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紫のドラゴン
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サクラの背に乗り飛行している間、無言でいると
感情が高ぶっていたが青々とした真っ空の中、
飛行していると心が澄んできたように、だんだんと冷静になってきた。
そういえば、サクラも全然しゃべってない.....。
私は、おそるおそる話しかけた。
怒ってるとき凄い低い男口調だったからまるで別人みたいで怖かった。
.....ってホントはそれでいいのだが....。
(....サクラ.....怒ってる?)
「......怒った。久しぶりに本気で...。
あれ程クズの人間を見るのは久しぶりで怒り狂いそうだ...........わ。」
(でも........殺しちゃだめよ。)
「......。そう...........ね」
山から飛行して村らしき一帯が見えてきた。
私は頭の中が真っ白だったから何処へ行く方向も考えていなかったが
サクラは目的があるように飛行しているように感じた。
あの紫のドラゴンはどこだろうか....。
サクラが気分を切り替えたのか、私が考えていたのが分かったかのように
さっきよりも気楽に話しかけてきた。
「ライルあの坊やの事気にしてるんでしょ。
きっと坊やも、あなたを探してると思うわ。」
(坊や?若いドラゴンなの?大きいのに?)
「大人だから大型ってわけじゃないの。
明らかに分かるわ。最初に会った頃
変な奴らと戦ってたのを見ていて、何もかも動作が未熟だったもの。」
(場所もわかるの?)
「ドラゴン同士は大体分かるものだわ。
まあ、あの坊やは気が立って分からなくなってるのかもしれないけど。
あの坊やは気がダダモレだから、場所が分かりやすいわ。
そりゃーもう若い...っていうより、感情をむき出しにしている子供って感じ。
100歳なったばかり位なんじゃない?」
(100?イマイチ分かりずらいけど....。)
「そうねえ...ゼロを一個抜いたぐらい...
人間で10歳ぐらいなんじゃない?。」
(えっ?そうなの?ちなみにサクラは?)
「私は200歳前半ぐらい?だったかしら。
まあ、殆どのドラゴンはいちいち数えないわ。
ちなみに、ゼガンは100歳後半ぐらいだと思うわ。」
(え...人間でだいたい15から18歳?ぐらいなの?
サクラがお兄ちゃんより年上だったのね...。)
「ああ...でもルカなんて.....」
私がドラゴンの大きさは年と関係ないのか?と
考えに耽っていると、前方のほうに紫色の直線が見えた。
(あっ、紫の子がいるよ。サクラあそこ!)
私はこの時、めちゃくちゃ飛び回ってる紫のドラゴンの事で、
ルカの歳を聞きそびれた。
のちのち知った時はびっくりして信じられなかった。のは.....別の話。
そして、私が紫の子を見つけた時はすごかった。
ハエが超高速で回りをブンブン飛んでるくらい村の上空を飛び回っていた。
あれじゃあ村人達もビビルと思う。
村人達はみんなが集まるような広場に身を寄せていた。
こんな所に2匹もドラゴンが集まったら余計に怖がらせる事になりそうだ。
(サクラ、村の人達から離れた所に誘導できる?)
「出来るわよ。でも、ライル私にしっかりとつかまえていて!」
(うん、)
私がサクラにしがみついているのを確認すると
サクラが紫の子が前方からくるような位置に飛び、待ち構えた。
そして、紫の子が私達に気づくとスピードを上げて突っ込んで来た。
すると、サクラは合気道みたいに相手の動きを利用してしっぽを
ボールをあてるバットみたいに
紫の子を村の人達から遠い空き地の地面に叩きつけた。
(サクラ、大丈夫なの?、凄い勢いで地面とぶつかったよ。)
「大丈夫、あんなのじゃれてる子供が倒れたようなものよ。」
私にはどう見ても、
そんなレベルに見えない速さで地面に叩きつけられたように見えたが
サクラはそう思っていないようだった。
私とサクラは近くに着陸して、紫の子の様子を見ていた。
ものすごい砂ぼこりが舞う中、キュルウウウウーと鳴き声がしてきた。
しゃがんでた子供が頭を上げてひょっこり顔を出すように
紫のドラゴンは頭を上げてキョロキョロと周りを見渡した。
(なあにい?。)
とても幼いあどけない男の子の声が私の頭に響いてきた。
庇護欲をかきたてるような可愛い男の子の声が。
(本当に痛そうにはしてないみたい。)
心配していた私とは違い紫のドラゴンは私を見るなりキラキラした目をして
甘えるような声を出し、私に向かって真正面から突っ込んで来ようとしたら、
再度サクラが振りかぶるようにまた尻尾で叩いた。
本当に煩わしいハエを叩くように....。
「ギャーウウウウ」
(ちょ、ちょっとサクラ何だか.....可哀そうな...気がするよ。)
「ああ、大丈夫大丈夫。ドラゴン同士では良くあることよ。
特に聞き分けのない小さな子にするから、気にしなくても大丈夫よ。」
そう言ってる間も何度も紫の子が向かってきて
コテンパンに地面に叩きつけてる光景がずっと続いた。
(で、でも...)
私は何度もすっ飛んでいる紫の子が何だか気の毒のように見えた。
なんか...ちょっと雑な態度をとってるサクラが
やっぱりオスだとこの時、思ってしまった。
感情が高ぶっていたが青々とした真っ空の中、
飛行していると心が澄んできたように、だんだんと冷静になってきた。
そういえば、サクラも全然しゃべってない.....。
私は、おそるおそる話しかけた。
怒ってるとき凄い低い男口調だったからまるで別人みたいで怖かった。
.....ってホントはそれでいいのだが....。
(....サクラ.....怒ってる?)
「......怒った。久しぶりに本気で...。
あれ程クズの人間を見るのは久しぶりで怒り狂いそうだ...........わ。」
(でも........殺しちゃだめよ。)
「......。そう...........ね」
山から飛行して村らしき一帯が見えてきた。
私は頭の中が真っ白だったから何処へ行く方向も考えていなかったが
サクラは目的があるように飛行しているように感じた。
あの紫のドラゴンはどこだろうか....。
サクラが気分を切り替えたのか、私が考えていたのが分かったかのように
さっきよりも気楽に話しかけてきた。
「ライルあの坊やの事気にしてるんでしょ。
きっと坊やも、あなたを探してると思うわ。」
(坊や?若いドラゴンなの?大きいのに?)
「大人だから大型ってわけじゃないの。
明らかに分かるわ。最初に会った頃
変な奴らと戦ってたのを見ていて、何もかも動作が未熟だったもの。」
(場所もわかるの?)
「ドラゴン同士は大体分かるものだわ。
まあ、あの坊やは気が立って分からなくなってるのかもしれないけど。
あの坊やは気がダダモレだから、場所が分かりやすいわ。
そりゃーもう若い...っていうより、感情をむき出しにしている子供って感じ。
100歳なったばかり位なんじゃない?」
(100?イマイチ分かりずらいけど....。)
「そうねえ...ゼロを一個抜いたぐらい...
人間で10歳ぐらいなんじゃない?。」
(えっ?そうなの?ちなみにサクラは?)
「私は200歳前半ぐらい?だったかしら。
まあ、殆どのドラゴンはいちいち数えないわ。
ちなみに、ゼガンは100歳後半ぐらいだと思うわ。」
(え...人間でだいたい15から18歳?ぐらいなの?
サクラがお兄ちゃんより年上だったのね...。)
「ああ...でもルカなんて.....」
私がドラゴンの大きさは年と関係ないのか?と
考えに耽っていると、前方のほうに紫色の直線が見えた。
(あっ、紫の子がいるよ。サクラあそこ!)
私はこの時、めちゃくちゃ飛び回ってる紫のドラゴンの事で、
ルカの歳を聞きそびれた。
のちのち知った時はびっくりして信じられなかった。のは.....別の話。
そして、私が紫の子を見つけた時はすごかった。
ハエが超高速で回りをブンブン飛んでるくらい村の上空を飛び回っていた。
あれじゃあ村人達もビビルと思う。
村人達はみんなが集まるような広場に身を寄せていた。
こんな所に2匹もドラゴンが集まったら余計に怖がらせる事になりそうだ。
(サクラ、村の人達から離れた所に誘導できる?)
「出来るわよ。でも、ライル私にしっかりとつかまえていて!」
(うん、)
私がサクラにしがみついているのを確認すると
サクラが紫の子が前方からくるような位置に飛び、待ち構えた。
そして、紫の子が私達に気づくとスピードを上げて突っ込んで来た。
すると、サクラは合気道みたいに相手の動きを利用してしっぽを
ボールをあてるバットみたいに
紫の子を村の人達から遠い空き地の地面に叩きつけた。
(サクラ、大丈夫なの?、凄い勢いで地面とぶつかったよ。)
「大丈夫、あんなのじゃれてる子供が倒れたようなものよ。」
私にはどう見ても、
そんなレベルに見えない速さで地面に叩きつけられたように見えたが
サクラはそう思っていないようだった。
私とサクラは近くに着陸して、紫の子の様子を見ていた。
ものすごい砂ぼこりが舞う中、キュルウウウウーと鳴き声がしてきた。
しゃがんでた子供が頭を上げてひょっこり顔を出すように
紫のドラゴンは頭を上げてキョロキョロと周りを見渡した。
(なあにい?。)
とても幼いあどけない男の子の声が私の頭に響いてきた。
庇護欲をかきたてるような可愛い男の子の声が。
(本当に痛そうにはしてないみたい。)
心配していた私とは違い紫のドラゴンは私を見るなりキラキラした目をして
甘えるような声を出し、私に向かって真正面から突っ込んで来ようとしたら、
再度サクラが振りかぶるようにまた尻尾で叩いた。
本当に煩わしいハエを叩くように....。
「ギャーウウウウ」
(ちょ、ちょっとサクラ何だか.....可哀そうな...気がするよ。)
「ああ、大丈夫大丈夫。ドラゴン同士では良くあることよ。
特に聞き分けのない小さな子にするから、気にしなくても大丈夫よ。」
そう言ってる間も何度も紫の子が向かってきて
コテンパンに地面に叩きつけてる光景がずっと続いた。
(で、でも...)
私は何度もすっ飛んでいる紫の子が何だか気の毒のように見えた。
なんか...ちょっと雑な態度をとってるサクラが
やっぱりオスだとこの時、思ってしまった。
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