私の大好きなドラゴン

俺の嫌な予感

【ごめん...あまりにも笑える....
　滅多に話さないし、ましてや何かして欲しいなんて言わない
　あの、生真面目で無口の鉄仮面で冷酷無情って言われるような
　ゼガンが”ちゅー”してってハハハハハ...

　それで...したのかい？】


（.............）


【したんだね...プハッははあははははっははあああああ】


俺とカミルは長い付き合いで、
俺やゼガンの事もよく知ってるからか、
今まで付き合った中で一番笑いやがった。

確かにゼガンがちゅーしてみろって言ってきやがった時、
俺も無言で色々考えたが、あの時は暑くて考えるのも
めんどくせーから、ちゅーした俺もどうかしてたが、
確実にライルがゼガンにして真似したんだろう...


たぶん、俺はゼガンと長い付き合いで分かった事だが...
ゼガンは間違いなく若いドラゴンだ..
考えが子供とは言わないが、
あきらかに他の俺が知ってるドラゴンより
人間との経験値が違いすぎる気がするからだ。
たまに突拍子もない事を言ったりしたりする事がある...
今回もそうだろう....

だいたい、ライルみたいな子供以外にドラゴンにちゅーしようと思うやつなんて、
一人位しか思いつかない....あの.ババアぐらいだろうしなあーハアアー



（大体なあ　っておい！いつまで笑うつもりだ...）


【ああ　ごめん想像したら....ってハハハハハ】


（いい加減にしろよ！話が進まないだろ！）


【フーふふ　よし！それで何だっけって
　ああ！一緒に暮らすって事だね、

　ライル？男の子でいくつ位で性格は？
　気を付ける事は、話せないのなら、
　誤解しやすいから事細かく話す事と表情をよく見る事が大事だね。
　特に君は大雑把で空気が読めないから....
　女の子じゃなくてよかったね...
　たぶん君は女の子だったら確実に嫌われるからね
　年頃になったら特に...】
　

（何で女の子だったら確実に嫌われるんだよ！
　まあ俺にとってはどっちでもいいが.....
　年はたぶん５～６歳ぐらい？
　性格は大人しい性格？だと思う。じっとしてるし...）

【５～６歳？今どうしてるんだい？
　まさか一人でいるんじゃゼガンは？．．．．】

（一人で洞窟に留守番？してるぞ？ゼガンはいない...）

【ハー　普通の子供はよっぽど慣れ親しんだ家や近くじゃ
　無い限りひとりでいる事はない...
　大体洞窟って、あのドラゴンの聖地だろ？
　例え、ゼガンの匂いを付けて安全だとしても
　君は拾ってきたんだろ？今頃不安でたまんないじゃないのか？
　捨てられるとか、思うんじゃないのか普通...
　きっと何か目で訴えたり寂しそうにしていたんじゃない？
　ましてや、ちゃんとこれからの事を話ししたのかい？
　「一緒に暮らしていこう」とか一言伝えたのかい？】

（......俺帰る）

ガタンと俺は焦りながら、立ち上がり走った。
遠くで、カミルが何か言ってたが聞こえてなかった。



俺は何か不安な嫌な予感がした。