昇天魔法の使い道、貴女を天国へイカせます!

赤夢

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罪033 挿絵

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穏やかな夜…月は真ん丸とした満月。
深夜、誰もがスヤスヤと眠る頃…俺は1人…眠れずにいたのだった。
【安眠】安らかな眠り…。
それは俺にとって、今1番欲する欲求の1つである。
俺は毎晩、悪夢を見て目覚める。
ある時は大きな饅頭に挟まれ窒息する夢。
ある時は狭い部屋の中に閉じ込められ圧縮されて苦しむ夢。
数えればキリがない程の悪夢に魘されている。
その原因は…彼女達である。

「はぁ。まただ。またうなされた。」

目覚めると俺はパルメの胸の間に埋もれていた。
その圧迫感で窒息しそうなほどである。
俺のベッドに毎晩、忍び込んでくる2人の妻…。
一緒に寝るのは構わない…。
だが、俺のベッドはシングルサイズ…。
しかも2人にギュウギュウに挟まれて圧迫死しそうになった事もある。

「んんっ…旦那様…っ…そこはダメだ…」
「うっ…はぐぁ…。ちょ…ちょいパルメ…んぐぁ」

パルメが寝ぼけて俺の顔を胸の中に埋める…。
あぁ柔らかい…だが、く、く苦しい…。

「んぁん。主人様ぁ…。」

クルルが寝ぼけて俺の頭を抱きしめ引き寄せる。
それに対抗し、パルメも負けじと俺の頭を引っ張る。
ちょっ…2人とも…寝てるいるんだよな?
こらこら…。
痛いっ…あっ柔らかい…うっ…ちょっ…苦しい…。

「だぁぁああ!痛いし!狭いし!窮屈だし!苦しいし。柔らかい。」

つい、 俺の心の叫びが…声に出てしまった。
その声に驚いて目を覚ます2人の妻。

「んんっ…どうしたのだ旦那様?」
「ふぁぁあ。どうしました?主人様?」
「2人共、いつの間に俺のベッドで寝ているんだよ?」

「だって…夫婦ですから…ポッ。」
「私は旦那様に触れていないと安眠できんのだ!」
「うーん…。このままじゃ、俺が睡眠不足になってしまう。それに命の危機も感じるしな。そもそもベッドが狭すぎて3人で寝るには無理があるんだ。だから3人で安全に眠れる大きなベッドを買いに行かないか?」

そんな俺の呟きに…妻達は歓喜の声を上げた。

「おおっ!これからは毎日、旦那様と眠れるのだな?」
「それは賛成です!大きなベッドを買いましょう。」

◆◆◇


てな訳で、朝食を食べ直ぐに街に出て、3人が広々と眠れるベッドを買いに街に来ているわけだが…スノウとアビリルまで着いてくる始末…。
ご機嫌な4人を余所目に欠伸が止まらない俺…ふあぁ、眠い…。


「旦那様!やはり夫婦は共に眠らないとな。」
「そうですね。これでいつでも主人様と…ポッ。」
「この際、皆で寝れば良いと思うんですけど?」
「嫌ですわよ!わ、わ、私は棺桶で寝ますわよ。で、でも、あなたがどうしてもと言うなら、偶にはご一緒しても宜しくてよ。」
「え?皆で寝るのは嫌だ。これ以上、安眠を妨害されたくはない。しかもスノウ!お前とは特に寝たくない。」
「なによそれ!なんで?なんで私だけええ!」
「やかましいからだ。」

それに…そんな大きなベッドがあるわけ無いだろ…。
それは何サイズだ?キングサイズよりも大きくなければならない。そんなもの特注でもしない限り…。

「お、あったぞ!」
「ありましたね。」
「あなた達、これなら広々と寝れますわね。」
「ふっふっ…この大きさなら寝技もかけ放題よね。私のペガサスバスターを喰らいなさい真白っち。」
「いや、スノウ…。お前の技はベッドの上であろうと、人の命を奪いかねないからやめてくれ。というか…こんな馬鹿デカい寝具が売っている事に驚きを隠せないのだけれど…。」

これは…ベッドなのか?部屋4畳分の大きさがある。
まるで小さなプロレスのリングに豪華な装飾品を付けたような…。ん?何か書いてあるな…。どれどれ…

【スーパーロイヤルキングダムベッド!
大特価!3,000,000ルピーのところ、
今ならなんと1,900,000ルピー!!
夜の格闘技…やりたい放題です!】

何だその宣伝文句!というか…高過ぎるだろ!
日本なら車が1台は買える値段だぞ。
流石に無理だ。高過ぎる…。
こんな物をポンと買える奴なんて居るのかよ。

「ありがとうございます!では発送はいつ頃に致しましょうか?」
「発送は今日の夜までに頼んだぞ!住所はそれで間違いない!」
「パルメ、そこ住所が間違ってますわよ。」
「良いのが見つかって良かったですね。」
「ふむふむ…今日から皆で寝れるのね。」
「えええええーーっ!ここに居た!」

あれを買ったのか?何の迷いも無く…?
ケンタウロス王国の姫…恐るべしだな…。
しかもあんな大きな物をどうやって屋敷の中に入れるのだろうか?

「これって、屋敷に入るのか?」

俺の問いに不思議そうな顔をする4人…。

「あら?あなたは偶に妙な事をおっしゃいますわね?」
「ん?旦那様?魔法で小さくするのだ。」
「主人様、いつもはどの様にして家具を買われてるのですか?」
「は、はぁーん。さては真白っち…田舎者ね?」

成る程、魔法で小さくして運ぶのか…。
ん?じゃあ、屋敷にあるベッドを魔法で逆に大きくすれば良いだけの事じゃないのだろうか?
俺は素朴な疑問を投げかけてみた。

「小さくできるという事は大きくもできるんだよな?」
「旦那様…それは可能だが、時間が経てば、元ある大きさに戻ってしまうのだ。」
「運ぶ時などに使う運送魔法ですね。」
「あなたもしかして、家のベッドを大きくすれば良いとか単純な考えをしまして?」
「プププッ真白っち、お馬鹿さーん。バーカバーカ!無知ね?無知!くすくす。痛っ痛っいたたっ。ごめん!ゴメンってば真白っち!私が悪かったわよ!だからほっぺをつねらないでよ!」

んー。スノウに馬鹿にされるのが1番イラッとくるのだが…。
そっか、スノウでも知っているのか。
ここでは馬鹿でも分かる常識な事なんだな。
だが、俺は全く何も知らない。
これでは駄目だ。
いつも思うのだけれど、俺はもう少し、ブルームワールドの事を勉強した方が良いかも知れない。
んー。けれど…どうやって…。
4人にあれこれ聞くのは良いが…逆に話が逸れて勉強どころじゃなくなりそうだし…。
そうだ…!
俺と同じくここに転送されて来た皆はどうなんだろうか?
聖夜達なら詳しく勉強してそうだよな。

「あのさ、ベッドも見つかったし、俺は今からティン国に行って聖夜達に会おうと思うんだけれど?皆はどうする?」

少し間を空けてから答えるのはアビリル。

「あら、何か大切な用事ですの?私は新しい下着を何着か買いたいの。ですからもう少し買物致しますわ。」

それに続いてパルメ。

「はっ…それはもしや勝負下着…。それも良いな。それにベッドに合うシーツや枕なども購入したい。新しい寝室で新鮮なプレイ…まるで新婚初夜の時のような新鮮感を感じ…鼻息荒く迫り来る旦那様…。はっ…これは、なりきり新婚さんプレイ!ひゃん。胸が高鳴るな。」

そしてクルルまでもが…。

「そうですね。私も新しい寝室に合わせた…新しい勝負下着を…。主人様が興奮して眠れなくなるような下着を…買います!」

女子はこういう時、本当に楽しそうな顔をするな。

「こらこら…俺は安眠したいって言っているのだが?それにまだ新婚だろーが。」

そして馬鹿が…ここぞとばかりに俺を追い払う。

「ふふん。じゃあ、ここからは女子会と言う事で、真白っち!あんたはさっさとティン国でも何処でも行きなさい。」


◆◇◆


と、言う訳で…俺1人でティン国に来る事になったのだが、どうやらタイミングが悪かったようだ。
聖夜と陽毬ちゃんは2人で魔物討伐の依頼を受け、遠くの街に出かけていた。

そして俺の横には…残った勇者の1人が満面の笑みを浮かべて座っている。

「なるほどね。真白くん。じゃあ、お姉さんが優しく教えてあげるよん♡。」

そう、満里奈さんである。
違う事を優しく教えられそうで怖いのだけれど。

「いや、やはり…またにします。」
「あら、私じゃ嫌な訳?」

満里奈さんはニコリと笑うと立ち上がり扉の前へ…。そのままガチャリと鍵を閉めたのだった。
おーい。なんかもうこれって…。

「雷神の衣♡」

満里奈さんは剣を抜くと…魔法を行使する。
雷を全身に走らせ、パチパチと音を立てながら口を開いた。


「んふ♡。今日は絶対に逃がさないよん。」
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