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第21幕 卒業旅行は終わりで始まり
03
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実千流の言葉に、俺と悠斗の視線は環樹先輩の股間に釘づけだ。
「いやん♪ 視線で犯さないで♡」
俺の背後で震える実千流の手を取ると、まだ先輩とそういうことになっていなかった事実に驚きながら元気づけるつもりでエールを送った。
「実千流、大丈夫……最初は痛いけど、その内馴れるから!」
「やっぱ痛いの⁉︎」
ガーン! と効果音が聞こえるような青褪める実千流の面持ちに、なんとかしてあげたくなってしまう。
「えっと……どうだったかな。あっ、そうだ! 俺いいもの持ってるから実千流に一個あげる。多分これ使えば痛くないよ?」
「瀬菜……これなに?」
鞄からいそいそと、小さなパッケージに入った袋を渡す。
「気持ちよくなれるんだって! だから痛いとか、きっと分かんないよ!」
安心させるつもりで渡したそれを見ると、実千流はボッと顔を赤らめてしまう。
「王子さ、いつもそんなに酷いの?」
「いいえ……優しくしてるつもりですけど」
「姫乃ちゃん、なんであんなもん持ち歩いてる訳?」
「さぁ……あとでゆっくり身体に聞いてみます……」
「ほら、先輩だって鬼じゃないし、実千流を無理矢理襲うなんてしないよ?」
「う、うん……」
「姫乃ちゃんに釘刺されちゃったなぁ~。折角だしこれはもらっておこう~♪ ほら実千流、二人の邪魔しちゃ悪いだろ? 部屋に戻って色々確かめような~♪」
環樹先輩は実千流をヒョイっと持ち上げると、「お邪魔様~。王子、程々に~♪」と去って行った。
呆然とその姿を見送ると、腕を引かれベッドにポスンと押さえ込まれてしまう。目を丸め首を傾げると、俺を見下ろす悠斗はなぜか黒い笑顔で微笑んでいる。
「せーな♪ これ、なーに?」
ヒラヒラと実千流にあげたものと同じパッケージを振りながら、こめかみをヒクヒクとさせていた。
「あっーー! お前、勝手に俺の鞄漁ったな!」
「漁ってはいないよ? 拝借しただけ。それより、これどうしたの?」
「それは……その……落ちてた……」
「へぇーこんな怪しいものどこに落ちているの」
旅行鞄に忍ばせたそれは、自ら購入したものだ。ダメと言ったところでスイッチが入れば盛るのは目に見えている。だから持ち歩きもできる潤滑剤を探し、コンパクトなサイズのものを旅行前に購入したのだ。届いたものをよく見ると驚くことに、たっぷり媚薬効果のあるラブローションだった。
エロイことばかり考えているようで、恥ずかしくて言える訳がない。十八歳になり、高校も卒業し気持ち的にちょっぴり大人になった俺は、アダルトサイトに足を踏み入れたのも内緒にしておきたかった。
「いやん♪ 視線で犯さないで♡」
俺の背後で震える実千流の手を取ると、まだ先輩とそういうことになっていなかった事実に驚きながら元気づけるつもりでエールを送った。
「実千流、大丈夫……最初は痛いけど、その内馴れるから!」
「やっぱ痛いの⁉︎」
ガーン! と効果音が聞こえるような青褪める実千流の面持ちに、なんとかしてあげたくなってしまう。
「えっと……どうだったかな。あっ、そうだ! 俺いいもの持ってるから実千流に一個あげる。多分これ使えば痛くないよ?」
「瀬菜……これなに?」
鞄からいそいそと、小さなパッケージに入った袋を渡す。
「気持ちよくなれるんだって! だから痛いとか、きっと分かんないよ!」
安心させるつもりで渡したそれを見ると、実千流はボッと顔を赤らめてしまう。
「王子さ、いつもそんなに酷いの?」
「いいえ……優しくしてるつもりですけど」
「姫乃ちゃん、なんであんなもん持ち歩いてる訳?」
「さぁ……あとでゆっくり身体に聞いてみます……」
「ほら、先輩だって鬼じゃないし、実千流を無理矢理襲うなんてしないよ?」
「う、うん……」
「姫乃ちゃんに釘刺されちゃったなぁ~。折角だしこれはもらっておこう~♪ ほら実千流、二人の邪魔しちゃ悪いだろ? 部屋に戻って色々確かめような~♪」
環樹先輩は実千流をヒョイっと持ち上げると、「お邪魔様~。王子、程々に~♪」と去って行った。
呆然とその姿を見送ると、腕を引かれベッドにポスンと押さえ込まれてしまう。目を丸め首を傾げると、俺を見下ろす悠斗はなぜか黒い笑顔で微笑んでいる。
「せーな♪ これ、なーに?」
ヒラヒラと実千流にあげたものと同じパッケージを振りながら、こめかみをヒクヒクとさせていた。
「あっーー! お前、勝手に俺の鞄漁ったな!」
「漁ってはいないよ? 拝借しただけ。それより、これどうしたの?」
「それは……その……落ちてた……」
「へぇーこんな怪しいものどこに落ちているの」
旅行鞄に忍ばせたそれは、自ら購入したものだ。ダメと言ったところでスイッチが入れば盛るのは目に見えている。だから持ち歩きもできる潤滑剤を探し、コンパクトなサイズのものを旅行前に購入したのだ。届いたものをよく見ると驚くことに、たっぷり媚薬効果のあるラブローションだった。
エロイことばかり考えているようで、恥ずかしくて言える訳がない。十八歳になり、高校も卒業し気持ち的にちょっぴり大人になった俺は、アダルトサイトに足を踏み入れたのも内緒にしておきたかった。
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