当する業者が増えたのがその証拠だ。ほとんどの観光客がそこを利用するとなれば、かえって手荷物の多い観光客は怪しくなる。今や、土産ものはほぼ全てが運河を通ることになるからな」
ああ、確かに。帰路につく観光客が大量の荷物を担ぐのを見ることは、あまりなかった。そこまで考えて、俺は今朝の紳士を思い出す。あの可哀想な馬車の紳士。あの場合はどうなるのだろうか?
「今朝、馬車いっぱいの土産物を積んで帰った観光客がいたが?」
俺の問いに、ラインハルトは苦笑する。
「それなら昼前に土産物の重みで馬車と馬が潰れたという救援要請があった。それのことか?」
「おいおい、結局潰れたのか? あの馬…哀れにも程があるな」
「彼も最終的には運河を利用したらしい。だからシロだ」
「道理でいつもより荷物が多かったはずだ…。なら、闇ギルドの冒険者を雇って持ち出させる可能性は?」
闇ギルドとは、金銭次第で非合法な依頼も受け付ける裏の冒険者ギルドのことだ。無論、正規のギルドには所属してはいない。
その問いに、彼は薄く笑った。
「その可能性を考えない我々だと思うのか? 真っ先に外出する冒険者のチェック体制は整えていたのさ。しかし、どれも可能性はゼロじゃ無いからな。出入りする観光客へのチェック体制も強めておこう」
「ああ、助かる」
そこで俺はさらに、行方不明の鍛冶屋の弟子の捜索依頼も合わせて伝えておいた。どちらかというと個人的なことを頼んでしまうのは心苦しかったが、彼の協力は取り付けた。持つべきは、誠実な友だ。ただ、共通の師匠に頼られたのが俺だけだったせいか若干不服そうにしていた。俺から言わせてもらうと多分、暇そうだからという理由が九割以上を閉めると思うんだが。
その時、時計塔の鐘が時を告げた。そろそろ合流しなくては。ラインハルトに別れを告げ、俺は待ち合わせの噴水広場に向かった。
あの後、俺たちはそれぞれ時間を決めて落ち合う事にした。不思議なもので、同じ話を聞き同じ現場を見たのに、全く違う切り口から調べると他の二人が言い出したのだ。時間までは結構あるな。まあ、俺にはあいつらと違って他にアテやツテがあるでもなし…思いついた先は運河しかない。この街を流通するたいていの荷物は、この運河を通って運ばれている。そこに紛れて短剣が運び出されている可能性もある。そうでなくとも、先にここでそれとなく話をしておくが事前に止められるかもしれない。
町外れの土手から見下ろせば明るい陽光をおおらかな川面が跳ね返し、荷運び場の活気に対抗していた。眩しさに目を細めると、辺りを見回しながら知り合いを探す。俺は反対岸の下流方面に向かう船着き場の方に当たりをつけると、頑丈な石橋に足を向けた。ここの橋は街で一番古く頑丈に出来ている。ふと下に目を落とせば、水面を滑るようにして荷物満載の川船が悠々と行き来していた。この川はエルダードで二つの支流に別れ、それぞれ荷物の中継地点としても機能している。その分荷物の量も多く、荷運び場は常に人手不足。故に臨時バイトは常に募集中となっていた。そして俺はここの常連バイトだ。反対岸は、その中でも特に激戦区と呼ばれている。相変わらず多くの荷物と大勢の荷物運びバイトで賑わっていた。ここはいつ来ても常に人手不足で「働きたい」の一言でいつでも採用・いつでも仕事をさせてくれる場所だ。その分純粋な肉体労働でかなり厳しく、慣れないと半日持たずにバテることも珍しくない。右を向いても左を見ても、働いているのは体格のいい男たちがほとんど。中には男女の獣人族やドワーフ族などの異種族の姿もちらほら見える。荷物の区画をすり抜けて歩き回り、人混みに馴染みの顔を見つけると俺は声をかけた。
「お疲れさん、マゼンダ。今日も忙しそうだな」
振り返ったのは、腕や脚に鮮やかな虎縞の毛並みを持った女性獣人族だ。彼女の名はマゼンダ・ガレット。大柄で陽気な女性で、年の頃は俺と変わらない。たてがみを連想させる黄金の髪を何本にも編み込み、その中から柔らかな毛に覆われた虎耳が覗いている。そして赤いリボンをすんなりと伸びた尻尾の先に結んで愛嬌をプラスしていた。ワイルドな容貌ながら人懐っこく、笑うと意外に可愛らしい。
「ちょうどよかった、デュエル! ちょーっと人手が足りないのよね。手伝いに来てくれたんでしょ? あんたが来りゃ百人力よ、助かったわ!」
「あ、いやすまないが…」
「今日はいつもより荷物が多いのよ。しっかも! おもいし!」
「ちょっと今日は…」
「とりあえず、西側の第三区画に行ってあげて! ちょうどアタシも行くトコだから!」
彼女は俺を見つけると人波をかき分けつつ死ぬるほどの忙しさを訴えて来た。これは、話を聞くどころじゃなさそうだ。仕方ない、少々手伝いながら話を聞く他ない。俺は引きずられながら覚悟を決める。
ひと段落する頃には、一応マゼンダには俺の現状と仕事の
ことを伝える余裕ができた。
「あー、そうだったね。忘れてたけどアンタ冒険者やってたんだった。こうも忙しいと、一人一人の事情なんて覚えてらんなくってさあ。で、アタシに何か協力できることってあるの?」
おしゃべり好きの彼女らしく、手頃な木箱に座り込むと興味津々の目つきで俺を見上げてくる。そのままリボン付きの尻尾で隣をポフポフと叩き、俺にも座るように促して来た。
「おいおいイイのか? まだ忙しいんだろ?」
「イイじゃん、手伝ってもらって目鼻ついたんだし休憩ってことで。で? 聞きたいことって何?」
俺は苦笑するしかなかった。彼女も冒険に憧れて出てきたクチで冒険者の宿に所属しているが、まだ仲間を募集中の身の上だ。
不思議に思うかもしれないが、冒険者というのはそこまで儲かる仕事でもない。あまりに高額な依頼料だと、依頼人も依頼しづらいというのが現状だからだ。その証拠に、初心者向けによく来る依頼は農村部で畑を荒らすゴブリン退治や隊商の護衛などという現状に滲み出ている。故に現役の冒険者でも、副業を持つのが当たり前になっていた。誰しも生活しなくてはならないのは同じ。いつ来るかわからない依頼を待ちながら、副業で食いつないでいるのだ。俺は宿での用心棒やここでの荷運びバイト、ラスファは宿での専属料理人として糊口をしのいでいるように。財宝を見つけて一攫千金を叶えるのは、よっぽど幸運に恵まれた一握りの例に過ぎない。現実は厳しいのだ。
冒険者になりたいと農村部からやって来る冒険者志望の若者などでも、まずはこの現実に打ちのめされるのが通過儀礼となっている。世の中そんなに甘くできていない。世知辛いようだが、これが現実なのだ。
そうまでして危険な冒険者稼業を続けるのは何故? と思われるかもしれないが、その理由は人それぞれ。そこを突っ込んで聞くのは、この町全体に共通するタブーとなっていた。
しかし彼女は自ら、あっけらかんと言ってのけた。できうる限り、なるべく多くの異種族と交流してみたい、と。
同じような獣人族ばかりの郷里で、この世にいる多くの種族と交流することを望み続けて少女時代を過ごしてきたんだそうだ。書物に綴られた物語を読み解き、広い世界への憧れを募らせて…挙句この現実に向き合った。そしてなおかつ現状を楽しんでいる。彼女のような強さもあるのかと感心したのは傭兵をやめた直後だっただけに、やけに鮮烈に心に残っている。
実際獣人族の彼女から見ると、人間の俺も異種族と言えるわけだし。人生を楽しむためというのも立派に、冒険者になる理由になるのだ。
そうだった、聞き込みを再開させねば。
軽い咳払いと共に俺は言葉を切り出す。盗まれた短剣について、知っている限りを伝えた。少々短絡的な一面もあるが、彼女は口が硬い。続いて、行方不明の鍛冶屋の弟子の事も。
「ふうん、装飾の凝った短剣ねえ…少なくともアタシは見てないよ。てか、いちいち届け先や中身を書いた伝票がついてるから、変な荷物があったら検品の段階でわかるんじゃないの? ああ、でもいつもこんなカオスな状態なら紛れ込む余地も無くはないか。まあ、流石にその弟子くんが密航でもしてたらバレるけどね」
そこまで聞いて、ふと思い出した。そういえばラスファが妙なことを言っていたな。
『どうも強力な魔力の痕跡が気にかかる。もしかしたら、結構な魔力剣だったのかもな』
魔力剣。通常の武器と違って魔力を付与された特殊な剣。時には切れ味を高め、時には合言葉一つで炎を吹き出し、時には亡霊や特定の魔物に対する切り札になりうる。彼は魔力の痕跡から辿ると言って別行動に移ったが、ここに連れてきて視てもらえば手がかりが掴めたかもしれない。ただその場合、マゼンダに捕まって延々とおしゃべりに付き合わされることは避けられないだろうが。
「魔力のこもった品はなかったか?」
神妙な俺の質問に、彼女は嫌そうに鼻先にしわを寄せた。
「魔力の品? あんな危険物、特に警戒されるに決まってんじゃん! 運搬保険だってガチガチだしね。それ以前に、十日前のあの事件があったからね…」
「ああ、そうだったな…」
俺とマゼンダは、揃って遠い目をしながら十日前の惨劇を思い返す。通常の荷物に混じって魔力を帯びた壺が紛れており、何かのはずみで暴走して真っ白な煙を噴き出した事件だ。直接的な被害そのものは微々たるものだったが…吸い込んだ者はしばらく笑いが止まらなくなり、一時的に荷運び場がパニック状態になってしまった。おかげで居合わせた俺も訳がわからないまま、煙の範囲外に這い出した被害者たちを救護班よろしく運び出す作業に駆り出された。結局荷主は保険料その他をケチった魔術師ギルドの研究員だったんだが、大量の菓子折り持参で謝罪に来た研究員に何のための研究資材だったのか猛烈に聴きたくて仕方なかった。魔力が付与された品だからといって、役立つものばかりとは限らないといういい例だ。こういう例が後を絶たないせいで魔力絡みの品が危険物扱いされがちになるのだろう。かくいう俺も、馴染みのないモノにはできれば近づきたくはない。
「まあ、アタシの鼻にかかれば魔力の品なんてすぐに嗅ぎ分けられるけどね!」
「臭いで分かるのか?」
意外な特技だ。驚いた俺に、彼女は得意そうに重そうな胸を張った。
「まあね。獣人族なら大抵持ってる、特有のスキルみたいよ? あの時もパンドール親方に魔力臭い荷物のことを報告に行ったのよね。忠告した瞬間に煙が出てさ。おかげでアタシ、第一被害者よ?」
「それは災難だったな…」
知らなかったが、獣人族の特殊能力ってわけか。とりあえず魔力のかかった荷物と鍛冶屋の弟子について、見つけたら教えてくれと頼んだところで、彼女は上司のパンドール親方に捕まってしまった。ドワーフ族を縦に引き伸ばしたような、色黒で筋骨たくましいガチムチ親父に尻尾掴まれて引っ張られながら「今度おごってね~」と能天気に手を振っている。やれやれ、たくましいもんだ。種族交流か…近いうち知っている異種族を紹介してやろうかな? とは思ったが、止まらないおしゃべりに付き合わせて良さげなのは、ハーフエルフのアーシェだけだ。
結局、めぼしい収穫はなかった。いや、少なくともこの運河から装飾剣が出ていないとわかっただけでも僥倖か。しかし、待ち合わせの時間にはもう少しある。ふと思いつくと、俺は人波に逆らって自警団詰所に足を向ける。ここからはそう遠くないことを思い出した。中間報告にはまだ早いが、生真面目で真っ直ぐすぎる友人が根を詰めていないか心配になったのだ。
日もまだ高いというのに、街のあちこちで乱痴気騒ぎ。昼間から酒場に入り浸る飲めや歌えの観光客は酒臭い息を吐き散らし、地図を手にした観光客は果実水を手に小走りで観光大使のもとに向かう。俺は再来週あたりに回ってくる、持ち回りの自警団の助っ人当番を思うと頭が痛くなった。トラブルなんて、星の数ほどあるだろう…。
目を上げると、いつの間にか俺は被害にあった武器屋の前にいた。無意識に中を覗いてみると、薄暗い店内で見覚えのある純白の騎士鎧がぼんやり浮き上がって
見えるような気がした。まさかな…?
「何度もすまない。あの後に変わったことは無かったか?」
「ちょっと前に、ちぐはぐな三人組が聞き込みに来たくらいだ」
「そうか。彼らは、我々自警団が依頼した冒険者だ。きっとすぐに解決に向けて動いてくれるぞ」
陰気な店主とは対照的な、凛とした声。やはり、ラインハルト。話に夢中で、俺に気づいていないようだ。軽く壁をノックすると、びくりと体ごと振り向いた。ひどくバツが悪そうに俯く。こんな彼を見ることは珍しい。
「すまない。信用していないわけではないのだが…任せっきりというのも自警団員としてどうかと思ってな。居ても立っても居られなかった」
武器屋を出て、比較的人通りのない道を歩きながら彼はうなだれる。彼らしい仕事熱心さだ。だが…。
「ということは、今は休憩時間か?」
俺の問いに、ラインハルトはちいさくうなづいた。やっぱりか。やれやれ、能天気なマゼンダに、爪の垢を飲ませたくなった。同じ休憩時間でも、過ごし方は対照的だ。
「休める時は休まないと、いざという時困るぞ? プロとして、それはまずくないか?」
「解っているが、一度頼られた以上は全力を尽くすのが主義だ。ところで、今一人か?」
「ああ。ラスファは調べ物をしに賢者の院の図書館に行ってる。アーチは、情報屋に会いに盗賊ギルドに…あ」
言ってしまってから、おれは口を押さえた。しまった、彼に『盗賊ギルド』は禁句だった。
「デュエル、友人は選んだほうがいいぞ。盗賊などとつるむのは、どうも感心しない」
「おいおい、大袈裟な。あいつは盗賊といっても遺跡専門で、そこらの泥棒と違うぞ?」
苦笑しつつ返すと、彼は真っ直ぐに俺を睨みつけた。
「私にとってはどちらも同じことだ。盗賊などいなくても、自警団の組織に独自の情報網は存在する。商店への保護料? 必要ない! 自警団の組織力と確たる地盤さえ揃えば、盗賊ギルドなど、すぐにでも排除してやるものを!」
「ラインハルト…」
「それにエルフ族も! 神という概念さえ存在しないとは…。いつかは彼らに、真実の道を示してやらねば!」
「落ち着けよ、ラインハルト」
静かな俺の声かけに、彼は我に返ったらしい。熱くなり過ぎたことに気づくと彼は赤くなりながらさっと俺に背を向けて小さく呟いた。
「すまない、言い過ぎた。…忘れてくれ」
それなりに付き合いが長いからこそわかる。生真面目であるがゆえに融通が利かず、至高神の敬虔な使徒でありたいがゆえに視野が狭まるのだ。確かに彼にとっては、自警団の対極にある盗賊ギルドなど目の上のたんこぶでしかないだろう。だが盗賊ギルドは、ある意味必要悪という側面もある。彼らの厳しい掟が犯罪抑制に一役買っているのだ。
掟に背いた者は、想像を絶する厳しい制裁があるという話は有名だ。至高神だけでなく、盗賊としての掟や流儀で犯罪が抑制されているという事実。それこそが彼にとって許しがたいことなのだろう。世の中、綺麗事だけで治まっているわけではないのが現実だ。俺はラインハルトの肩に軽く手を置いた。思っていたよりもちいさく華奢な肩。その肩に彼は、何を背負っているのだろうか?
「ラインハルト、もう少し視野を広く持ったらどうだ? せっかく世界は広いんだ。視野を広げないと、本当に大切な物も見えなくなるぞ」
「すまない…デュエル」
背を向けたままの、消え入りそうな言葉。俺は、重くなりかけた空気を放り投げるべく言葉を続ける。
「しかしラインハルト…意外と壮大な目標を持ってるんだな。エルフ族に神の教えを説くとは、誰も至ったことのない境地じゃないのか?」
「! そ、それは…!」
勢いよく振り返る彼の頰が朱に染まる。ちなみに、『エルフに神の教えを説く』とは無駄なことを指すことわざだ。そもそも神の概念がないのだから、教えを説いても無駄なことという意味で使われる。彼はその由緒正しいことわざを真っ向から全否定してしまったのだ。さらに『エルフの神官』も、あり得ないものという意味で知られている。
「だから、忘れろ!」
「おいおい、そんな女みたいな声出すなって。…そろそろ本題に戻るが、組織的でなくとも個人的な理由のもとで盗まれたって線は考えられないか?」
俺は今朝の、武器マニアらしい観光客の紳士を思い出した。馬車の床板が歪み、二頭立ての馬が悲鳴をあげるほどに大量の武器レプリカを積んでいたが…例えばあの中に紛れて持ち出せるというなら話は変わってくる。
「観光客の荷物に紛れてか? いや、それも考えづらい」
「どういうことだ?」
「たいていの観光客は、帰り道で大量の荷物を持ち帰ることを嫌う。店などで、届け物を担当する業者が増えたのがその証拠だ。ほとんどの観光客がそこを利用するとなれば、かえって手荷物の多い観光客は怪しくなる。今や、土産ものはほぼ全てが運河を通ることになるからな」
ああ、確かに。帰路につく観光客が大量の荷物を担ぐのを見ることは、あまりなかった。そこまで考えて、俺は今朝の紳士を思い出す。あの可哀想な馬車の紳士。あの場合はどうなるのだろうか?
「今朝、馬車いっぱいの土産物を積んで帰った観光客がいたが?」
俺の問いに、ラインハルトは苦笑する。
「それなら昼前に土産物の重みで馬車と馬が潰れたという救援要請があった。それのことか?」
「おいおい、結局潰れたのか? あの馬…哀れにも程があるな」
「彼も最終的には運河を利用したらしい。だからシロだ」
「道理でいつもより荷物が多かったはずだ…。なら、闇ギルドの冒険者を雇って持ち出させる可能性は?」
闇ギルドとは、金銭次第で非合法な依頼も受け付ける裏の冒険者ギルドのことだ。無論、正規のギルドには所属してはいない。
その問いに、彼は薄く笑った。
「その可能性を考えない我々だと思うのか? 真っ先に外出する冒険者のチェック体制は整えていたのさ。しかし、どれも可能性はゼロじゃ無いからな。出入りする観光客へのチェック体制も強めておこう」
「ああ、助かる」
そこで俺はさらに、行方不明の鍛冶屋の弟子の捜索依頼も合わせて伝えておいた。どちらかというと個人的なことを頼んでしまうのは心苦しかったが、彼の協力は取り付けた。持つべきは、誠実な友だ。ただ、共通の師匠に頼られたのが俺だけだったせいか若干不服そうにしていた。俺から言わせてもらうと多分、暇そうだからという理由が九割以上を閉めると思うんだが。
その時、時計塔の鐘が時を告げた。そろそろ合流しなくては。ラインハルトに別れを告げ、俺は待ち合わせの噴水広場に向かった。
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