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第4幕 盛り沢山な夏休み
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帰りの電車は爆睡で、気付くと悠斗の肩に寄り掛かっていた。ごめん重かった? と聞けば、全然と笑顔で返されむしろ嬉しそにしていた。
家に着いて玄関に入ると荷物を置いた悠斗からキスをしてきた。無事に帰って来た、ただいまの挨拶らしい。そのあとは約束していたお土産交換をした。
「瀬菜、今日は家に帰るね。お土産あとでゆっくり見てね」
「あ、うん。分かった。ならこれみんなに渡して?」
「うん、ありがとう。楽しかったね! 今日はゆっくり休んで? ああ、それと明日は雅臣と出かける予定だから寄れないかもしれないけど、連絡はするね?」
最近は毎日一緒に過ごしていた。悠斗も友達と予定ぐらいある。
「……そっか。俺も連絡入れるようにする」
また抱擁すると行ってきますのキスを交わし、名残惜しそうに悠斗は自分の家に帰っていった。
家に上がり洗濯物をカゴに入れてから部屋に行くと、どっと疲れが出てベッドに横になる。久々にひとりで居ることがなんだか不思議で、寂しさを感じて丸くなる。
俺ってばもう寂しいとか……どんだけあいつに依存してるんだよ……。
これは……やばいな……。
心の中で呟きながらため息を漏らすと、起き上がって早速悠斗のお土産を開けることにした。
袋を開けるとウサギが揺れる青色のシャープペンだった。
「ププッ、すげー悠斗らしいな」
悠斗にお土産のお礼と楽しかったことをメールで送信すると、悠斗からも同じように返事が返って来た。
『瀬菜のイヤホンジャック早速付けているよ! お揃いだと嬉しいね♪
シャープペンは宿題とか頑張れるようにおまじないみたいな?
みんなもお土産喜んでいた。
瀬菜が真剣に選んでたことも伝えたよ~』
「そんなことまで言わなくていいのに……へへっ」
自分用のイヤホンジャックもスマホに付けると、悠斗と繋がってる感じがする。ウサギのラビたんがスマホの淵に手をつき、落ちないように背面に足を掛けひょっこりと顔を覗かせている姿は癒される。
そのあとも色々な写真を見ながら画像を整理していく。つい先ほどまで悠斗とここに居たんだなと、感傷に浸りながら楽しかった時間を胸に刻んでいった。
明日は久々にひとりなので、村上に遊びの誘いをメールする。速攻で返事を受信し、駅前にお昼頃待ち合わせすることになった。
***
翌日の朝、久々に誰も居ない家は物静かで、ずいぶん遅い起床になってしまった。それでも待ち合わせの時間まで余裕があり、家のことを片付け残った時間は早速悠斗から貰ったシャープペンを使い宿題を進めた。
昨日の夜は疲れているというのに中々眠れなかった。悠斗が隣に居ないとどうにも調子が狂うのだ。
本気でちゃんとしないと……。
人のせいにしちゃいかんね。
けど……常に一緒って、もしや人間ダメになるのか?
中々進まない宿題と並行し、人生について考えていると余計に課題が捗らない。そうこうしているうちに約束の時間になり、急いで支度をし家を出る。走りながらまた思う。
はぁ~~俺ってばひとりじゃ本当になにもできないな!
完璧遅刻じゃん‼︎
息を切らして駅前に到着すると、村上の元に駆け寄る。
「ハァハァ……ごめっ……遅れた……ハァハァ……」
「柳ちゃんおひさ~♪ そんなに走らなくて良かったのに」
「……いや……人として……約束……守んなきゃ……てか、俺から誘った……し……ゼィゼィ……」
切れぎれに謝罪をする俺の姿に、村上は怒る訳でもなく笑っている。
「はははっ! ちょっと落ち着いて。柳ちゃんは意外と真面目ちゃんだね~」
家に着いて玄関に入ると荷物を置いた悠斗からキスをしてきた。無事に帰って来た、ただいまの挨拶らしい。そのあとは約束していたお土産交換をした。
「瀬菜、今日は家に帰るね。お土産あとでゆっくり見てね」
「あ、うん。分かった。ならこれみんなに渡して?」
「うん、ありがとう。楽しかったね! 今日はゆっくり休んで? ああ、それと明日は雅臣と出かける予定だから寄れないかもしれないけど、連絡はするね?」
最近は毎日一緒に過ごしていた。悠斗も友達と予定ぐらいある。
「……そっか。俺も連絡入れるようにする」
また抱擁すると行ってきますのキスを交わし、名残惜しそうに悠斗は自分の家に帰っていった。
家に上がり洗濯物をカゴに入れてから部屋に行くと、どっと疲れが出てベッドに横になる。久々にひとりで居ることがなんだか不思議で、寂しさを感じて丸くなる。
俺ってばもう寂しいとか……どんだけあいつに依存してるんだよ……。
これは……やばいな……。
心の中で呟きながらため息を漏らすと、起き上がって早速悠斗のお土産を開けることにした。
袋を開けるとウサギが揺れる青色のシャープペンだった。
「ププッ、すげー悠斗らしいな」
悠斗にお土産のお礼と楽しかったことをメールで送信すると、悠斗からも同じように返事が返って来た。
『瀬菜のイヤホンジャック早速付けているよ! お揃いだと嬉しいね♪
シャープペンは宿題とか頑張れるようにおまじないみたいな?
みんなもお土産喜んでいた。
瀬菜が真剣に選んでたことも伝えたよ~』
「そんなことまで言わなくていいのに……へへっ」
自分用のイヤホンジャックもスマホに付けると、悠斗と繋がってる感じがする。ウサギのラビたんがスマホの淵に手をつき、落ちないように背面に足を掛けひょっこりと顔を覗かせている姿は癒される。
そのあとも色々な写真を見ながら画像を整理していく。つい先ほどまで悠斗とここに居たんだなと、感傷に浸りながら楽しかった時間を胸に刻んでいった。
明日は久々にひとりなので、村上に遊びの誘いをメールする。速攻で返事を受信し、駅前にお昼頃待ち合わせすることになった。
***
翌日の朝、久々に誰も居ない家は物静かで、ずいぶん遅い起床になってしまった。それでも待ち合わせの時間まで余裕があり、家のことを片付け残った時間は早速悠斗から貰ったシャープペンを使い宿題を進めた。
昨日の夜は疲れているというのに中々眠れなかった。悠斗が隣に居ないとどうにも調子が狂うのだ。
本気でちゃんとしないと……。
人のせいにしちゃいかんね。
けど……常に一緒って、もしや人間ダメになるのか?
中々進まない宿題と並行し、人生について考えていると余計に課題が捗らない。そうこうしているうちに約束の時間になり、急いで支度をし家を出る。走りながらまた思う。
はぁ~~俺ってばひとりじゃ本当になにもできないな!
完璧遅刻じゃん‼︎
息を切らして駅前に到着すると、村上の元に駆け寄る。
「ハァハァ……ごめっ……遅れた……ハァハァ……」
「柳ちゃんおひさ~♪ そんなに走らなくて良かったのに」
「……いや……人として……約束……守んなきゃ……てか、俺から誘った……し……ゼィゼィ……」
切れぎれに謝罪をする俺の姿に、村上は怒る訳でもなく笑っている。
「はははっ! ちょっと落ち着いて。柳ちゃんは意外と真面目ちゃんだね~」
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