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mission 3 祝祭の神様
善意と悪意
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Side-アーチ 5
ライラが連行されちまった、その後で。
オレらはオレらで頭をひねっていた。何しろ、消えたはずの宝珠が一つ出てきちまったんだからな。犯人の目的がこれっぽっちも読めやしねぇ。わざわざ辺鄙な神殿から盗み出させておいて、なんでセラの部屋に返却するような真似をするのか?
「セラに、罪でも着せたいのかねぇ?」
オレの疑問に、マイルスが言葉を返した。
「そんなはずは…。聖女候補のセラ様に宝珠盗難の罪を着せる意味がわかりません」
「意味なんぞ、端っからねぇかもよ?」
ポツリと呟く推理に、全員がオレに向き直る。
「ん? いや、だから…意味なんぞない、単なる嫌がらせってこともあるんでないかい?」
なんたって、さっき女どもの陰湿さを見ちまった後だ。考えたくはねぇが、十分あり得る話じゃないか?
「ただな…それが正解だとすると、嫌がらせのきっかけになったっつー動機ってやつが絡んでくるんだよな?」
十分な動機。あの女がやったことだとしても、どんな動機があったかってことが争点になるだろうよ。
とりあえずオレらは作戦会議ってことで、デュエルに割り当てられた部屋に集まっていた。こういう時って、何でかデュエルの部屋に集まるのが通例になっちまってるな。…まあいいや。
「何というか、聖女のイメージが根こそぎ崩れちまったな…。何だよここの女ども?」
ぼやきつつオレは手近なイスに乱暴に腰掛けた。「聖女っていや、せめてもうちっとこう…何つーか…いい女が候補に上がるもんじゃねぇの? ここにゃ嫌な女のエッセンスを煮詰めたような女ばっか。口説く気にもなりゃしねぇ」
誤解されがちだが見境なしって思われてるかもだが、オレだってその点ちゃんと選んでるんだぜ?
「アーシェとラグを連れてなくて良かったな。なんとなくアレは見せたくない」
そう言いながら、ラスファがため息をついた。まあ同意。反面教師以外にためになる要素が見つからねぇ…教育的によろしくないわな。
通常は女の園を見る機会なんぞありゃしねぇが、二度と見る気がしなくなった。男の前じゃ大抵、取り繕うもんだと思ったんだが…その余裕もなかったらしい。
「聖女候補の選考が動機か? でもなあ…」
そのうち、デュエルがポツリとこぼした。だが言った本人が一番に疑問を持ってどうすんだよ?
「聖女候補の選考でか? 女神だっているというのに、その面前でこんなことを?」
ブツブツ言うデュエル。それにラスファが乗っかってきた。
「女神がいるからこそかもしれんぞ。普段からあの調子なら、盛大に恥をかかせてやろうとか…」
「ラスファ…お前まで」
「いいか? 人の善意には限りがある。だが、人の悪意には果てがない。その最たるものが殺し合いや戦争だ。デュエルも戦場で見てきたんじゃないのか? 人の世で見るものは、必ずしも良いものばかりではない。時には人そのものが嫌になるようなものだって見ることはある…」
その言葉に、オレは返す言葉を持たなかった。確かにその通りだ。何かを思い出すように俯くデュエル。オレは天井を仰ぎながら大きく息をついた。
「…違いねぇ」
誰もが見る、人の業。誰もが一度は目の当たりにするであろうそれは、時に人の人生や心を歪ませる。形は違えど、オレらはそれを知っていた。デュエルは戦場で、ラスファは種族差別という形で。オレだってそりゃ…なくはねぇわな。
だが、事態は思わぬ方面に展開を見せた。
あのライラとかいう女は下手くそな魔法陣での嫌がらせは認めたが、宝珠の方が覚えがねぇと言って否定しやがったのだ。
なんてこった…ってことはやっぱ、外部犯の可能性も考えにゃならんのか? 面倒なことになっちまったなぁ…。
とりあえずは、周辺の聞き込みや状況証拠を固めるしかねぇよな?
…もうちっと楽な仕事かと思ったんだがね?
ライラが連行されちまった、その後で。
オレらはオレらで頭をひねっていた。何しろ、消えたはずの宝珠が一つ出てきちまったんだからな。犯人の目的がこれっぽっちも読めやしねぇ。わざわざ辺鄙な神殿から盗み出させておいて、なんでセラの部屋に返却するような真似をするのか?
「セラに、罪でも着せたいのかねぇ?」
オレの疑問に、マイルスが言葉を返した。
「そんなはずは…。聖女候補のセラ様に宝珠盗難の罪を着せる意味がわかりません」
「意味なんぞ、端っからねぇかもよ?」
ポツリと呟く推理に、全員がオレに向き直る。
「ん? いや、だから…意味なんぞない、単なる嫌がらせってこともあるんでないかい?」
なんたって、さっき女どもの陰湿さを見ちまった後だ。考えたくはねぇが、十分あり得る話じゃないか?
「ただな…それが正解だとすると、嫌がらせのきっかけになったっつー動機ってやつが絡んでくるんだよな?」
十分な動機。あの女がやったことだとしても、どんな動機があったかってことが争点になるだろうよ。
とりあえずオレらは作戦会議ってことで、デュエルに割り当てられた部屋に集まっていた。こういう時って、何でかデュエルの部屋に集まるのが通例になっちまってるな。…まあいいや。
「何というか、聖女のイメージが根こそぎ崩れちまったな…。何だよここの女ども?」
ぼやきつつオレは手近なイスに乱暴に腰掛けた。「聖女っていや、せめてもうちっとこう…何つーか…いい女が候補に上がるもんじゃねぇの? ここにゃ嫌な女のエッセンスを煮詰めたような女ばっか。口説く気にもなりゃしねぇ」
誤解されがちだが見境なしって思われてるかもだが、オレだってその点ちゃんと選んでるんだぜ?
「アーシェとラグを連れてなくて良かったな。なんとなくアレは見せたくない」
そう言いながら、ラスファがため息をついた。まあ同意。反面教師以外にためになる要素が見つからねぇ…教育的によろしくないわな。
通常は女の園を見る機会なんぞありゃしねぇが、二度と見る気がしなくなった。男の前じゃ大抵、取り繕うもんだと思ったんだが…その余裕もなかったらしい。
「聖女候補の選考が動機か? でもなあ…」
そのうち、デュエルがポツリとこぼした。だが言った本人が一番に疑問を持ってどうすんだよ?
「聖女候補の選考でか? 女神だっているというのに、その面前でこんなことを?」
ブツブツ言うデュエル。それにラスファが乗っかってきた。
「女神がいるからこそかもしれんぞ。普段からあの調子なら、盛大に恥をかかせてやろうとか…」
「ラスファ…お前まで」
「いいか? 人の善意には限りがある。だが、人の悪意には果てがない。その最たるものが殺し合いや戦争だ。デュエルも戦場で見てきたんじゃないのか? 人の世で見るものは、必ずしも良いものばかりではない。時には人そのものが嫌になるようなものだって見ることはある…」
その言葉に、オレは返す言葉を持たなかった。確かにその通りだ。何かを思い出すように俯くデュエル。オレは天井を仰ぎながら大きく息をついた。
「…違いねぇ」
誰もが見る、人の業。誰もが一度は目の当たりにするであろうそれは、時に人の人生や心を歪ませる。形は違えど、オレらはそれを知っていた。デュエルは戦場で、ラスファは種族差別という形で。オレだってそりゃ…なくはねぇわな。
だが、事態は思わぬ方面に展開を見せた。
あのライラとかいう女は下手くそな魔法陣での嫌がらせは認めたが、宝珠の方が覚えがねぇと言って否定しやがったのだ。
なんてこった…ってことはやっぱ、外部犯の可能性も考えにゃならんのか? 面倒なことになっちまったなぁ…。
とりあえずは、周辺の聞き込みや状況証拠を固めるしかねぇよな?
…もうちっと楽な仕事かと思ったんだがね?
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