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short mission 1 〜受難の白銀亭〜
鳥肌モンの因果応報
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Side-アーチ 3
ニヤリと笑う魔女に、オレたちは警戒を深める。すると女は何事か呪文を唱えた。ヤベェ!
奴の手元にある杖の先にゃ、火の玉が浮かび上がった。アーシェが使うものよりももっとデケェ! なりふり構わずにこの店を破壊して逃げるつもりらしい。勝ち誇ったように上がる高笑い。オレは背後にいるアーシェに助けを求めるように目線を合わせて問う。
「無理! グルカ・コーズは見習いのあたしよりもレベル高いもん!」
「なにいいいいい!? どーすんだよ、おい?!」
もちろん、オレだって古代語魔法は使えねぇ。万事休すかと思われた時だった。
「『解呪』!」
奥の厨房から、凛とした声が響き渡った。人の頭ほどの大きさだった火球が、何事もなかったように搔き消える。
一体、誰が…? まさか、厨房エルフか? 古代語魔法が使えるって話は聞いたことねぇぞ?
「…いい度胸してるじゃないか…?」
抑えた怒りの声。杖を携えて奥から現れたのは、白銀亭の女将だった。
「女将さん!?」
「あたしの店を燃やそうとしたね…?」
おおう…おっかねぇ。口元は笑っちゃいたが、目は笑ってねぇ。そうだ、女将も元は冒険者だった!
「今まで狙ったのは、一般人の店ばかり。冒険者の店に狙いをつけたのが、あんたの運の尽きだよ! ラスファ!」
「おう!」
魔女の背後にデュエルとともに姿を消していたラスファの姿が現れた。なるほど、こいつは女将が魔術師だってことを知ってたから動じなかったってわけか。
デュエルが後ろからグルカ・コーズを抱きしめる形で捕まえる。ラスファがそのまま杖をもぎ取ると、放り捨てた。
「よっしゃ、捕まえた!」
思わず声を上げるオレ。グルカ・コーズは身じろぎするがデュエルの腕はとても振りほどけるもんじゃねぇ。
「離せ、離せ!」
めちゃくちゃに暴れもがいて振りほどこうとするが、その腕は一切ゆるまねぇ。だが…デュエルの表情が怪訝なものに変わった。
「え、あれ? おまえ、まさか…」
その一瞬の隙を、彼女は見逃さなかった。デュエルの腕からするりと抜け出ると、予備の杖を取り出して構える。
「何やってやがんだデュエル!」
「いや…こいつ、男だ…」
「はああ!?」
いや確かにこいつの性別は誰も言及しなかったが、まさかの男かよ!
「騙される方が悪いんだよ! 女のカッコの方が、色々とやりやすい事が多いんでね!」
「偉そうに抜かすな! やってることのみみっちさの割に、捨ててるモンがデカすぎだろうが!」
オレのツッコミに、その場の全員が深々と頷く。
「やかましい!!」
ヤツは杖を振りかざして呪文を使おうとする。その時だった。
「嫌ああああああ!」
裏口を守っていたラインハルトが、悲鳴をあげつつこっちに向かってきた。引きはがそうと振り回すその手には、ネズミとり用に仕掛けていたベタベタのシートがひっついている。そして、そのシートには…。
ヤツについた呪いのせいだろう不気味な虫が、びっしりとひっついていた。
「ちょ、や、来るなあああっ!?」
抵抗も虚しくその虫がビッシリひっついたシートは…。
通り抜けざまで見事にグルカ・コースの顔面に張り付いちまった。
「嫌ああああぁっぁぁああ! キモいキモいキモい!」
…なんだこのカオス?
そのまま白目むいてひっくり返ったグルカ・コースは、丁寧に荷造りされて自警団の詰所にお持ち帰りが決定となった。盗賊ギルドにゃ持ち帰れとまでは言われてねぇし、ティンクも納得するんでねぇの?
後で聞いたが、どうもヤツは壊滅させられた親父の盗賊団を復活させようとしていたらしい。今回のことで特待生扱いしていた魔術師ギルドもようやく諦めがついたのか、魔法封じの処理を施して退学させることとなった。ほうぼうでやらかした悪事の補償には、ヤツ自身が溜め込んでいたお宝が当てられることになったそうだ。
「これで平和が戻るわねー」
「魔術師って、ただでさえ偏見が多いからね。こんな奴のために魔術師全体の評価が下がるとか、ないわー」
オレは、最後にもう一つ残った疑問をぶつけてみた。
「なあおい…魔術封じって話で、嫌な顔してたが…具体的にゃどうすんだ?」
その疑問に『情報屋』コギーが渋々答える。どうもこいつ、初めてあった気がしねぇんだよな。どっかの誰かと雰囲気が似てて苦手だ。
「んー…背中一面に魔封じの紋様を刺青で刻むの。女の子だったら可哀想だって思ってたけど、やってた事がことだし男だったし。誰ももう同情なんてしないでしょうね」
「…ほほー、シビアなことで」
まあ確かにそれにゃオレも納得はいったがね。あんだけの魔術を悪用されちまったら盗賊ギルドとしても歓迎はできねぇ。因果応報って奴だな。しばらく虫に関してもトラウマが残りそうだしよ♪
とにかくこれで女難の呪いは解けた。もう禁欲生活はごめんだ。今夜は朝までナンパに明け暮れちまおっと♪
さあ、夜の街に繰り出すとするかね!
ニヤリと笑う魔女に、オレたちは警戒を深める。すると女は何事か呪文を唱えた。ヤベェ!
奴の手元にある杖の先にゃ、火の玉が浮かび上がった。アーシェが使うものよりももっとデケェ! なりふり構わずにこの店を破壊して逃げるつもりらしい。勝ち誇ったように上がる高笑い。オレは背後にいるアーシェに助けを求めるように目線を合わせて問う。
「無理! グルカ・コーズは見習いのあたしよりもレベル高いもん!」
「なにいいいいい!? どーすんだよ、おい?!」
もちろん、オレだって古代語魔法は使えねぇ。万事休すかと思われた時だった。
「『解呪』!」
奥の厨房から、凛とした声が響き渡った。人の頭ほどの大きさだった火球が、何事もなかったように搔き消える。
一体、誰が…? まさか、厨房エルフか? 古代語魔法が使えるって話は聞いたことねぇぞ?
「…いい度胸してるじゃないか…?」
抑えた怒りの声。杖を携えて奥から現れたのは、白銀亭の女将だった。
「女将さん!?」
「あたしの店を燃やそうとしたね…?」
おおう…おっかねぇ。口元は笑っちゃいたが、目は笑ってねぇ。そうだ、女将も元は冒険者だった!
「今まで狙ったのは、一般人の店ばかり。冒険者の店に狙いをつけたのが、あんたの運の尽きだよ! ラスファ!」
「おう!」
魔女の背後にデュエルとともに姿を消していたラスファの姿が現れた。なるほど、こいつは女将が魔術師だってことを知ってたから動じなかったってわけか。
デュエルが後ろからグルカ・コーズを抱きしめる形で捕まえる。ラスファがそのまま杖をもぎ取ると、放り捨てた。
「よっしゃ、捕まえた!」
思わず声を上げるオレ。グルカ・コーズは身じろぎするがデュエルの腕はとても振りほどけるもんじゃねぇ。
「離せ、離せ!」
めちゃくちゃに暴れもがいて振りほどこうとするが、その腕は一切ゆるまねぇ。だが…デュエルの表情が怪訝なものに変わった。
「え、あれ? おまえ、まさか…」
その一瞬の隙を、彼女は見逃さなかった。デュエルの腕からするりと抜け出ると、予備の杖を取り出して構える。
「何やってやがんだデュエル!」
「いや…こいつ、男だ…」
「はああ!?」
いや確かにこいつの性別は誰も言及しなかったが、まさかの男かよ!
「騙される方が悪いんだよ! 女のカッコの方が、色々とやりやすい事が多いんでね!」
「偉そうに抜かすな! やってることのみみっちさの割に、捨ててるモンがデカすぎだろうが!」
オレのツッコミに、その場の全員が深々と頷く。
「やかましい!!」
ヤツは杖を振りかざして呪文を使おうとする。その時だった。
「嫌ああああああ!」
裏口を守っていたラインハルトが、悲鳴をあげつつこっちに向かってきた。引きはがそうと振り回すその手には、ネズミとり用に仕掛けていたベタベタのシートがひっついている。そして、そのシートには…。
ヤツについた呪いのせいだろう不気味な虫が、びっしりとひっついていた。
「ちょ、や、来るなあああっ!?」
抵抗も虚しくその虫がビッシリひっついたシートは…。
通り抜けざまで見事にグルカ・コースの顔面に張り付いちまった。
「嫌ああああぁっぁぁああ! キモいキモいキモい!」
…なんだこのカオス?
そのまま白目むいてひっくり返ったグルカ・コースは、丁寧に荷造りされて自警団の詰所にお持ち帰りが決定となった。盗賊ギルドにゃ持ち帰れとまでは言われてねぇし、ティンクも納得するんでねぇの?
後で聞いたが、どうもヤツは壊滅させられた親父の盗賊団を復活させようとしていたらしい。今回のことで特待生扱いしていた魔術師ギルドもようやく諦めがついたのか、魔法封じの処理を施して退学させることとなった。ほうぼうでやらかした悪事の補償には、ヤツ自身が溜め込んでいたお宝が当てられることになったそうだ。
「これで平和が戻るわねー」
「魔術師って、ただでさえ偏見が多いからね。こんな奴のために魔術師全体の評価が下がるとか、ないわー」
オレは、最後にもう一つ残った疑問をぶつけてみた。
「なあおい…魔術封じって話で、嫌な顔してたが…具体的にゃどうすんだ?」
その疑問に『情報屋』コギーが渋々答える。どうもこいつ、初めてあった気がしねぇんだよな。どっかの誰かと雰囲気が似てて苦手だ。
「んー…背中一面に魔封じの紋様を刺青で刻むの。女の子だったら可哀想だって思ってたけど、やってた事がことだし男だったし。誰ももう同情なんてしないでしょうね」
「…ほほー、シビアなことで」
まあ確かにそれにゃオレも納得はいったがね。あんだけの魔術を悪用されちまったら盗賊ギルドとしても歓迎はできねぇ。因果応報って奴だな。しばらく虫に関してもトラウマが残りそうだしよ♪
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