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第三章 「すべては竜神様の御心に」
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先に足を動かしたのはウインだった。
続いてブリーゲル、そして兵士たちも、道にまとまって倒れている男たちに詰め寄る。
「何をしたの? まるで瞬間移動だったよ」
君は一体何者なんだ?
「まぁ、いろいろとね……」
ウインが尋ねるけれど、ヒカルははぐかした。
何が起こったのか。それは知らぬ間に捕らえられた男たちも同じ考えだった。
首尾よく兵士たちを囲み、毒矢を吹き付ける。なのに、気がつけば道の真ん中に尻餅をついていて、奇妙な格好をした青年に剣先を突きつけられている。
「た、助けてくれ」
「俺たちはただの山賊だ」
「もう悪さはしねえ……見逃してください」
気づけば、武器も取り上げられている。これでは為す術がないではないか。
「命乞いは無用。誰に雇われたか教えろ。さすれば逃してやる」
ブリーゲルも詰め寄る。彼の持つ立派な装飾の剣は、山賊たちを脅すには充分だ。
習って、兵士たちも各々の剣先を向けて、山賊たちを囲む。形勢逆転だ。一人、自分の剣が無くなっていることに慌てる兵士がいたけれども。
「だから、わしらはただの山賊なんだ。通りすがりのあんたらを襲って、足しにしたかっただけなんです」
「本当か?」
「嘘は申しておりません!」
今にも泣きそうに震える山賊たち。ブリーゲルは、そんな彼らを睨み付けながらウインを呼ぶ。
「はかってくれ」
「いいのですか?」
「構わん」
ブリーゲルが剣を納めると、ニヤリ、と不気味な笑みで見下ろし、身を震わせる山賊たちを目で数えた。
「一〇回分の機会はあるからな」
ウインが「はい」と頷くと、兵士二人が、一人の山賊を引っ張り出して両側から押さえつける。身動きが取れないように。逃げたくも逃げられないように。
ウインはその男の前にしゃがみこむと、目を閉じ、ぴとり、と男の額に手を当てる。
ジャラリ、と高い音がした。
その様子を見ていたヒカルは、自分も同じ事をされたと思い出した。
「嘘偽りなく答えろ。雇い主はいるのか? いないのか?」
目を閉じたまま、ウインは静かに問いかける。額に手を当てられた男は、何をされるのか分からない恐怖に怯え、涙目になっていた。
「い……いません」
ウインではなく、震える男の方ばかりをヒカルは見ていた。
彼らは嘘をついている。
それはヒカルだって薄々と気がついていた。ブリーゲルの言葉も引っかかって、この男の虚言がどのような結果に終わるのか。
いや――牢屋に閉じ込められていた時、自分が嘘を言っていたらどうなっていたのかを確かめるために。
ぼうっ、と男の額に当てたウインの手が光る。同時に、ジリジリ、と音がして薄い煙が上がった。
「熱い!」
叫び声をあげる男。顔を背けようにも、兵士たちに押さえつけられている。
「もう一度聞く。雇い主はいるのか?」
「熱い! 熱い!」
かつては賑やかだった街道に、男の悲痛な叫び声だけが響く。ヒカルは思わず目を背けた。
煙はいよいよ大きくなり、やがて、男は声を出さなくなった。
涙を流し、口から泡を吹いた男の首が垂れた。気を失い、抱えていた兵士たちも力を抜いた。
地面に倒れこんだ男の顔が、ちょうどヒカルの視界に入る。苦悶の表情のまま、その額には、真っ赤な掌のやけど跡が残っていた。
「さて」
ウインが立ち上がると、一連の悲劇に肩を抱き合う山賊たちを見下ろして言った。「次は誰にしようかな」
冷たい非情の声が、ヒカルにはまるで鬼のように聞こえた。
結局、二人目の男が素直にすべてを喋ってくれた。
一行を襲った山賊たち。彼らを雇ったのは、「ノリータ」といって、オルストンに勝るとも劣らない都市であった。
国盗り合戦にて、オルストンと戦った都市のひとつらしい。今では、オルストンと手を組み、「共和国」として、竜討伐の運動が盛んなのだとか。
「ノリータは、鱗の襲撃に合って以来、さらに討伐の運動が活発になったんだ」
ヒカルに夕飯のスープを持ってきたウインが、例のごとくこの世界のことを教えてくれた。
今宵、街灯沿いにある天井の抜けた廃墟で、一行は火を焚いた。
山賊たちを脅し、情報を搾り取ったころには、長くて深い影が街道に伸びていたのだ。
山賊は解放した。「目的の一行は確かに撃ち取った」とノリータに嘘の申告をさせるためにだ。
もちろん、嘘の嘘をつかせることがないように、ウインは山賊たち一人一人にまじないをした。いまだに気を失っていた山賊のおかげで、おまじないの効果はしっかりと彼らの心に深い杭を打つことが出来たであろう。
これも時間稼ぎに過ぎないのだろうけれども。
「本当に、君はいったい何者なんだ?」
隣で一緒にスープを啜るウイン。ヒカルは、時間を止めたことは秘密にしたままであった。
ウインに見つからないように、ヒカルは腰に着けた黄金の懐中時計をそっとなぞる。こいつの秘密を打ち明けて良いものなのか。
「さあね……。自分でも分からないよ」
自分がいったい何者なのか? なぜこの世界の来ることが出来たのか?
腰を据えて考える暇が無かったからこそ、ヒカルはウインの問いかけに、それ以上の謎を自分の頭のなかに生んでしまった。
「記憶を無くしてしまうとは、大変なことなんだね」
記憶を失った哀れな青年――。ウインにとって、ヒカルはその程度の存在に過ぎなかった。だからこそ、ウインはヒカルの面倒を見てやった。この世界のことも、丁寧に教えてくれた。
面倒見の良い性分もあるけれど、一番はヒカル自身に興味があったのだろう。
だが、今は違う。技術者と自ら名乗り、さらには不可思議な業を使って襲撃から救ってくれた。哀れな対象が、得たいの知れない、恐怖と言ってもよい存在になりつつあった。
記憶を無くしただけではない。きっと大きな秘密をもっているはずだ、と。
「ウインこそ、山賊たちに何をしたのさ? 俺にもやったよね?」
ヒカルは自分の額に手を当てて、ウインの真似事をして見せた。
「ああ、魔法の一つさ。その者自身の心に問いかけるんだ。嘘を着いたらお仕置きしますよ、ってね」
ウインの意地悪な顔を見て、ヒカルは苦笑いを浮かべた。自分があの時嘘をついていたら、あの山賊みたいになっていたのか、と。
「簡単な応用だね」
「応用?」
「そうだよ。技術者である君には申し遅れてしまったけれど、実を言うと僕は――」
――ウイン様!
一人の兵士が二人に声をかけた。
「隊長がお呼びです」
「そうか……」
続きはまた今度ね。
そう言い残すと、ウインは兵士に連れられて、廃墟を出ていった。
天井がないから、今夜も綺麗な月明かりが落ちてきてくれる。
廃墟の中には数人の兵士が毛布を被って寝息を立てていた。残りは見張りと偵察。自分たちの順番が回ってくるまで、束の間の休憩なのだろう。
そんな彼らの中で、焚き火に照らされたカリンダを見つけた。リオンと同じ、黄金竜と意志疎通が出来る黄色い目をした少女だ。
気がつけば、ヒカルはカリンダの隣に立っていた。
「隣、座ってもいい?」
無視……。
関わらない方が良いよ、というウインの言葉を思い出す。
カリンダは、まるでヒカルなんて居ない者のように、ただ目の前の火を見つめていた。
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「まぁ、いろいろとね……」
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ブリーゲルも詰め寄る。彼の持つ立派な装飾の剣は、山賊たちを脅すには充分だ。
習って、兵士たちも各々の剣先を向けて、山賊たちを囲む。形勢逆転だ。一人、自分の剣が無くなっていることに慌てる兵士がいたけれども。
「だから、わしらはただの山賊なんだ。通りすがりのあんたらを襲って、足しにしたかっただけなんです」
「本当か?」
「嘘は申しておりません!」
今にも泣きそうに震える山賊たち。ブリーゲルは、そんな彼らを睨み付けながらウインを呼ぶ。
「はかってくれ」
「いいのですか?」
「構わん」
ブリーゲルが剣を納めると、ニヤリ、と不気味な笑みで見下ろし、身を震わせる山賊たちを目で数えた。
「一〇回分の機会はあるからな」
ウインが「はい」と頷くと、兵士二人が、一人の山賊を引っ張り出して両側から押さえつける。身動きが取れないように。逃げたくも逃げられないように。
ウインはその男の前にしゃがみこむと、目を閉じ、ぴとり、と男の額に手を当てる。
ジャラリ、と高い音がした。
その様子を見ていたヒカルは、自分も同じ事をされたと思い出した。
「嘘偽りなく答えろ。雇い主はいるのか? いないのか?」
目を閉じたまま、ウインは静かに問いかける。額に手を当てられた男は、何をされるのか分からない恐怖に怯え、涙目になっていた。
「い……いません」
ウインではなく、震える男の方ばかりをヒカルは見ていた。
彼らは嘘をついている。
それはヒカルだって薄々と気がついていた。ブリーゲルの言葉も引っかかって、この男の虚言がどのような結果に終わるのか。
いや――牢屋に閉じ込められていた時、自分が嘘を言っていたらどうなっていたのかを確かめるために。
ぼうっ、と男の額に当てたウインの手が光る。同時に、ジリジリ、と音がして薄い煙が上がった。
「熱い!」
叫び声をあげる男。顔を背けようにも、兵士たちに押さえつけられている。
「もう一度聞く。雇い主はいるのか?」
「熱い! 熱い!」
かつては賑やかだった街道に、男の悲痛な叫び声だけが響く。ヒカルは思わず目を背けた。
煙はいよいよ大きくなり、やがて、男は声を出さなくなった。
涙を流し、口から泡を吹いた男の首が垂れた。気を失い、抱えていた兵士たちも力を抜いた。
地面に倒れこんだ男の顔が、ちょうどヒカルの視界に入る。苦悶の表情のまま、その額には、真っ赤な掌のやけど跡が残っていた。
「さて」
ウインが立ち上がると、一連の悲劇に肩を抱き合う山賊たちを見下ろして言った。「次は誰にしようかな」
冷たい非情の声が、ヒカルにはまるで鬼のように聞こえた。
結局、二人目の男が素直にすべてを喋ってくれた。
一行を襲った山賊たち。彼らを雇ったのは、「ノリータ」といって、オルストンに勝るとも劣らない都市であった。
国盗り合戦にて、オルストンと戦った都市のひとつらしい。今では、オルストンと手を組み、「共和国」として、竜討伐の運動が盛んなのだとか。
「ノリータは、鱗の襲撃に合って以来、さらに討伐の運動が活発になったんだ」
ヒカルに夕飯のスープを持ってきたウインが、例のごとくこの世界のことを教えてくれた。
今宵、街灯沿いにある天井の抜けた廃墟で、一行は火を焚いた。
山賊たちを脅し、情報を搾り取ったころには、長くて深い影が街道に伸びていたのだ。
山賊は解放した。「目的の一行は確かに撃ち取った」とノリータに嘘の申告をさせるためにだ。
もちろん、嘘の嘘をつかせることがないように、ウインは山賊たち一人一人にまじないをした。いまだに気を失っていた山賊のおかげで、おまじないの効果はしっかりと彼らの心に深い杭を打つことが出来たであろう。
これも時間稼ぎに過ぎないのだろうけれども。
「本当に、君はいったい何者なんだ?」
隣で一緒にスープを啜るウイン。ヒカルは、時間を止めたことは秘密にしたままであった。
ウインに見つからないように、ヒカルは腰に着けた黄金の懐中時計をそっとなぞる。こいつの秘密を打ち明けて良いものなのか。
「さあね……。自分でも分からないよ」
自分がいったい何者なのか? なぜこの世界の来ることが出来たのか?
腰を据えて考える暇が無かったからこそ、ヒカルはウインの問いかけに、それ以上の謎を自分の頭のなかに生んでしまった。
「記憶を無くしてしまうとは、大変なことなんだね」
記憶を失った哀れな青年――。ウインにとって、ヒカルはその程度の存在に過ぎなかった。だからこそ、ウインはヒカルの面倒を見てやった。この世界のことも、丁寧に教えてくれた。
面倒見の良い性分もあるけれど、一番はヒカル自身に興味があったのだろう。
だが、今は違う。技術者と自ら名乗り、さらには不可思議な業を使って襲撃から救ってくれた。哀れな対象が、得たいの知れない、恐怖と言ってもよい存在になりつつあった。
記憶を無くしただけではない。きっと大きな秘密をもっているはずだ、と。
「ウインこそ、山賊たちに何をしたのさ? 俺にもやったよね?」
ヒカルは自分の額に手を当てて、ウインの真似事をして見せた。
「ああ、魔法の一つさ。その者自身の心に問いかけるんだ。嘘を着いたらお仕置きしますよ、ってね」
ウインの意地悪な顔を見て、ヒカルは苦笑いを浮かべた。自分があの時嘘をついていたら、あの山賊みたいになっていたのか、と。
「簡単な応用だね」
「応用?」
「そうだよ。技術者である君には申し遅れてしまったけれど、実を言うと僕は――」
――ウイン様!
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「隊長がお呼びです」
「そうか……」
続きはまた今度ね。
そう言い残すと、ウインは兵士に連れられて、廃墟を出ていった。
天井がないから、今夜も綺麗な月明かりが落ちてきてくれる。
廃墟の中には数人の兵士が毛布を被って寝息を立てていた。残りは見張りと偵察。自分たちの順番が回ってくるまで、束の間の休憩なのだろう。
そんな彼らの中で、焚き火に照らされたカリンダを見つけた。リオンと同じ、黄金竜と意志疎通が出来る黄色い目をした少女だ。
気がつけば、ヒカルはカリンダの隣に立っていた。
「隣、座ってもいい?」
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カリンダは、まるでヒカルなんて居ない者のように、ただ目の前の火を見つめていた。
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