私の大好きなドラゴン

どら娘

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じゃれあいから

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サクラと紫のドラゴンの、じゃれあい?が、ようやく終わったころ。


サクラは私が立ってる後ろ側に座った。
紫のドラゴンはノロノロとゆっくり私の近くに来ると
大人しく座って伏せをする犬みたいに寝そべり首を私の方へ近づけて話しかけた。

「おれ、おまえといしょにいる。おまえ、あそぶか?」

とても幼い声なのに....しゃべり方が....悪いな。

(紫のドラゴンさん。お前じゃないの!ライルって呼んで?)
すると軽くサクラが空気?風圧みたいなのを紫のドラゴンへぶつけ、
軽く後ろへ後退した。

(サクラ、痛くないの?加減してる?)

「大丈夫よ。この子言っても聞かないタイプみたいだから、
 しつけをしてるだけ!」

(サクラ、優しくね。)

「分かってるわ。ドラゴンはヤワナ奴はいないから、大丈夫大丈夫。」

私と、サクラが話していると突然、紫のドラゴンが子供のように地団駄を踏んで....
地震のような地響きが私の周りを中心に地面が揺れだした。

「ずりー!ずるい!」


(どうしたの?サ、サクラ?どうしたらいいかな。
 何をこの子は怒ってるのかな?)



「ずりー、おれに名前つけろ、こいつ殺せばつけてくれるか?」



紫のドラゴンがサクラを見ながら私へ問いかけてきた。
すると、サクラが再度風圧を紫のドラゴンへ連打した。
そして最後には尻尾で頭に重い一撃をおみまいした。
まるで、やれやれと言ってるように、
軽くため息のような息をフーっと出しながらサクラが
私の近くへ戻るとドスっと座りながら話し出した。

「私を殺すなんて100年後に出直しなさいよね。まあ、それでも無理だろうけど。
 この子はまだ、痛い目に合ってないのね。
 まあ、この子と出会った時、
 変な人間達に捕まってたから痛い目に合いそうにはなってたのかしら。」

「貴様!邪魔するな。」


何回も打ちのめされてる割には紫のドラゴンは何度もケロッとした感じで
向かってきた。あんだけ、痛めつけられても立ち向かってくるって事は
サクラは優しくしてる?って事なのかな。
ドラゴンのじゃれあい?は、激しいわ....。
私はびっくりしながら他人事のようにみていたら、さらに怒り始めた。


「おれに、つけろライル」

(うーん、どうしようかなあ?
 条件があるわ。クリアしたらつけてあげる。)

サクラの時はサクラに条件言われたけど、今度は私が条件を付けるなんて
あれから、だいぶ月日が流れたなあと考えに耽っていたら、
催促するみたいにまた、紫のドラゴンは地団駄踏んだ。
地面がユラユラと地震のように揺れながら私は言った。

(しーっつ、名前つけてあげないわよ!)


ピタッと今度は動かなくなった。
わがままみたいだけど、根は素直な子みたいだ。

まずは、サクラの言うとおりにする事。
人間を傷つけないこと。
言葉遣いを直すこと。

「........、お前とサクラがいる時だけサクラの言う通りにしてやる。
 ”キレイ”な言葉遣いもお前だけだ。悪い人間は許せねえ。
 お前の言うことは聞く。あとは俺の好きなようにする。
 これでいいか? いいだろう?急げ、つけろ。」

(私だけ?.....)

「まあ、いいんじゃない?基本ライルの言うことは聞くみたいだし。
 普通ドラゴンは自分のしたいようにするのが基本の性質。
 特に強い個体は他人の言うことは聞かない。
 私もやりたいようにやるもの。一時とはいえ、
 私の言うことを聞くだけでもスゴイ事よ。」

 
(へえ....)
確かにドラゴンってそうかも。お兄ちゃんも譲らないところがあったもの。
すると、サクラがポフッと空気の玉みたいなものを紫のドラゴンに向けて出した。
さっそくサクラから指導が入った。
人間でいうげんこつみたいな感じかな?

「まずは、名前をつけて下さい。って言ってみなさい。」

「名前を付けてください。」

(っふふ、可愛いな。この子は根はものすごく素直な子みたいだ。)

私そういえば名前決めるのって大丈夫なのかな?
相棒の契約って感じじゃないけど.。名前つけるだけだしね。
サクラっていう前例があるからいいのかなあ?名前名前紫、紫、紫
ブドウ、ナス、ブルーベリー?って私食べ物ばっかり浮かべてしまう。
とっても安易かもしれないけど紫の宝石っていえば、アメジスト。

(ジスト!男の子っぽいしいいね。
 ジストはどう?アメジストっていう宝石からとったのよ。
 紫はね情熱の赤と冷静沈着の青を混ぜた色。そんな素敵なあなたの色にピッタリ!
 それにね私の世界ではね私の誕生石でもあるのよ。
 誕生石って言っても分からないか。)

「しゅごせき?守護?おれ.....お前を守る。
 おれ、じすと。うん、おれジスト。」

「まったく、お前じゃないでしょ。
 ライルって言いなさい。」

すかさずサクラの指導が入った。
軽く尻尾ではたかれながらまたしても顔面に当たりながらもケロっとしながら
紫のドラゴン、ジストが言った。

「ライル!気に入ったぞ。俺ジストだ。」

すると軽く光ってジストと私を淡い光の粉が降り注いだ。
何だろう?まあ特に変な感じもしないから大丈夫だよね。
ジストは喜んで犬みたいに飛び跳ねる勢いで騒いだ。
興奮して口からは軽い煙と火が出ていた。

(可愛いな、今まで私より明らかに年上のドラゴンやアランさんやカイルと
 接していたからかこんなに可愛い子供がいると和むなあ。って忘れてた。
 村の人達、アランさん達大丈夫かな。結局私キレて飛び出しちゃったから村に戻ってみないと。)








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