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再会
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日曜日、朝陽は瑞月と二人で電車に乗り少し遠くの自然公園に来ていた。よく晴れている散策日和だったが、天気とは裏腹に朝陽の心はどんよりと曇っていた。新緑の中を歩いていく瑞月の背中を複雑な思いで見つめる。
朝陽は瑞月に初めて会った時から何かざわつく感覚があった。朝陽は知らず知らず瑞月に心を寄せていたのだ。それをようやく昨日自覚した。だが、同時に失恋することになってしまった。
瑞月が好意を寄せる相手は彼が子供の頃からずっと思い続けてきた相手だ。ポッと出の朝陽が敵うはずもない。だから今日で全てを諦めようと朝陽は家を出る時に決めて来た。
「風が気持ちいいね」
「そうだな」
さわさわと風が二人の間を通り抜ける。瑞月は被ってきた帽子を押さえて振り向き様に朝陽に微笑みかけた。
この笑顔が朝陽の決心を揺るがせている。できることなら朝陽にずっとその表情を向けていて欲しいと思ってしまう。
「ねえ朝陽、池の方行ってみない?」
「うん」
池の周りには植物が茂り、その間を水鳥が歩いている。人に慣れているようで朝陽達が近づいても焦って逃げる様子もない。
池に沿って散策すると紫色の花がちらほらと咲いていた。設置された看板を見るとカキツバタらしい。水鳥と一緒に写真に収めている人も見かけた。
それにしても瑞月は何故ここに来たがったのだろう。映画や買い物の方が二人きりの気まずさを紛らわせることができたのに。自然が好きなのだろうか。
池を一周して二人は一度休むことにした。瑞月を近くベンチに座らせて朝陽は自販機に飲み物を買いに行く。
「ありがと。 まだ5月なのに歩くとあっついね」
瑞月は朝陽から受け取ったお茶をほんのりと赤くなった首筋に当てる。朝陽にはその様子が妙に色っぽく見えて目を逸らした。目線の先では水鳥が呑気に歩いていた。
「可愛いね」
「そうだな」
瑞月も水鳥に気がついたようだ。ぽてぽてと体を揺らして歩く様子は確かに愛らしい。二人に見守られた水鳥は草むらから出てきたもう一羽とどこかへ去ってしまった。仲睦まじそうな水鳥が朝陽には羨ましく思えた。
「俺達もそろそろ行こっか」
ベンチでしばらく休んだ後、ついて来てほしいと言う瑞月に従いその後を歩く。先程歩いた木々が並んだ散歩道の横道に入ると小さめの広場と四阿が見えた。あまり人が来ないのか、それとも整備の手が回らないのか同じ公園の中でも印象が少し違う。
「あっちが最近整備されたからここはあまり手入れされてないみたい」
瑞月は四阿に入り腰掛ける。朝陽もそれに倣い、瑞月の隣に腰を下ろした。
「ここ来たことあるのか?」
「うん。 俺の家から結構近いんだ」
「そうなのか」
朝陽の家からこの公園まで電車で1時間半強かかったはず。大学に通うには大変だと思った。
「朝陽、一つ聞いて欲しいことがあるんだ」
「なに?」
「俺の初恋の話」
ざわと心が波立つ。聞きたくない、そう言おうとしたが聞かなければ自分の心境にケリをつけることができないと思い、何も言わず瑞月に話すよう促した。
「あっちの方に他より少し大きな木が見えるでしょ?」
瑞月が指す方を広場を縁取る木の中に一本目立っているものがある。
「あそこで会ったのが最初」
昔を懐かしむように瞳を閉じる。瑞月はなぜ朝陽にこんな話をするのだろう。
「あの時は年小、年中さんかな? すごい緊張した顔でその子が俺のところに来た」
瑞月は四阿を出てその木のところへ歩いた。当然、朝陽もその後を追う。途中で白い花を摘み、瑞月は木の下に座った。
「こうして俺が座ってるところに来て『これ君に似合うと思って』ってこんな白い花を差し出した」
「え?」
朝陽は思わず声を漏らした。それは朝陽があの子にかけた言葉と同じだった。
「その時、また女の子に間違えられたのかなってムッとしたけどその子の真面目な顔を見たらすごい嬉しくなって、ドキドキした。 でもその子はすぐに走っていっちゃって、ありがとうって言ったのが聞こえたかどうか分からないまま」
瑞月は麦藁帽子を脱いで花を耳にかけた。
「ねえ、朝陽、どう? 朝陽がくれた花、今でも似合うかな?」
照れ笑いを浮かべる瑞月が完全にあの子と重なった。
「あ……」
朝陽は喉が乾いて声が上手く出せない。唾を飲み込んでようやく声を絞り出した。
「……嘘だ」
「なにが?」
「俺をからかってるならそう言ってくれ」
朝陽自身が驚くほど声が震えている。そうだ、瑞月は朝陽をからかっているに違いない。昨日洋介から話を聞いていたからありえない話ではない。そうじゃないとあまりに出来すぎている。
「朝陽?」
「だってそんな偶然あるわけない」
「嘘じゃない。 偶然でもない」
「嘘だ……」
瑞月は腕を伸ばして朝陽の手のひらを両手で握った。
「朝陽は覚えてないかもしれないけど、俺の父さんとおじさんは知り合いだろ? 子供の頃に一回会ってるんだ。 おじさんに聞いてもらっても構わない」
瑞月が立ち上がって、今度は朝陽の頬を包んで無理矢理顔を合わせる。
「ねえ俺を見て。 聞いて」
黒目がちな瞳が朝陽を捉える。
「昨日洋介君の話を聞いた時とっても嬉しかった。 朝陽も俺のこと忘れてなかったんだって」
朝陽は瑞月の言葉に困惑し、くらくらと頭が揺さぶられているような気分だった。朝陽の初恋の子は、瑞月の初恋の相手はつまり。
「俺はずっと朝陽が好きだったよ。 ずっと忘れられなかった。 朝陽は? 俺のことどう思ってる?」
「……俺は」
瑞月の手に自分の手を添えてしっかり目を見て答えた。
「俺も瑞月が好きだ。 その、気がつかなくて悪かった」
「仕方ない。 俺のこと女の子だって思ってたんでしょ?」
「それは……」
からかう目線に気まずくて目を逸らす。
「ふふ、別にいいよ。 ねえ朝陽」
名前を呼ばれて向き直ると瑞月の唇と朝陽のそれがほんの一瞬重なった。
「久しぶり」
顔を赤くして笑う瑞月に、なにが起きたか理解できなかった朝陽もつられて真っ赤になった。
「お前……久しぶり」
見つめ合っているうちになんだかくすぐったい気持ちになり、お互いにくすくすと笑い合って、もう一度唇が触れ合うだけのキスを交わした。
「ね、入口の所にキッチンカー来てたよね。 お昼それにしようか」
「うん」
他愛もないことを話して小道を戻る。瑞月の手が朝陽の手に触れる。見ると瑞月が頬を染めてチラチラと朝陽の様子を伺っている。なんだと思った瞬間、また触れた。
(……ああ)
朝陽は瑞月の手を掬うように握る。
「……繋ぎたいならそう言え」
「うん」
細くしなやかな指が朝陽の手を握り返してくる。公園へ戻るまでそうしてゆっくりと歩いた。
朝陽は瑞月に初めて会った時から何かざわつく感覚があった。朝陽は知らず知らず瑞月に心を寄せていたのだ。それをようやく昨日自覚した。だが、同時に失恋することになってしまった。
瑞月が好意を寄せる相手は彼が子供の頃からずっと思い続けてきた相手だ。ポッと出の朝陽が敵うはずもない。だから今日で全てを諦めようと朝陽は家を出る時に決めて来た。
「風が気持ちいいね」
「そうだな」
さわさわと風が二人の間を通り抜ける。瑞月は被ってきた帽子を押さえて振り向き様に朝陽に微笑みかけた。
この笑顔が朝陽の決心を揺るがせている。できることなら朝陽にずっとその表情を向けていて欲しいと思ってしまう。
「ねえ朝陽、池の方行ってみない?」
「うん」
池の周りには植物が茂り、その間を水鳥が歩いている。人に慣れているようで朝陽達が近づいても焦って逃げる様子もない。
池に沿って散策すると紫色の花がちらほらと咲いていた。設置された看板を見るとカキツバタらしい。水鳥と一緒に写真に収めている人も見かけた。
それにしても瑞月は何故ここに来たがったのだろう。映画や買い物の方が二人きりの気まずさを紛らわせることができたのに。自然が好きなのだろうか。
池を一周して二人は一度休むことにした。瑞月を近くベンチに座らせて朝陽は自販機に飲み物を買いに行く。
「ありがと。 まだ5月なのに歩くとあっついね」
瑞月は朝陽から受け取ったお茶をほんのりと赤くなった首筋に当てる。朝陽にはその様子が妙に色っぽく見えて目を逸らした。目線の先では水鳥が呑気に歩いていた。
「可愛いね」
「そうだな」
瑞月も水鳥に気がついたようだ。ぽてぽてと体を揺らして歩く様子は確かに愛らしい。二人に見守られた水鳥は草むらから出てきたもう一羽とどこかへ去ってしまった。仲睦まじそうな水鳥が朝陽には羨ましく思えた。
「俺達もそろそろ行こっか」
ベンチでしばらく休んだ後、ついて来てほしいと言う瑞月に従いその後を歩く。先程歩いた木々が並んだ散歩道の横道に入ると小さめの広場と四阿が見えた。あまり人が来ないのか、それとも整備の手が回らないのか同じ公園の中でも印象が少し違う。
「あっちが最近整備されたからここはあまり手入れされてないみたい」
瑞月は四阿に入り腰掛ける。朝陽もそれに倣い、瑞月の隣に腰を下ろした。
「ここ来たことあるのか?」
「うん。 俺の家から結構近いんだ」
「そうなのか」
朝陽の家からこの公園まで電車で1時間半強かかったはず。大学に通うには大変だと思った。
「朝陽、一つ聞いて欲しいことがあるんだ」
「なに?」
「俺の初恋の話」
ざわと心が波立つ。聞きたくない、そう言おうとしたが聞かなければ自分の心境にケリをつけることができないと思い、何も言わず瑞月に話すよう促した。
「あっちの方に他より少し大きな木が見えるでしょ?」
瑞月が指す方を広場を縁取る木の中に一本目立っているものがある。
「あそこで会ったのが最初」
昔を懐かしむように瞳を閉じる。瑞月はなぜ朝陽にこんな話をするのだろう。
「あの時は年小、年中さんかな? すごい緊張した顔でその子が俺のところに来た」
瑞月は四阿を出てその木のところへ歩いた。当然、朝陽もその後を追う。途中で白い花を摘み、瑞月は木の下に座った。
「こうして俺が座ってるところに来て『これ君に似合うと思って』ってこんな白い花を差し出した」
「え?」
朝陽は思わず声を漏らした。それは朝陽があの子にかけた言葉と同じだった。
「その時、また女の子に間違えられたのかなってムッとしたけどその子の真面目な顔を見たらすごい嬉しくなって、ドキドキした。 でもその子はすぐに走っていっちゃって、ありがとうって言ったのが聞こえたかどうか分からないまま」
瑞月は麦藁帽子を脱いで花を耳にかけた。
「ねえ、朝陽、どう? 朝陽がくれた花、今でも似合うかな?」
照れ笑いを浮かべる瑞月が完全にあの子と重なった。
「あ……」
朝陽は喉が乾いて声が上手く出せない。唾を飲み込んでようやく声を絞り出した。
「……嘘だ」
「なにが?」
「俺をからかってるならそう言ってくれ」
朝陽自身が驚くほど声が震えている。そうだ、瑞月は朝陽をからかっているに違いない。昨日洋介から話を聞いていたからありえない話ではない。そうじゃないとあまりに出来すぎている。
「朝陽?」
「だってそんな偶然あるわけない」
「嘘じゃない。 偶然でもない」
「嘘だ……」
瑞月は腕を伸ばして朝陽の手のひらを両手で握った。
「朝陽は覚えてないかもしれないけど、俺の父さんとおじさんは知り合いだろ? 子供の頃に一回会ってるんだ。 おじさんに聞いてもらっても構わない」
瑞月が立ち上がって、今度は朝陽の頬を包んで無理矢理顔を合わせる。
「ねえ俺を見て。 聞いて」
黒目がちな瞳が朝陽を捉える。
「昨日洋介君の話を聞いた時とっても嬉しかった。 朝陽も俺のこと忘れてなかったんだって」
朝陽は瑞月の言葉に困惑し、くらくらと頭が揺さぶられているような気分だった。朝陽の初恋の子は、瑞月の初恋の相手はつまり。
「俺はずっと朝陽が好きだったよ。 ずっと忘れられなかった。 朝陽は? 俺のことどう思ってる?」
「……俺は」
瑞月の手に自分の手を添えてしっかり目を見て答えた。
「俺も瑞月が好きだ。 その、気がつかなくて悪かった」
「仕方ない。 俺のこと女の子だって思ってたんでしょ?」
「それは……」
からかう目線に気まずくて目を逸らす。
「ふふ、別にいいよ。 ねえ朝陽」
名前を呼ばれて向き直ると瑞月の唇と朝陽のそれがほんの一瞬重なった。
「久しぶり」
顔を赤くして笑う瑞月に、なにが起きたか理解できなかった朝陽もつられて真っ赤になった。
「お前……久しぶり」
見つめ合っているうちになんだかくすぐったい気持ちになり、お互いにくすくすと笑い合って、もう一度唇が触れ合うだけのキスを交わした。
「ね、入口の所にキッチンカー来てたよね。 お昼それにしようか」
「うん」
他愛もないことを話して小道を戻る。瑞月の手が朝陽の手に触れる。見ると瑞月が頬を染めてチラチラと朝陽の様子を伺っている。なんだと思った瞬間、また触れた。
(……ああ)
朝陽は瑞月の手を掬うように握る。
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