私の大好きなドラゴン

どら娘

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(ねえちょっと!聞いてるのそこのお嬢ちゃん)

今までで一番大きい声で話しかけた。
この場にいた者はきっと最大級に威嚇してる風にしか見えない光景である。
しかし、そんな光景とは真逆に
私は結構おしゃべりなお姉さん風のドラゴンの話を聞いてるうちに、
可愛いなあと思いながらニコニコして対峙していた。
お嬢ちゃんって...ちょっとそこは男っぽいのね...ふふふ

【何でそんな話し方をしてるの?話しかけて、人間にびっくりされたりしないの?】


(話し方?これは私の敬愛する御じじ様の契約者の御ばば様が
 直に教えて下さったのよ。
 ”あなたは他の子達より怖い風貌だから、この話し方をすれば
 一発で親しみがわくはずだ”と言ってくださったの。
 他にもお肌にはストレスが良くないとか、癒されるお花の匂いとか
 色々なことを教えて下さったのよ。
 それに、何言ってるの?人間と話せるのは自分と契約した相手、
 他のドラゴンと契約した人間しか話は出来ないわよ。
 この姿の時はだけど....。
 まあ、あなただけは特別みたいだけど。)



 私だけ?まあ、きっと異世界から来たからだろうなあ。
 この姿?ってどうゆう意味だろう?...まあいいっか。

 でもこの赤いドラゴンってちょっと可哀想だなあ。
 契約する人間か既に契約した人間しか話が出来ないのって
 やっと契約しても話した途端オネエ言葉にびっくりされるんじゃないの?
 きっと、  この赤いドラゴンに言葉を教えた人って間違いなく...
 からかってるよねえ..わざとだとしか思えない。
 私は色々と考えてる内に、赤いドラゴンに同情してきた。


(それにねえ、私は契約したいけど、別にすぐってわけじゃなくてもいいの、
 私だって誰でもいいわけではないわ!男気があって面白い人が理想だけど
 私は理想が高いからゆっくり決めていくつもりよ)



【じゃあ私とこれから、気が向いた時だけでもいいから一緒に遊ぼうよ!
 私のオジさんのドラゴンでゼガンってゆうお兄ちゃんもいるし
 私のお友達のコーンちゃんやチビもいるのよ。】



(ゼガン?聞いた事があるわ.......
 もしかして御ばば様が小僧っていってた奴の契約した銀色のドラゴン
 の名前だったかしら?)
 

【オジさんと知り合いなの?】

私は子供だからか体に対して大きい頭をコテンとして見上げて言ったら
私の後ろから今まで様子を見ていたオジさんが話しかけてきた。


(おーい大丈夫か?)


(あなた!御ばば様の言ってた小僧でしょ。
 黒髪で、無精ひげをはやした人相が悪くて全くもって可愛げが1cm位しかない
 乱雑でガサツで口が悪いけど面白いやつって聞いた事があるのよねえ。)


【なんだよ、その悪意がある説明はババアだろう?
 赤いドラゴンと聞いて嫌な予感がしたんだよな。
 御ばば様ってヴァルの契約者リーゼだろ?
 ババアの知り合いと思ったんだよな..
 ガサツなのは人の事言えねーと思うがピンピンしてるだろ?】


(ババアじゃないわよ!リーゼ様と呼びなさいよ)


【お前も似たような呼び方してるだろ】


(私は御じじ様からそう呼ぶ様にって言われたもの)


【御じじ様って契約ドラゴンのヴァルだろう?ヴァルがここを勧めたのか?】


(そう小僧がいるから一度は行ってこいって言われたの
 ついでに出会いの森に行けば良い人に巡り合えるかもしれんって
 御ばば様の言われた通り、私は自分の力を見せてアピールしてたのよ!)


【ちなみに、なんて言われたんだ?】


(まず相手に自分の力を見せろと言われたから私の華麗なる魔力の火を噴いて、
 言葉は分からなくても、とにかく話しかけろって言われたから
 必死に話しかけたのよ。
 そうしても、お前の所に残った者は見所がある者か、
 腑抜けのどちらかって言われたわ!
 そうやって見極めたらいいと言われたわ。)



【じゃあアピールをするために火を噴いて(攻撃)
 話しかけるために声を出した(威嚇)って事だったんだな。
 そんでもって、ババアとヴァルの言い分で残ったやつは
 強いやつ(勇気があるやつ)か
 ビビッて気絶寸前で動けない奴になるっていうわけか。
 昔っから二人とも大雑把で荒療治するタイプだが、本当に変わってねーな。
 つまりお前来る奴に攻撃して殺そうとしていたわけじゃないって事なんだな.】


(当り前じゃないの!私が攻撃してたら瞬殺よ
 力の加減は抑えてるに決まってるじゃないの。
 そこら辺の力を制御できない奴らと一緒にしないでよね。
 私は赤ドラゴンの中でも期待されている存在なんだから
 何より御じじ様や御ばば様から指導されて育ったんだから)


【はあーやっぱりババアの知り合いは面倒な奴しかいねーなあ。
 お前なあ、周りの奴らはビビりまくって近寄れねーらしいぞ?
 せめて大人しくしてろよ。】


(私が強いのは当たり前じゃないの。
 そんな事私には関係ないわよ。弱いのが悪いんだから。
 強くなって文句を言いなさいよ。
 意外と男らしくない人間ばっかりなんだから。
 私好みの人はいないのよねー。)


【あー分かったよ。ライルお前はしばらく
 こいつと一緒にいろ。俺はゲイルに説明してくるから。
 お前!ライルとしばらく一緒にいてくれ?いいだろう?】

私はうなずいたが、赤いドラゴンは忠告するように静かに言った。

(念のため言っておくけど
 私はあんたの命令に応えてる分けじゃないわよ!
 暇だから別に良いけど。)


【分ってるぜ。
 じゃあライル!迎えに来るから 楽しんで遊んでろな】


まったく、私は普通だったら凶暴なドラゴンの近くに置いて
楽しんで遊んでろなんてオカシイと思うけど
オジさんだからと思うと納得しちゃう今日この頃である。

オジさんは何も心配のそぶりも無いままさっさと
ゲイルって言ってた人とどっか行ってしまった。



【ねえ一緒に遊ぼうよ!】


私は赤いドラゴンに駄々をこねるみたいに口を風船のように
膨らませながら見上げた。なんか....気持ちが引きずられてるのか
完全に子供になってきてると思いながらも赤いドラゴンに問いかけた。



(別に遊んであげてもいいけど、条件があるわ。
 私はこーみえてもホイホイついていくような安いじゃないのよ!
 私の条件をクリアしたら、あなたの望むがまま側にいてあげてもいいわよ。)



【その条件は何なの?】

言ってることが妙にやっぱり女性的だとおもいながらも
じっと答えるのを待った。









(あなたが持つもので大切なものをくれるか
 私が欲しいもの、私がして欲しい事か、私に貢物を持って来て
 私が望むものだったら遊んであげる。)



【難しいよ、例えば好みは何?】





(私は貴方がくれる内容を見るのよ。
 合格したら、あなたの望むままにしてあげるわ
 それが私を射止める条件よ)






まるで高飛車なお嬢様...いや...王女様を相手にしてる気分だ。
どうしよたらいいの?どうか誰か教えてほしい.......。



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