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そら汰★

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 双子とデートぽいことをしてから一週間が過ぎようとしていた。
 自分は結構行動派だと思う。肉食系か草食系でいうなら肉食系だ。受け身でいるよりは攻めたい。そんな俺にしてはとてつもなくしおらしい今日この頃。
 愛してる、君に夢中と口では言っておきながら、双子はあれからお誘いどころか、構ってさえしてはくれない。なんとも身勝手極まりない。男なら攻めて当然ではないだろうか。
 おかげで一度は落ち着きをみせていたイライラとムラムラが再発だ。同じクラスに居る蒼海も挨拶程度で、まともに会話すらして来ない始末。
 どうやら俺は発情期に入ったらしい。尻を抉じ開けられたせいで女性ホルモンが分泌しているかもしれない。乙女のような思考に悩まされている。

「あーあー、……セックスしてぇ……」

 可憐な乙女はこんなことは言わないが、心の中で呟く分には問題ない。

「ちょ、ちょっとッ! 棉ちゃんッ!?」

 うしろから慌てた様子のみっちゃんの声が聞こえてくる。ハッとすると今が授業の真っ只中だったと正気に戻る。周りを見渡すと、俺の言葉を耳にしてしまった数名が同じように挙動不審に慌てふためいている。
 悪いと口パクしテヘペロ的なごめんねのポーズを取ると、なぜか真っ赤になり俯いていた。


「もう! 棉ちゃん、あれはないよ~」
「悪いってば。ちょっと乙女な国に行っていたの」

 授業が終わると早速みっちゃんから突っ込みが入る。

「乙女はあんな下品な言葉言わないよ。ヨッシーならともかく、あの英語教師の松田はキレたらヤバイよ? 本当に聞かれなくて良かったよ」
「あー確かに。まっつんに聞かれていたら補習行きだわなー」
「それで済めばいいけど。そんなに溜まっているなら、処理ぐらいしておきなよ」

 みっちゃんにオナっとけとオブラートに包まれながら進言される。もちろんすでに実施済みである。けれどなぜか途中で萎えるのだ。
 ちんこはしっかり勃起する。病気ではないと思うが、イク一歩手前でしらけてしまう。ムラムラしているのはそのせいもある。

「んー。そだねー。なんか煩悩払えることでもしようかな」
「そんなに重症なの? それなら合コンとかは?」
「いや……それはパス」
「セックスしたいのに?」
「えー。セックスするために付き合うってなんなのさ。みっちゃんサイテ~、ふけつぅ~」
「ははっ、それもそうだね。ならスポーツとか……バイトなんてどう?」
「なになに? 棉紅利バイト探し?」

 みっちゃんとの会話に佐藤がニヤけた顔で割り込んでくる。

「棉ちゃんがなにか始めたいってさ」
「ふーん。俺、紹介しようか? 週一でも問題ねぇし結構割りがいいとこ。棉紅利なら見た目もいいし、速攻採用して貰えるぜ?」

 パチンッとウィンクをかます佐藤は、新手の詐欺師にも見えなくもない。
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