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short mission 1 〜受難の白銀亭〜
午後の作戦会議
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side-デュエル 3
「このミルフィーユ、最高!」
「ねー、確かにこれは悪魔だわ!」
「ヤバいわ~、太ってもいいからお代わりしたい!」
あの後。
なんとか落ち着いて白銀亭の営業は再開された。そして現在魔術師見習いの女子は『悪魔のミルフィーユ』に舌鼓を打っていた。
「そういや知ってる? あの問題児、退学させられたんだって!」
彼女たちの話題は、学校内の噂に切り替わった。あまり感心しないが、たまにならいいんじゃないだろうか?
「え、問題児ってあのグルカ・コーズ? まだ学院に残ってたんだ!」
「とっくにいなくなったと思ってたんだけど、面倒見きれなくなったって聞いたよ」
「ついに禁断の呪いに手を出したって言ってた。それでついに…だって」
その会話を聞いて、キャベツを刻んでいたラスファの動きがピタリと止まった。ふと目を上げた俺と視線を見交わす。
「その話…聞かせてもらえないか、詳しく」
すかさず話を聞きに行った彼が手にした銀盆の上には、数種類の試作品が載っている。その時、白銀亭には歓声と悲鳴が沸き起こったという。
「グルカ・コースっていうのは、魔術師ギルドいちの問題児として有名だった奴よ。あ、そのムース美味しそう!」
「魔術を悪用して好き放題に稼いでいたみたい…あたし、そっちのタルトお願い!」
「そうそう、金儲けに執着してたって聞いてたけど…じゃあ、あたしはそのチーズケーキ!」
忙しなく少女たちの口とフォークが動き出した。スイーツを目の前にした女子たちは、どこか魚を出された猫に似ている。アーシェは自分も食べながら「あんまり食べると、知らないよ?」と小声でつぶやくが、誰一人聞いちゃいない。明日あたり体重を測って、揃って悲鳴をあげることになるのだろうか? そこまで考えて俺は『悪魔のスイーツ』という呼び名に納得した。なるほど、穿った呼び名だ。
「んでね、才能があっただけに学長が惜しんでたのよ」
「それをいいことに好き放題していたから大変だったの」
「何度か備品がなくなった事件があったけど、もしかしたらって…」
「元々、壊滅させられたどっかの盗賊団の遺児だったって言ってたっけ。血は争えないのかしら?」
聞けば聞くほど、ロクなやつじゃなさそうだ。いくら才能があったとしても、悪用ばかり考えていたら救いようがない。
そこまで考えてふと、俺は思い悩んだ。たとえ捕まえたとしても、魔術師の能力が残っているとしたら…いくらでも逃げられるのではないか?
その疑念を伝えると『情報屋』ことコギーと名乗った少女は表情を曇らせた。
「うん…そのことなんだけどね。なくはないのよ、魔術を封じる方法って…」
その答えにアーシェとラグは、意外そうに目を見交わした。コギーは知っている様子だが、あまり一般的ではない方法のようだ。さすがは情報屋と呼ばれるだけのことはある。
「えと…それなら、逃げられないようにできる方法はあるのね?」
「うん…だけど、かなりえげつない方法だから誰もやりたがらないだろうな、って」
ふむ。できればその方法を適用する前に、更生してくれればということだろうか。とりあえず、最悪の事態を想定する準備は不要らしい。
「まあ、慌てずともすぐに姿を見せることは確定なんだ。それまでに逃さないように罠を張っておこう。魔術師なら幾重にも罠を張っておいて損はないだろうし」
ラスファが冷静に戦略を練る。アーチの盗賊的な罠とラスファの狩人的な罠が本気で仕掛けられるのか。俺の出る幕はなさそうだ。
「このミルフィーユ、最高!」
「ねー、確かにこれは悪魔だわ!」
「ヤバいわ~、太ってもいいからお代わりしたい!」
あの後。
なんとか落ち着いて白銀亭の営業は再開された。そして現在魔術師見習いの女子は『悪魔のミルフィーユ』に舌鼓を打っていた。
「そういや知ってる? あの問題児、退学させられたんだって!」
彼女たちの話題は、学校内の噂に切り替わった。あまり感心しないが、たまにならいいんじゃないだろうか?
「え、問題児ってあのグルカ・コーズ? まだ学院に残ってたんだ!」
「とっくにいなくなったと思ってたんだけど、面倒見きれなくなったって聞いたよ」
「ついに禁断の呪いに手を出したって言ってた。それでついに…だって」
その会話を聞いて、キャベツを刻んでいたラスファの動きがピタリと止まった。ふと目を上げた俺と視線を見交わす。
「その話…聞かせてもらえないか、詳しく」
すかさず話を聞きに行った彼が手にした銀盆の上には、数種類の試作品が載っている。その時、白銀亭には歓声と悲鳴が沸き起こったという。
「グルカ・コースっていうのは、魔術師ギルドいちの問題児として有名だった奴よ。あ、そのムース美味しそう!」
「魔術を悪用して好き放題に稼いでいたみたい…あたし、そっちのタルトお願い!」
「そうそう、金儲けに執着してたって聞いてたけど…じゃあ、あたしはそのチーズケーキ!」
忙しなく少女たちの口とフォークが動き出した。スイーツを目の前にした女子たちは、どこか魚を出された猫に似ている。アーシェは自分も食べながら「あんまり食べると、知らないよ?」と小声でつぶやくが、誰一人聞いちゃいない。明日あたり体重を測って、揃って悲鳴をあげることになるのだろうか? そこまで考えて俺は『悪魔のスイーツ』という呼び名に納得した。なるほど、穿った呼び名だ。
「んでね、才能があっただけに学長が惜しんでたのよ」
「それをいいことに好き放題していたから大変だったの」
「何度か備品がなくなった事件があったけど、もしかしたらって…」
「元々、壊滅させられたどっかの盗賊団の遺児だったって言ってたっけ。血は争えないのかしら?」
聞けば聞くほど、ロクなやつじゃなさそうだ。いくら才能があったとしても、悪用ばかり考えていたら救いようがない。
そこまで考えてふと、俺は思い悩んだ。たとえ捕まえたとしても、魔術師の能力が残っているとしたら…いくらでも逃げられるのではないか?
その疑念を伝えると『情報屋』ことコギーと名乗った少女は表情を曇らせた。
「うん…そのことなんだけどね。なくはないのよ、魔術を封じる方法って…」
その答えにアーシェとラグは、意外そうに目を見交わした。コギーは知っている様子だが、あまり一般的ではない方法のようだ。さすがは情報屋と呼ばれるだけのことはある。
「えと…それなら、逃げられないようにできる方法はあるのね?」
「うん…だけど、かなりえげつない方法だから誰もやりたがらないだろうな、って」
ふむ。できればその方法を適用する前に、更生してくれればということだろうか。とりあえず、最悪の事態を想定する準備は不要らしい。
「まあ、慌てずともすぐに姿を見せることは確定なんだ。それまでに逃さないように罠を張っておこう。魔術師なら幾重にも罠を張っておいて損はないだろうし」
ラスファが冷静に戦略を練る。アーチの盗賊的な罠とラスファの狩人的な罠が本気で仕掛けられるのか。俺の出る幕はなさそうだ。
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