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ズタズタからのワクワク
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夕方チビとコーンと分かれて洞窟へ戻ると、私はゼガンから貰った
真っ赤なお花を持ってスキップしながら帰った。
【この真っ赤なお花とてもきれいね!香りもとても良い匂い!
お兄ちゃんありがとうね!】
(ああ...カイルもこの花を気に入ってる
実用性もあって良い...カイルも喜ぶと思う...
もうカイルは帰ってるみたいだから見せたらどうだ?)
【そうなの実用性?......オジさんもお花の良さが分かるんだ?
じゃあ、オジさんにも見せてくる!】
私はルンルンと気分よくオジさんの元へ走った。
ちょうど夕飯を作ってるみたいでお肉の塊を適当な大きさに切ってる所だった。
オジさんは私の足音で振り向き
(お帰り!...それは!)
私はきれいな真っ赤なお花をきれいでしょ!と思いながらニコニコして見せた。
(きれいに真っ赤じゃないか!ちょうどよかった!)
オジさんは何と!せっかくゼガンから貰った花を
次々と片手で”むしり取り”始めた。
私はあまりにもあっという間に無残にバラバラに
むしり取られた花びらを見て呆然とした。
しかも、その後ナイフで花びらをズタズタに、粉々にして
肉に練りこむように付けていった。
(この花びらは、真っ赤なほど香りがよく肉の臭みを取ってくれる上に
塩に勝るぐらい肉の味を引き立ててくれるんだ!ゼガンが取ったのか?
崖にしか咲かない花なんだぞ!ありがとな!
もうすぐ出来上がるから、ゼガンと遊んでな!)
満面の笑みで私の頭をなでながら、
よっぽどうれしいのか鼻歌を歌いだしたオジさんに
私は何も言えな...かった。
私は複雑な気持ちでお兄ちゃんの所へ行った。
(お兄ちゃん....)
【喜んだろう?カイルは肉が好きだからあの花をやると
とても喜ぶんだ。ライルもカイルも喜んで我はうれしいぞ...】
(........確かにうれしかった......)
お兄ちゃんが実用性って言った意味がやっと分かった。
オジさんがお花を貰って喜ぶって確かに良く考えたら変だと思った。
オジさんもお兄ちゃんもお花を見て喜ぶこの乙女心なんて....
分かる分けないよね...
30数年生きてきたけど、生まれて初めてお花を貰ったのに....
一瞬にして”むしりとられズタズタにされた”...。
その後、確かにオジさんが喜んだ気持ちが分かるくらい
今までで一番おいしかった....花より団子....
だけど二人とも全然分かってない!!
二人にとっては花=食用にしか思ってない...
その花を見て癒されてうれしいとか...
花をもらってキュンとくる乙女心なんて
きっと分からない........
この鈍感な二人をどうにかしてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌朝、珍しくお兄ちゃんが朝から見ていない。
私が洞窟で朝ご飯を食べながら、キョロキョロしているとオジさんが声をかけてきた。
(ゼガンは所用で出かけてるぞ!もしかしたら、二・三日戻らねーかも
だから、あまりウロウロするなよ!チビとコーンだっけ?と一緒にいる分はいいが、
深いところまでは行くなよ!)
オジさんはそう言うと私の頭をグシャグシャにして言った。
(お前髪長くねーか?邪魔だったら切ってやるぞ!
髪が長いと暑いし、引っかかったりするぞ?...)
私は髪を抑えながら、首を大きく振った。
髪は女の命なんだから!!と思いを込めて睨んだ。
(何怒ってんだよ!寂しいのか?)
そう言うと私を胸に抱えてのぞきこんできた。
オジさんの顔が近いのでうつむいたら前髪がサラッと顔を覆った。
オジさんは私の前髪を手で払っておでこが出た状態にしたら
(せっかく可愛い顔してんだから見えた方がいいだろ?)
ボフッツと自分が赤くなったのが分かった。
(寂しいなら今日は俺と出かけるか?)
私は思わず体をビクッとさせながら、
久しぶりのお散歩の犬並みに目をキラキラさせながら反応した。
(うんうん!)
私は思いっきり首を立てに振りまくった。
真っ赤なお花を持ってスキップしながら帰った。
【この真っ赤なお花とてもきれいね!香りもとても良い匂い!
お兄ちゃんありがとうね!】
(ああ...カイルもこの花を気に入ってる
実用性もあって良い...カイルも喜ぶと思う...
もうカイルは帰ってるみたいだから見せたらどうだ?)
【そうなの実用性?......オジさんもお花の良さが分かるんだ?
じゃあ、オジさんにも見せてくる!】
私はルンルンと気分よくオジさんの元へ走った。
ちょうど夕飯を作ってるみたいでお肉の塊を適当な大きさに切ってる所だった。
オジさんは私の足音で振り向き
(お帰り!...それは!)
私はきれいな真っ赤なお花をきれいでしょ!と思いながらニコニコして見せた。
(きれいに真っ赤じゃないか!ちょうどよかった!)
オジさんは何と!せっかくゼガンから貰った花を
次々と片手で”むしり取り”始めた。
私はあまりにもあっという間に無残にバラバラに
むしり取られた花びらを見て呆然とした。
しかも、その後ナイフで花びらをズタズタに、粉々にして
肉に練りこむように付けていった。
(この花びらは、真っ赤なほど香りがよく肉の臭みを取ってくれる上に
塩に勝るぐらい肉の味を引き立ててくれるんだ!ゼガンが取ったのか?
崖にしか咲かない花なんだぞ!ありがとな!
もうすぐ出来上がるから、ゼガンと遊んでな!)
満面の笑みで私の頭をなでながら、
よっぽどうれしいのか鼻歌を歌いだしたオジさんに
私は何も言えな...かった。
私は複雑な気持ちでお兄ちゃんの所へ行った。
(お兄ちゃん....)
【喜んだろう?カイルは肉が好きだからあの花をやると
とても喜ぶんだ。ライルもカイルも喜んで我はうれしいぞ...】
(........確かにうれしかった......)
お兄ちゃんが実用性って言った意味がやっと分かった。
オジさんがお花を貰って喜ぶって確かに良く考えたら変だと思った。
オジさんもお兄ちゃんもお花を見て喜ぶこの乙女心なんて....
分かる分けないよね...
30数年生きてきたけど、生まれて初めてお花を貰ったのに....
一瞬にして”むしりとられズタズタにされた”...。
その後、確かにオジさんが喜んだ気持ちが分かるくらい
今までで一番おいしかった....花より団子....
だけど二人とも全然分かってない!!
二人にとっては花=食用にしか思ってない...
その花を見て癒されてうれしいとか...
花をもらってキュンとくる乙女心なんて
きっと分からない........
この鈍感な二人をどうにかしてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌朝、珍しくお兄ちゃんが朝から見ていない。
私が洞窟で朝ご飯を食べながら、キョロキョロしているとオジさんが声をかけてきた。
(ゼガンは所用で出かけてるぞ!もしかしたら、二・三日戻らねーかも
だから、あまりウロウロするなよ!チビとコーンだっけ?と一緒にいる分はいいが、
深いところまでは行くなよ!)
オジさんはそう言うと私の頭をグシャグシャにして言った。
(お前髪長くねーか?邪魔だったら切ってやるぞ!
髪が長いと暑いし、引っかかったりするぞ?...)
私は髪を抑えながら、首を大きく振った。
髪は女の命なんだから!!と思いを込めて睨んだ。
(何怒ってんだよ!寂しいのか?)
そう言うと私を胸に抱えてのぞきこんできた。
オジさんの顔が近いのでうつむいたら前髪がサラッと顔を覆った。
オジさんは私の前髪を手で払っておでこが出た状態にしたら
(せっかく可愛い顔してんだから見えた方がいいだろ?)
ボフッツと自分が赤くなったのが分かった。
(寂しいなら今日は俺と出かけるか?)
私は思わず体をビクッとさせながら、
久しぶりのお散歩の犬並みに目をキラキラさせながら反応した。
(うんうん!)
私は思いっきり首を立てに振りまくった。
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