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見舞い騒動4
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「……なんだんだよお前。ステラに何の用があって近づいてるんだ!」
「今までずっとひどい扱いをして、パーティーのあとも謝罪の申し込みを無視していたというのに、ずいぶんと未練たらしいですね。今日会って彼女の魅力に今さら気付きましたか?」
「っ……」
図星だった。
デリックから見たステラはずっと枯れ枝のような女だった。
痩せぎすの身体、枯葉色の髪、似合わないドレスは見すぼらしさをさらに際立たせていた。
それなのに気は強く、年上のデリックやブリジットより頭が良いのだから嫌になる。
婚約者として隣にいるのは、ちょっと抜けてて抱き心地の良さそうな女の方が気が楽だ。
(それに、ブリジットを手に入れれば俺も少しは……)
ブリジットの美しさは幼いころから有名だった。
ステラに使われるはずの資産も吸い取って、彼女は魅力を振りまいていた。
同年代の男はブリジットを手に入れようと躍起になり、グレアム家もそれを好機としてブリジットの「値段」を釣り上げた。
そんな中、デリックとステラの婚約が決まったのだ。
価値のない方をあてがわれたというのは幼いデリックにも分かる。
さらに妹の方か、という周囲の嘲笑がデリックの自尊心を傷つけた。
(ステラのせいだ。ステラのせいで俺は……!)
八つ当たりでステラにひどく接したが、デリックにとってそれは当然の報復だった。
生意気で、ステラが婚約者だというだけで馬鹿にされる。
とにかくステラが邪魔だったのだ。
幸いなのはブリジットが特になにも考えていなかったことだった。
彼女もステラにコンプレックスがあるようで、デリックを積極的に誘惑してきた。
ブリジットにとってはステラの婚約者を奪った達成感があり、デリックもステラではなく美しいブリジットを婚約者と出来て満足だった。
立場の弱いグレアム家に愛情を盾に婚約者の変更を申し込めばすんなりと受理された。
フィンリー家より権力があり年頃の男もそうそうおらず、お互いの落としどころだったのだろう。
しかし、あのパーティーで全てが変わってしまった。
長年いじめ続けた結果、ステラの精神は見るからに摩耗していた。
最後の仕上げとして完全に心を折るために用意した場に、なぜか部外者が現れた。
闖入者の登場に驚くデリックとブリジットの姿を見たステラはすぐに元々の冷静さを取り戻してしまったのだ。
そして、デリックは部外者に殴られたのである。
貴族であるデリックに対して遠慮のない拳は、頬の腫れが引いたあとでも痛みをまざまざと思い出せる。
虚勢を張ってはみたものの、ハウンドを前にすると身体がすくんでしまっていた。
しかしおそらくハウンドにはばれているのだろう。
紳士的ではあるのか、ハウンドはむやみに距離を詰めて怖がらせるようなことはしない。
「今までずっとひどい扱いをして、パーティーのあとも謝罪の申し込みを無視していたというのに、ずいぶんと未練たらしいですね。今日会って彼女の魅力に今さら気付きましたか?」
「っ……」
図星だった。
デリックから見たステラはずっと枯れ枝のような女だった。
痩せぎすの身体、枯葉色の髪、似合わないドレスは見すぼらしさをさらに際立たせていた。
それなのに気は強く、年上のデリックやブリジットより頭が良いのだから嫌になる。
婚約者として隣にいるのは、ちょっと抜けてて抱き心地の良さそうな女の方が気が楽だ。
(それに、ブリジットを手に入れれば俺も少しは……)
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生意気で、ステラが婚約者だというだけで馬鹿にされる。
とにかくステラが邪魔だったのだ。
幸いなのはブリジットが特になにも考えていなかったことだった。
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