私の大好きなドラゴン

どら娘

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伝言からの

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私が笑いながら見上げてみると
不機嫌そうにルー君もサクラも先程とは違い、お互いに黙って私を見ていた。

ライル【二人ともごめんなさい。
    あまりにも二人ともテンポよく話してるから。
    お兄ちゃんは全然話さないし、
    とっても見ていて楽しそうだったから...。
    でも、ルー君!ちゃんと自己紹介しないと
    それに喧嘩売ったらダメでしょ。】



サクラ(そうでしょー。
    せっかく日光浴をして私の英気を養っていた所に
    喧嘩売ってきたのよ。)
   

ルカ(だって、図体がデカすぎて邪魔だったんだよねえ。
   それに、ガキだから煩いし
   ”ガキ”らしく自分の家にいればいいのに。)


サクラ(私は、ガキではなくて”ライル”に付けてもらった。
    サクラって名前があるのよ。それに今の私の家はここよ。)


ルカ(どうなってるのさーライル!
   こいつデカいし場所取るだけだよ。
   こいつといる位なら僕の所においでよ。)


ライル【サクラと約束してるしサクラが望まない限り離れないよ。
    それにオジさんとお兄ちゃんも仲良くしてるよ。
    この頃はちびとコーンちゃんとも仲良くしてるんだから。
    だからルー君も今みたいに仲良くおしゃべりしましょう。】

ルカ(仲良くないけど大人な僕が善処するよ。
   ”未熟”だから仕方ないからね。)
   

サクラ(あんたこそ未熟な体をもっと鍛えたら?)


ルカ (この僕の体を未熟と評価する君はまだまだだね。
    僕は君みたいに”無駄な”体型をしていないのさ。)


サクラ(あんたみたいな子供みたいに無駄に誇張して話している
    未熟な頭のあんたに色々言われたくないわよ。)
    


ライル【二人ともいい加減にしてよ。
    お互いに名前で呼ぶ事から始めようよ。
    ルー君、君じゃなくて私が付けたサクラって呼んで。
    サクラ、あんたじゃなくてルカって名前で呼んで。
    名前はとても大切なのよ、
    気持ちを込めて付けてるんだから。】


その場にいた二人サクラとルカは、
ある疑問をそれぞれに思い心の中でつぶやいた。



サクラ※心の中【”ちび”って付けた意味もあるのかしら?
        きっと何かあるのよねえきっと!】

ルカ ※心の中【”コーン”の意味は確か、好きな食べ物?だったハズ?
        これは”僕だけ”が知る秘密だから
        絶対に言わないケド】


ライル【二人とも!聞いてるの?】

私は両手を腰に当てて、
さも真っ当なことを言ってる様に堂々と二人を見上げながら言った。



サクラ(聞こえてるわ。私は順応性が早いの。
    ボケが始まってる年増なルカと”一緒に”しないで頂戴。)

ルカ(確かに、サクラに同感だよ。
   理解力がある大人の僕とまだ未熟なサクラと
   ”一緒”にしては荷が重すぎるからね。)


   

ライル【だから二人とも喧嘩しないでって言ってるのに。
    でも意外と気が合ってると思うよ。
    何て言ったってテンポよく話してるじゃん。
    話し合えばきっとうまくいくと思うけどなあ。)

ルカ(サクラと話してるだって?
   これは会話と言わないね。
   まずまともに話している僕と通じないから
   意味ないし)

サクラ(テンポよくって何よ!
    ルカが一方的に嫌味を言って
    小姑のように私をいびってるだけでしょ。)

ルカ (僕はいびる程君の事なんて眼中にないね。
    言葉の意味を分かって無いね
    サクラはもっと勉強したら良いよ。)

サクラ(なんて厭味ったらしいの
    器の小さい男程無駄なおしゃべりするのよねえ。
    誰かさんみたいに!)

ルカ (君の事でしょ。)


ライル【もうストーーーーーーーーーーーっップ!
    永遠と続きそうだよ。ちょっとやめて!
    それにルー君珍しく来てるのに、何か用事があったんじゃないの?】
 

ルカ (そうそうゼガンの相棒に用事があるんだよ。
    僕のカミルから手紙を預かってるんだ。) 

私は妙な胸騒ぎがして、なんか不安になってきてしまった。
オジさんに用事....何だろう。




すると奥から寝起きなのか気だるそうに
頭を掻きながら来るオジさんと
いつもよりゆっくり歩いてきいたお兄ちゃんが出てきた。

オジさん(ルカ久しぶりだなあ。何か騒がしかったから行こうとしたが
     ゼガンが止めるもんだから、ちょっと様子をうかがってたんだ。)
 


ルカ(ゼガン逃げてたね!この騒がしいサクラに僕の相手をさせるなんて)


サクラ (こんな厄介なルカが来るのを分かってたなんて
     男の感が鋭いのねえ。やっぱりステキ)

ゼガン(..............。)

お兄ちゃんは完全に二人を無視して、私の襟を咥えて自分の足元に下した。

ルカ(相変わらずだね。まあいいっか。
   ああ そうそう 僕のカミルからの手紙を預かってるんだ。
   早く読んで返事をくれないかなあ。)
  


ルカから手紙を受け取ると
その場でカイルは読み始めると難しい顔をして
目をつむり考え込んだ後、
決意したように目を開けサクラのほうへ向かい言った。


オジさん(サクラこれからババアの所に行って
      ライルをしばらく預かってくんねーか聞いてくれねーか?)


サクラ(えー別にいいけど。聞かなくったってOKだと思うわよ。)

オジさん(それとルカ!「分かった。近いうちによる」と伝えてくれ)

ルカ(分かった。僕帰るねえ早くカミルに会いたいしー
   じゃあねー。)


ルカはさっさと帰ってしまったが、(それとサクラ...)
そのあとずっとオジさんはサクラに何か話していたが
私はどこかに預けられる事のショックで頭の中がぐちゃぐちゃになった。

気が付いたら私はその場からそーっと無意識に離れ、森の中を泣きながら走った。




私置いて行かれるの?
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