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mission 1 俺たち、観光大使じゃない冒険者!
英雄騎士の追憶
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side-ラスファ 4
ラドフォード卿の案内で直前の分かれ道まで戻ると、やや狭い脇道に残る全員が踏み込んだ。最初は話し声が響くという理由で最低限の会話以外は控えていたが、デュエルが別行動を取ったことで明らかに口数が減っている。おかげでさっきまでの広い通路の方が狭く感じるほどだった。
「こっちにも罠があるってことは、連中も二手に分かれたか?」
立ち止まって、アーチが諦め口調で足元を照らす。そこには、さっき見たよりも細い糸が張ってあった。
「…だろうな。さっきの鉄格子も、元からあったものを利用したのかもしれない。逆に言えば、むこうには新たな罠はないということだ」
私の言葉に、ラグが明るくなって賛同する。
「ですよね、デュエルさんは大丈夫です!」
心底から心配していた様子のラグ。その額をアーチはピンと弾いた。
「たりめーだ、ったく。ガキの使いじゃあるまいし、心配しすぎて奴に失礼だろうが」
「え…」
罠の解除にしゃがみこむ奴の言葉の意図を図りかねたのか、戸惑うラグに私が続ける。
「デュエルだって歴戦の元傭兵だ。最低限、生き抜くすべは心得ているはずだ」
「「あ…!」」
アーシェも同じ心境だったらしい。同時に二人が言葉を失う。二人揃って赤くなっているのは、見なかったフリをしてやるか。
『こうしていると、生前の冒険者時代を思い出すな』
ラドフォード卿は、その様子を淡い笑みで見つめてぽつりと呟いた。
『かつては私も、信頼し合う仲間がいた。いがみ合うことも多かったが、それでもいい仲間だった』
彼の目はここではないどこか遠くを見つめていた。今は少年の姿を借りているが、なんとなく今は鎧姿の騎士姿が視える気がする。
『マリーナとは、叶わなかったが将来を誓い合った中で…盗賊のミーシャはいい喧嘩友達。剣士のエミールとは、よく酒を酌み交わした。魔術師のクライブとはよく意見が対立していた』
そこまで語ったラドフォード卿に、罠の解除を終えたアーチがつまらなそうに呟く。
「なんでェ、そんな話してるんじゃ、冒険はもう終わっちまったみてェじゃねぇか」
『終わっているのだよ、五十年前に。今の私は、過去から来たただの亡霊だ』
自嘲するような笑みに、私は今まで伝えていなかったことを思い出した。
「そうだ、思い出した。この事件が終わったら、アンタに会いたいという人がいる。忘れて勝手に昇天したら、私が怒られることになるからな」
『会いたいと言っている人?』
「ああ、だから約束しろ。さっさと昇天されたら恨むからな」
『それは怖いな。しかたない、それなら昇天はすこしさきにみおくることにしよう』
自嘲の笑みが苦笑へと色を変える。それを見て、アーシェがいきなり吹き出した。
「どうでもいいけどさ、今のレオンの姿だと会話の内容とのギャップがちょっと変だよ?」
『確かにそれは違いない』
英雄騎士が、その時初めて笑い声を立てた。
ラドフォード卿の案内で直前の分かれ道まで戻ると、やや狭い脇道に残る全員が踏み込んだ。最初は話し声が響くという理由で最低限の会話以外は控えていたが、デュエルが別行動を取ったことで明らかに口数が減っている。おかげでさっきまでの広い通路の方が狭く感じるほどだった。
「こっちにも罠があるってことは、連中も二手に分かれたか?」
立ち止まって、アーチが諦め口調で足元を照らす。そこには、さっき見たよりも細い糸が張ってあった。
「…だろうな。さっきの鉄格子も、元からあったものを利用したのかもしれない。逆に言えば、むこうには新たな罠はないということだ」
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「え…」
罠の解除にしゃがみこむ奴の言葉の意図を図りかねたのか、戸惑うラグに私が続ける。
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「「あ…!」」
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『かつては私も、信頼し合う仲間がいた。いがみ合うことも多かったが、それでもいい仲間だった』
彼の目はここではないどこか遠くを見つめていた。今は少年の姿を借りているが、なんとなく今は鎧姿の騎士姿が視える気がする。
『マリーナとは、叶わなかったが将来を誓い合った中で…盗賊のミーシャはいい喧嘩友達。剣士のエミールとは、よく酒を酌み交わした。魔術師のクライブとはよく意見が対立していた』
そこまで語ったラドフォード卿に、罠の解除を終えたアーチがつまらなそうに呟く。
「なんでェ、そんな話してるんじゃ、冒険はもう終わっちまったみてェじゃねぇか」
『終わっているのだよ、五十年前に。今の私は、過去から来たただの亡霊だ』
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「そうだ、思い出した。この事件が終わったら、アンタに会いたいという人がいる。忘れて勝手に昇天したら、私が怒られることになるからな」
『会いたいと言っている人?』
「ああ、だから約束しろ。さっさと昇天されたら恨むからな」
『それは怖いな。しかたない、それなら昇天はすこしさきにみおくることにしよう』
自嘲の笑みが苦笑へと色を変える。それを見て、アーシェがいきなり吹き出した。
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『確かにそれは違いない』
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