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罪001

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初めまして!真白と申します!
俺は今、信じられない体験をしています!

今、俺の目の前には、綺麗なお姫様が立っている。
彼女は異世界の姫様である。
太陽に照らされ、キラキラと輝く金色の長い髪を靡かせながら、まるで人形のような彫りの深い顔して、薄いピンク色の唇をキュッと上げると、愛想良く、元気良く、俺に向かって微笑みを送る。

ーーー そして彼女は語り始めた。

「はい!ようこそいらっしゃいました!勇者様方!さぁ、此方へ!」

金髪青目の姫様が俺達を迎え入れる。

何だか良く分からないが、俺達5人はどうやら選ばれし勇者として、こよ異世界に転送されたようだ。

何故、こんな事になった…?

確か….俺が1人でエロゲーを楽しんでいる時に事件は起こったのだった。
大きな地震が来て、俺は慌てて外へと飛び出した…。
俺以外にも複数の人間が外に飛び出し、マンションの前に立ち尽くしていた。
そんな俺達に追い込みをかけるように…更に大きな縦揺れが生じた。

俺達は足元がおぼつかなくなり、地面へと倒れ込んでしまった。
すると、マンションの壁が崩れ落ち、俺達は下敷きに……………

俺が過去を振り返えるように考え込んでいると、1人の女が口を開いた。

「あのー?私達って確か…大地震に巻き込まれたような気がするんですが…?もしかして、ここは天国か何かですか?」

女は18歳くらいだろうか?
腰までの茶髪に眼鏡、白いワイシャツの襟元には青い大きなリボン。
その上から羽織った、ダボッとした青いカーディガンでスカートを隠している。

これは学校の制服だろうか…。

その問いに答える金髪姫。
「いえ、天国では有りませんよ。あなた達4人は私が召喚した勇者です!ここは異世界ブルームワールドの始まりの場所。ティン国です。」

姫様の答えにザワつき始める4人。
皆、辺りを見回しながら数を数える仕草を取っている。

ん?あの姫様、おかしな事を言ったようだが?
1.2.3.4.5、何回数えても5人居るのだけれど……

だから皆、数えていたのか…
おい…1人多いぞ!

震えた声で話し出す女が1人。
「あの!1人多いですけど?要らないなら、私が帰りたいです!まだ、彼氏と大切な約束が残っいて!早く帰らないと大変な事になっちゃう。」

女はそう語ると両手で顔を隠すように座り込んだ。
肩までの黒髪に黒いスーツを着たOL、年齢は25歳くらいだろうか。

雪崩れ込むOLを見て更にザワつき始める4人。
俺だってそりゃ焦るけれど、こういうのって、もう帰れないパターンだよな。

「あら?そういえば1人多いですわね?なぜかしら?ちょっと誰か、アレを用意してくださるかしら?」
姫様様の指示で、何やら動き出す兵士達。

俺達はどうして良いのか分からず、ただ立ち尽くしていた…。
召喚された者達は誰1人として逃げ出そうとしたり、騒いだりするものは居ない。
何故なら俺達はまだ夢を見ているような、そんな気分でいるからである。

すると、兵士が姫様に何やら耳打ちをしている。
何かの準備ができたようだ。
俺達は別室へと案内れたのだった。

部屋に入るとメイド服を着た女が椅子に座っている。テーブルの上には、人の頭1つ分ほどの大きな水晶が置いてあった。

「はい、じゃあ属性検査を始めます!順番に並んでください。」

俺の背後に4人がピタリと並んだ。
何で俺が1番なんだよ….

「はい、じゃあ貴方から始めましょうか?水晶の上に手を置いて下さいね。」

水晶の上に右手を置くと、透明の中にピンクのグラデーションがモワッと広がり、それは水に絵の具を垂らしたような感じで、あっという間に水晶全体がピンクに染まってしまった。

そして文字が表示される。

ピッ!
----------------
名前・佐藤さとう真白ましろ (男)
LV1
魔法・昇天魔法
HP:19/19
MP:20/20

スキル・【媚薬♀lv.1】

装備:【異世界のブーツ】【異世界のロンT】
【異世界のスリムパンツ黒】

称号:(色欲の悪魔)


----------------

「えっ??スキル媚薬?」

「はい!じゃあー次の方!どうぞ!」

「あの…ちょっと待って!俺のステータス変なんですが?」

「御免なさいね、後ろが支えてるから終わったら部屋を出てください!」
「え?」


要が済んだらサッサと出ろ!と言わんばかりの状況に押し切られ、俺は外に出されてしまった。
これが何らかの性行為であるならば、【外出し】という行為は良い行為ではあるが—————おほん!

兎に角。

俺は訳の分からん魔法とスキルと称号を授かってしまったわけである。
そもそも、ステータスだけで見れば凄い陰湿的なステータスではないだろうか?

「…………何?媚薬って?色欲の悪魔?
………しかも昇天魔法?」

文面から察するに、昇天魔法と言うものは何かをさせると言う事は察しできるのだけれど、昇り竜でも昇天するのだろうか?
謎は深まるばかりである。


「やったー私!大賢者の称号だわ!召喚魔法よ!」

「あっ!俺の称号、勇者だぜ!光魔法だ!」

「えー。光魔法良いなぁ。私は称号、魔法騎士で雷魔法だぁ。」

「僕は大戦士、土魔法だよ。」

え……。皆、さっきの低いテンションは何処へ行った?どうやら用済みなのは見て取れる。
きっと俺だわ。

だって俺の称号、もろ悪魔だからね。
うん、もうこれ絶対に敵側だよね。



◯◯◯


「ほらサッサと消えろ!二度と近づくな!この悪魔めが!姫様の行為で見逃して貰えたものの、本当だったら討伐されて今頃首が飛んでる頃だぜ!」

俺のステータスを見た瞬間、王室の中は凄い騒ぎになってしまった。
どうやら、俺は人間側の敵らしいが……。
異世界に転送させといて打首とか余りに悲劇だと思ったのか、姫様は俺を見逃してくれたのだが、街への侵入は禁止とされた。

これからどうしようか…
何にも分からない異世界で俺は一体、どうしていけば良い?


取り敢えず、どんな魔法なのか調べなければならない。これから身を守る為にも、必要不可欠なものだからな。

謎なのはスキル【媚薬♀】だけだ……。
どう言う効果があるのだろうか?
媚薬と言えばエロいことしか考えつかないんだが?

そして、近くのベンチへと腰を掛け、目に入った鳩に向かって魔法を使ってみた。


————媚薬!


すると鳩は身体を大きく膨らませると、隣の鳩に乗り腰を振り出した。
嘴からは唾液の様なものが垂れ、無我夢中で腰を振り続け、暫くすると倒れ込み気を失ってしまったのである。

「あの鳩、気を失った?」


〈 媚薬スキルレベルup


おっ?スキルのレベルが上がった。
———俺はステータスを確認。
ピッ。

----------------
名前・佐藤・真白(男)
LV:1
魔法・昇天魔法
HP: 19/19
MP:10/20

スキル・【媚薬♀lv.2】

装備:【異世界のブーツ】
【異世界のロンT】【異世界のスリムパンツ黒】

称号:(色欲の悪魔)
----------------

もしや、これって…媚薬効果で欲情させるのか?

効果がイマイチ良く分からんが、これは攻撃魔法では無い。
確信を元に、俺は隣のベンチに座っている眼鏡をかけた賢者風の女に向けて魔法を放ってみた。


 ————媚薬!


 すると、女の顔は赤くなり息を荒げ始める。
 冬の公園のベンチで吐息と共に漏れる白い息。
 女の眼鏡が曇り出すと女はローブの中に手を入れた……。少し声を出し悶える。
「あぁ…ハァハァ…うぁん、だめぇ…」
 そして小刻みに震え出すと、ビクッと身体を浮かせてアヘ顔になり、唾液を垂らしてグタリと横たわった。


 ———どうやらこの【媚薬】は生き物を快楽的に絶頂へと追い込みようだ。




〈 眼鏡っ娘♡の称号を得ました。
〈 インキュバスの王の称号を得ました。
〈媚薬レベルup

は?眼鏡っ娘?

ピッ!

----------------
名前・佐藤・真白(男)
LV1
魔法・昇天魔法
HP:19/19
MP:20/20

スキル:【媚薬lv.3】

装備:【異世界のロンT】【異世界のブーツ】【異世界のスリムパンツ黒】

称号:(色欲の悪魔)
(インュバスの王)(眼鏡っ娘♡)
----------------

あっ、称号が増えてるけども
何じゃこりゃー!

え?何?この眼鏡っ娘萌えーな感じの称号。
こんなもの誰にも見せれねーし、自慢できねーよ。

俺は街を出る前に少しだけ散歩して、色々な店を見て回ろうとしていた。


ーーーーー今日は街に人が溢れかえっている。
何かのイベントだろうか?


「リンゼ姫のお通りだ、道を開けろ!」


どうやら王室の馬車が通るようだ。
俺をこの異世界へと転送した姫様である。
何処かへと向かうらしい。
後ろの馬車には、俺と来た4人の男女も乗っている。

何だろうか、この格差は…

馬車の中から金髪碧眼の姫様が顔を出し、愛想良く国民達に笑顔で手を振っている。

それを見ていると、良からぬ発想が俺の脳裏を過る。

異世界にまで転送しておいて、何食わぬ顔で俺を城から追い出した罰を受けて貰おうか。
まぁ、別に死ぬ訳じゃない。
どちらかと言うと気持ち良すぎて快楽絶頂する訳だし、良い事してるよね?
いいー仕事してますよね?

で、頭を過ぎった考えがこちら↓

{皆の前で、あの笑顔を卑猥な顔にしたら、どうなるだろ?}


何を思ったか俺は右手を姫様に向け、魔法を放ってしまったのである。

ーーーーー媚薬!

ピンク色の霧が彼女に向かって飛んでいく。
それに気付いた姫様は、魔法を放った俺の事をチラリと見たのである。

げっ、目が合ってしまった。

魔法を受けた姫様は、大きく目を見開くと、手を馬車に引っ込めた。
小刻みに震え出す彼女の目はトロリ瞼を下げ
口を軽く開くと自分の身体を摩る様に抱きしめる……。
すると、ビクッと身体を浮かせた後、
アヘ顔で馬車の中へと倒れ込んでいった。

それを見て国民達は騒つき始め、俺はその場を逃げる様に立ち去ったのだった。


ザッザッザッザッザッザッ
俺は猛ダッシュで逃げ出した!


なんか少し罪悪感が襲って来た。
まぁ、でもさ、痛い訳じゃないし、気持ちよくて気絶する訳だし、悪い事ではないよな?

そう自分で自分を励まし続け、気を落ち着かせたのである。

この日の事が、後々、大変な事になるとも知らずに……。



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