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罪031 挿絵

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「悪いけど俺は、お前に興味が無いんだ。じゃ♡俺はこれで失礼する。」

それに食いついたのは織姫じゃなくボルグだった。

「おい待て!シュガー!何故貴様がここに居る!そしてもう1人のシュガーは何者だ?」
「………それより、真白さんはどうしたのです?」

くっ…見た目は少女なのに…クロネってこういう時でも冷静だな。参ったな、まさか2人が戻ってくるなんて…しかも海王というスゲーオマケも連れて来る始末。
面倒い事になる前に…ここを早く離れないと…。
これ以上、この廃墟と化した場所で闘うのは危険だ。いつ崩れてもおかしくない。
兎に角、外に出ないと…。


「知らねーよ。お前達の相手をしてる暇は無いんだ。帰らせてもらう。」


ボルグが牙を剥き出し更に食いついてくる。
友好的な態度は消え去り、俺事、シュガーへと向ける眼差しは獲物への執念の瞳だった。

「見す見す逃す訳ねーだろ。六億の首、俺と勝負しろシュガー!」
「まぁ、落ち着けズーの者。妾に良い考えがある。どうじゃ?シュガーの首が欲しければまず、妾と闘え!今からシュガー争奪戦じゃ。無論、ハンデはやろう。獣王の息子で有ろうともまだ主等は若い…。2人がかりでかかって来るがよい。」

こらこらこら、勝手に俺を取り合うのはやめてくれ。それに織姫…さっき少しやりあっただけでも見て取れる…。こいつは只者じゃない
幾らボルグでも…こいつと闘うのは不味いだろ。
織姫の提案に何の躊躇も無く真っ向から受けるつもりでいるボルグ達、いや、クロネは少し浮かない顔をしている。

「俺達も舐められたもんだぜ…なぁクロネ…。」
「ダメなのです。彼女は獣王様レベル…。二人掛かりでも勝てるかどうか…それに…。」
「ん?どうしたクロネ?」
「いえ、何でも無いのです。私は戦わないのです。やるならボルグ…あなただけでやるのですね。」
「おい、お前ともあろう者が…海王と闘えるチャンスなんだぜ?どうした?」
「私は海王に興味は無いのです。強い者と闘えるのは喜ばしいのですが…少し…この件は複雑なのです。」
「ちっ。訳が分からねー。俺はやるぜ。」

ボルグが前に出て織姫と向き合う。
先程からクロネの目線が俺をチラチラと見ているが…何だ?何かを怪しんでいるのか?
この子は鋭そうだから…何か嫌な予感がする。

「話は纏まったか?どうじゃ?」

冷たい微笑を浮かべる織姫…。
2人ともやる気なのは良いが…この場所で闘うのは不味いって…。

「おい!お前達、俺を取り合うのは勝手だけれど、ここで闘えば背後の女2人も巻き添いを食うんじゃ無いのか?この建物は間も無く崩れるぞ?やるなら外でやれよ!」

「魔王の娘とは思えない発言だなおい。」
「うむ。シュガーの言う事も一理あるの。場所を変えるかの。」


◇◆◇

俺達はギルドを出て近くの森へとやって来た。
居なくなった程で真白を心配するパルメとクルルの大根役者振りには恐れをなしたが、どうやらバトルに夢中で上手く誤魔化せているようだ。
はぁ。しかし面倒な事になった。
森の開けた場所に立ち…織姫が口を開く。

「この辺りで良かろ?さぁ始めるかの。どっからでもかかって来るが良い。」
「ちっ。舐めやがって。」

織姫とボルグの戦いが始まる。
ジリジリと織姫の周りを歩き隙を伺うボルグ…。
だが、織姫は微動だにしない。

息を飲み見守る俺にクロネが横から話しかけてくる。

「ねぇ。真白さん…。ボルグと織姫。どっちが勝つと思うのです?」
「ん?俺か?えっ?いや、真白って誰だよ?俺はシュガーだけれど?」
「失礼したのです。シュガーさんでしたね。」

危ねー。危うく誘導尋問に引っかかる所だった。
間違いない。この子は俺を疑っている。
確かに…少し感の鋭い奴なら気付く事だろう。
だって、声と身体と顔は違っても…髪型と服装は同じだもんな俺…。
クロネの疑いからどうにか話を晒そうと考えた時だった。
何処からか女性の声が森に響き渡ったのだ。

「見つけたぞ!こんな場所まで来て何をしているのだ!」

その声に1番に反応したのは織姫であった。

「なぬ?この声は…不味いの。もうここまで追って来おったのか。」

何だ?織姫の冷静な顔が緩み…青ざめている。
森の奥からザッザッと統一の取れた足音が聞こえてくる。それは段々と近づくにつれ姿を露わにしたのだった。
大勢の男女。皆統一した着物の様な衣装を身に纏ってはいるものの、姿や形は様々であった。
それを見て俺達は声を失った。

「何だありゃ?」
「あれは…魚人なのです。きっと…織姫の部下なのです。」

蟹のハサミの様な手をし、片目には眼帯、それに白い軍服を着た女を筆頭に…色様々な魚人達が歩いてくる。
彼女達はそのまま織姫とボルグを取り囲むように輪になると武器を構える。
すると筆頭に立っているハサミ女が一歩前に出て、口を開いた。

「織姫!貴様は勝手に陸に上がり、こんな場所で何をしている!さぁ、帰るぞ!お前達!早急に織姫を捕らえよ!封印の網を張れ!」
「いや、キャンサミー。これはの。少し訳があっての。嫌じゃ!嫌じゃ!まだ用事が済んでおらぬのじゃ!」
「何を訳のわからんことを言っている!貴様は海王の自覚がまだ足らん様だな!帰ったら仕事がたまっているぞ!それが終わるまでは眠る事は出来ぬと思え!」

何かの魔法だろうけど、魚人達が一斉に魔法を行使すると光の網のような物が織姫を包み込んだのだった。涙を浮かべ語りかける織姫…先程のクールな一面が嘘ように網に囚われ魚人達に抱え上げられている。

「嫌じゃ!帰りたくない!離せ!妾はまだ用が済んでおらぬ!シュガー!さぁ、妾と共に!こらお前達!妾を誰と心得る!離さんか!妾は海王ぞ!嫌じゃ!離せ!」

織姫の叫びに少し狼狽える魚人達…。彼等に喝を入れるのは軍服のハサミ女である。

「狼狽えるな!こいつは海王だが、罪を犯した罪人でもある!これは強制執行なのだ!さぁ、連れて行け!」

網の中から俺に手を伸ばし泣き叫ぶ織姫!

「シュガー!これは根性の別れでは無い。妾達は何度引き裂かれ様とも…また繋がる運命じゃ!また会おうぞ!」

まるで子供の様に網の中でジタバタしながら泣き叫ぶ織姫…。魚人達に連れられてドナドナと売られていく様に寂しそうな瞳で見つめていた。
呆気に取られる呆然と立ち尽くすボルグ…。
俺をチラチラと見ながら横に立つクロネ…。
魚人達に連れられてどんどん小さくなっていく織姫…。
全ては、一瞬の出来事であった。
すると、場に残った軍服ハサミ女が俺に近付き口を開いた。

「私は海王教育係件、海王軍副将を務めるキャンサミー・マクラーレンだ。シュガーとやら、うちの海王が迷惑をかけたようだな。済まなかった。」

「いや…別にまだこれと言って迷惑はかかってはいないが…。まぁ、彼女には宜しく言っておいてくれ。」

「そうか、そう言ってくれると私も肩の荷が降りる。あいつはまだ海王に成り立てでな。私も苦労しているのだ。済まなかった。では、私はこれで失礼する。」

ビシッと敬礼をすると踵をクルリと回し、立ち去っていくキャンサミーさん。
軍人の鏡のような礼儀正しさだった。

「さてと…邪魔者も消え去った所で…どうする?守ってくれる海王様も居なくなった今、もう、逃げられねーぜ?」


真顔で見つめるクロネ、その横に立つボルグが笑みを浮かべ語る。
何だか、今日はもう本当に散々だな。

「あぁ、そうだな。でも、できれば見逃して貰いたいのだけれど…?ってなわけで、ここでサヨナラだ!バイブ!震度6、振動拳ーっ!はあああっ!」

俺は振動拳で地面を殴りつけ地震を起こす。
地面が揺れる中、ボルグは膝をついて耐えている。

「ちっ、地震を起こすとかテメーは化け物かよ?重力波!」

ボルグが放った魔法は彼を中心にパァーンと空気の波の様な物が広がった。その刹那、俺の身体が重くなる。
「ぐはぁっ。身体が何かに押しつぶされそうだ。これが重力魔か…くっ。初めて使うがこの際、もうどうにでもなれ。亀甲縛り!」



赤い縄が2人の身体に絡まる。
それはみるみる身体を縛り上げ、見事に亀甲縛りを完成させていくのだった。
縛られていくボルグとクロネは声を荒げ騒ぎ出す。


「うわっ何だこりゃ!うぐぁ」
「いゃん。あっ、んんっ。何なのです!」


その瞬間、俺に降りかかる重みは消え伏せた。
亀甲に縛られる獣人達…どうやら縛られた者は魔法を使う事ができないようだ。
しかし、ボルグお前には悪いことをした…。
だが、これも俺の命の安全のためだ。

「その縄は時間が経てば解ける。暫くはそのまま、大人しくしてろ。」

「うおおおおお!、見るな!おれを見るんじゃねぇ!」
「いゃぁん。これ、何かえっちいのです。」


2人の霰も無い姿を食い入るように見つめる妻達…。


「はぁはぁ。何と…何と羨ましい。あれは何だ!旦那様!あれは…あれは!一体!」

「おーいパルメ…。縛られたそうな顔をするのはやめようね。」

「はわわわ。あれは…乳房を囲うようにギュッと縛り上げ、淫らな部分を程良く強調させている。そして股の間にグッと食い込む荒縄…それは彼女達の猥褻な部分に刺激を与え、身体を動かせば動かすほどに、その荒縄のゴツゴツ感が彼女達のシンボルを擦り上げる。その刺激と羞恥心に塗れ、溢れ出す淫らな蜜は、その荒縄にジワリと染み込んでいく。これが、これが亀甲縛りなのですね。」

「クルル…長い解説ありがとう!だが、感動してる場合じゃないからね。俺、先に逃げるから。後で合流するから、おーい二人共、聞いてるのか?」

「後で、あれを、あれを私にもしてくれないだろうか?」
「私もあれに少し興味があります!是非、私にも。」

「はぁ。わかった…気が向いたらな。とりあえず、俺はここから逃げて変態を解く!後は任せた。」


俺は急いで森を飛び出した。
亀甲縛りの効果が切れる前に変態を解かないと…。
街に戻り、人気の少ない路地へと入る。
辺りを見回し変態を解除。

ふぅ…これで後は何食わぬ顔顔でアイツらの前に…。
っと…ホッとしたのも束の間だった。

「やはり…貴方だったのですね。真白さん。」

げっ…クロネ…。
路地の先に立つのは猫耳をしたい小さな少女。
クロネは眉を寄せて俺を睨みつけていた。

「どうして…どうやって亀甲縛りを逃れたんだ?」

「幸いにも私のお胸は成長途中なのです。ですから今は少し小さいのですよ。それが幸いにも縄を緩め、どうにか解く事ができたと言う訳なのです。自分で言ってて何ですが、少し癪にさわるのです…。」

ジャギーンと指から爪を出すクロネ…。その目は先程とは打って変わり、俺を敵対視した冷ややかな瞳をしている。

「さぁ、殺りましょうです。6億の首…私が頂くのです。」
「ちょい待った!クロネ…!」
「問答無用なのです!血風の爪ブラッディネイル

クロネの行使した魔法は3つの三日月型の斬撃の様なもの…それは幸いにも俺の身体を掠めていったのだった。


「どうして避けようとしないのです?まさか…戦う気は無いとか言うつもりなのですか?」

「いや、正直、早すぎて動けなかっただけなんだが?なぁ、クロネ。1つ聴きたいんだけれど、このまま黙って見逃してくれる気は無いよな?」

「無論、ありません。次は外さないのです。覚悟して下さい。」

参った…。ここで口止めしとかないと…ボルグ達にまで知られたら、もう普通にノンビリとは生きて行けなさそうだしな。ロリコン趣味はないけれど…仕方ない。

「悪いなクロネ!ストーカー発動!」
「それは私には効かないのです。血風の爪ブラッディネイル!」

クロネが放った風の斬撃。それは見えないはずの俺に向かって、飛んでくるのだった。
くっ…何故、俺の居場所が分かる?
斬撃を何とか躱すも、目の前に突如姿を現わすクロネ。

「くっ…動きが早い…。」

だが、接近戦は有り難い。
女が相手なら負ける気はしないんだよな。
満里奈さんを除いて…。
鋭い爪で切り裂こうとするクロネの右腕を掴み、魔法を行使!

台風の爪タイフーンネイル!」

腕を掴んだ刹那、クロネは爪を立て駒の様に急回転を始める。彼女の身体の周りには竜巻の様な風が吹き荒れるのだった。

「ぐっ。」

腕を前にクロスさせ竜巻に耐えるものの、俺の腕がどんどん切り刻まれていく。
これは爪跡!このままじゃ、腕が使い物にならなくなってしまう。
距離を取る為に後ろへと飛び退き様子を見る。
目の前には、人1人分の小さな竜巻が轟音を立て、路地の真ん中で渦巻いている。
これじゃ、媚薬を放つどころか近づく事さえできない。どうにか触れさえすれば良いのだけれど…。
ん?待てよ…。何が起こるか分からないスキルだけれど、アレを試してみるか…一か八かの勝負だ。

「ラッキースケベ!」

できれば…このスキルだけは使いたく無かった…、
さぁ、どうなるんだ?こっちまでヒヤヒヤさせられるな…。

「にゃっ!!」
「げっ!」

まるで操縦不能にでもなったかの様に竜巻がフラフラと彷徨い始めた。
そのまま俺に猛スピードで向かって来るではないか…。ラッキーでも何でも無いじゃないか!
あんな物に体当たりされたら身体がズタスダに引き裂かれてしまう!
俺はがむしゃらに走った。
だが、小さな竜巻はまるで追跡して来るかの様にどこまでも追って来る。
暫く走ると路地の奥は見事に行き止まりになっていた。
しまった!背後を振り返ると直ぐにそこには勢いを増し渦巻く小さな竜巻。

「うわぁああ!クロネこっちに来るな!」
「にゃあああ!目が回ったのです。」
「えっ?」

ぶつかるかと思いきや、竜巻は目の前でピタリと止まりフワリと風が消え去った。
目を蚊取線香の様にグルグルとさせながら、フラフラと歩くクロネは、勢い余って俺に覆いかぶさって来る。
俺は足元にあるロープを踏みけ、そのまま勢い良く背後に倒れ込んでしまった。

「ちょっ!げっ!何だこれ!」
「ふにゃあ。目が、目が回ったのです。」

仰向けに寝そべる俺の顔の上に跨るクロネ…。
ぐっ!顔にクロネの股が押し付けられる。
これは…逆向きマウントポジションならぬ顔面騎乗!

「むむっ。これは!形はどうれあれマウントを取ったのです。さぁ、覚悟なのです。」

爪をシャキンと出し、俺の身体を切り裂こうとするクロネ…
ダメだ…このままじゃやられる!

媚薬タッチ!

クロネの身体にピンクの霧が纏う。
その刹那、目を大きく見開き、彼女の爪は手の中に引っ込んでいく。

「んにゃああっ…。何なのれす…これ…。んぁっ。身体が、身体が熱いのです。んんっ。」


モゾモゾと動き始めると、偶然にも絡まったロープが俺を縛り付けていく。
これじゃ動けない…。


「んあっ…いゃあん。らめなのれす。何をしたのれす。んんぁっ。はぁはぁはぁ。」

クロネは股で俺の顔を挟み込み悶え始める。

「…んっあ。なんか変な気分なのです…あっ………あっ…あ、ァンッ…」
「クロネ…ちょっ、ダメだって!」

クロネは股をグイグイと俺の顔に押し付けて腰を動かし始めるのだった。
不味い…このままじゃ、少女と間違いを犯してしまう。何とか…んなっ!

「んはっ…だめなのです。えっちいのは恥ずかしいのです。でもぉ…身体が止まらないのです。お股が熱いっんんっのれす。はぁはぁ…んぁっ。」

どんどん激しく俺の顔に股を擦りつけるクロネ…。
やばい…こんな所、人に見られでもしたら…マルタと同じく…ロリコン認定されてしまうじゃないか。
何とかしないと…んぐっあっ!
すると、クロネは股の間で俺の口を塞ぐ。
グッと顔を挟み込みながら、更に強く押し付けてくる。んがっ、息が…息ができない。

「んぁっ、あんっ、あっ…真白さんの息が当たって…どんどん….お股が熱くなるのです。んああああっ…。」

クロネはそう語ると俺の口に花園を押し付け擦りつける。
下着のシミが広がり、どんどん蜜が溢れ出している。
それは俺の口元に満遍なく垂れ、ピチャピチャと音を立てるほどであった。
このままじゃ…クロネの股の間で窒息死してしまう。仕方ない。
俺は呼吸を確保する為に舌を使ってクロネの花園を押し返すが逆に彼女の花園に舌先が入ってしまった。

「んあああああっ!らメェ。そんな事したら…ばっちぃ所、舐めちゃらめぇ。んあっ…えっちぃのはダメなのです!んぁっ、あっあああっ、でも、腰がとまらないのです。いっ…いいっ…いやぁああん。」
「んぐぁっ…クロネ…し、死ぬ、息が…、」

どんどん溢れる蜜は俺の口の中を潤わせていく。
クロネの愛液で溺死してしまうなんて事もありえる。卑猥な蜜の香りと味が広がる。
そのまま激しく腰を振り続けるクロネ…

「んぁっらめぇらめぇああっ、いっやぁああああっ、」
「早くイッてくれ…じゃないと死ぬっ…。」

次の瞬間…クロネの身体の力が抜ける。
腰を振るのやめ、腰を浮かし、ヒクヒクと身体を跳ねさせたのだった。

「はぁはぁ…死ぬかと思った。呼吸確保。」
「んぁっ…はぁはぁ…ンンッ…頭が真っ白になったのです…はぁはぁ…何なのですか…この魔法は…はぁはぁっ…この体勢…恥ずかしくて死にそうなのです…はぁはぁ。」

我を取り戻したのか…息を荒げながら、そう語るクロネ…。
いつの間にか俺の口の周りはクロネの蜜でベトベトになっていた。

「居ました!あそこです!」
「えっ?」「はっ?」「ええっ?」


顔面騎乗したまま達しているクロネを見て…駆けつけた妻2人とボルグは一斉に驚きの言葉を発した。
無理も無いわな…この状況を見れば…。

「真白…クロネ…お前達…いつの間にそんな関係に…おほん…なんか…邪魔しちまったな。悪い。」

俺達を見て気まずそうに目を逸らすボルグ…。

「はわわわっ….主人様…ついに少女にまで手を出したのですね。」
「旦那様!私達を差し置いて少女とそんな羨ましい事をするとは…見損なったぞ!」

「みんな…言いたい事は分かるが…俺に絡まったロープを解いてくれないだろうか…。あと、クロネ…そろそろ退いてくれないか?」


◆◇◇


こうして、慌ただしい俺の一日が終わる。
突如現れ、颯爽と連れさられて行った海王。
アイツは一体、何をしに来たんだろうか?
あれからクロネの態度は一変して、シュガーの正体が俺である事をボルグには内緒にしてくれている。
だが、その代わりに俺は彼女に代償を払わなければならなくなってしまった。


あれ以来…ボルグの目を盗んでは俺の元にやって来るクロネ。
あの時に絡まったロープを2人の思い出の品だと言い張り、自分の身体に巻いている熱意振りを見せる。

「自分を負かせた男に好意を寄せる。」

獣人族の決まりもまた、パルメと似たようなもんだったのだ。
しかし、あれは俺の勝ちになるのだろうか?

「真白さん!ねぇー!聞いてるのです?ねー!聞いてるの?ねー!私とツガイになるのです!あんな事をして責任ある対処を取って欲しいのです!」


ピョンピョンと跳ねながら、俺の手を引っ張るクロネ。

「何を言ってやがる!幼女と結婚なんてしてみろ!それこそロリコンだと世間に晒すようなもんだ!あれは不可抗力だ!」

「なら、ボルグに全て、洗いざらい話すのです。良いのですか?さぁ、とりあえず今日は私とデートをして交流を深めるのです!ですが、えっちぃ事は無しなのです!行くのです!真白さん!早く!」

「分かったよ…はぁ。全く…。」


◆◇◆


魔王城

城の王座に座る男に跪き、話をする騎士姿のシュガー。

「魔王様!シュガーを見つけました。」
「ほぉ、そうかでかしたぞメフィストよ。」
「ですが、海王が現れ…交渉の邪魔をされてしまいました。」
「海王だと?奴等は手を組んでいると言う事か?」
「いえ、それは定かではありませんが…。暫く様子を見ようかと…。」

「分かった。この件はお前に全て任せる。良い結果を期待しているぞ!」
「御意!」



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