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アリナ、存在改変危機を感じる2
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「流石、神童って呼ばれていただけのことわあるわね」
昨日短時間で、治癒魔法を結界を使いこなせたのにも実は驚きだったが、アリナは食事の食べ方から話し方、癖など、一度見たり聞いたりしただけですぐにマスターしてしまった。
「これなら誰がどうみても、入れ替わったことには気がつかないはずよ」
「あ、ありがとう」
この先元に戻った場合自分はどうすればいいのだろうと、考えると眩暈がするので、アリナは頭も心も空っぽにして、ローラになりきることだけに専念した結果なのだが。
満足げなローラとは対照にハァと大きくため息をもらす。
だがこうやって何かを人に褒めてもらうことは普通にうれしい。
「あの、じゃあ、次は私の──」
すでに手遅れかも知れないが、アリナが少しでもこの先の自分の立場を訂正しようと、声をあげる。
「大丈夫よ、私は。みんな初めは驚いていたけどすぐ打ち解けてくれたし」
そのキャラを受け入れろと。目で訴える。
「アリナをよく知る人も、いなかったのもよかったのかもね」
人より勘の良いはずのローラなのに、全く今のアリナの心情はくみ取れてないようだった。
そして反論しようとしたが、確かにその通りなのでアリナも口をつぐむしかない。
「ちょうどいいじゃない。アリナだっていつまでも人を避けているわけにはいかないでしょ。それにキリリチェフ様とは普通におしゃべりできるんだし。キリリチェフ様といる時のアリナのように接してれば問題ないはずだわ」
もともと人嫌いというわけではないのだ、ただ自分のせいで誰かを傷つけてしまうのが怖くて深く人と関わり合うのを躊躇ってしまうのだ。
「ダニーとは兄弟みたいなものだから、普通に話せるだけよ」
ダニーは父にその才能を認められ、子供の頃弟子として屋敷内の黒魔法研究所に入って来た二つ年上の男の子だった。
幼いころ魔力暴走を起こしたアリナは、二度とそんなことが起こらないように、魔法をコントロールすることと、その知識を深めるため、幼いころから黒魔法研究所に入り浸っていたので、年の近いダニーとは自然と仲良くなれた。
「って、私とダニーが話してるとこ見たことあるの?」
学園では学年が違うのもあって、ほとんど顔を合わせることはない。
「まああなたも一応犯人候補だったから、いろいろ調べさせてもらったのよ」
「調べたって、いつ」
もしや私が部屋でダニーからもらった魔法石を、ニタニタと眺めてる姿も、見られていたのかもしれない。おもわず、ローラの肩を強くつかむ。
「大丈夫、部屋の中までは調べさせてないし、着替えを覗かせたりはしてないわよ。ただあなたの経歴や人間関係、普段の様子を調べさせてもらっただけ」
顔を真っ赤にしているアリナに、勘違いしたローラが慌てて弁解する。
それでも、知らないうちに人にずっとつけられていたと思うと、恥ずかしいやらゾッとするやら。
「大丈夫、人に知られて恥ずかしいことはなかったし。学園でもあまり目立つような行動はしないから」
すでに十分目立っていることにローラは本当に気がついていないのだろうか。
早く呪いを解かなくてはこの生活も終わらない。これ以上自分のイメージが改変されるまでにどうにかしなくては。
意気込むと同時に、自分のことで手一杯で気がつかなかったが、昨日ローラは自分と別れた後、どうやって帰ったのだろう、もちろんアリナが今は屋敷でなく学園の寮から通っていることは調べがついているのだろうが。
「部屋にはどうやってはいったの?」
アリナの部屋は魔法でロックされていて、解除の呪文を唱えないとあかないようになっている。
アリナの質問に、フフフとローラはただ笑って返したのだった。
昨日短時間で、治癒魔法を結界を使いこなせたのにも実は驚きだったが、アリナは食事の食べ方から話し方、癖など、一度見たり聞いたりしただけですぐにマスターしてしまった。
「これなら誰がどうみても、入れ替わったことには気がつかないはずよ」
「あ、ありがとう」
この先元に戻った場合自分はどうすればいいのだろうと、考えると眩暈がするので、アリナは頭も心も空っぽにして、ローラになりきることだけに専念した結果なのだが。
満足げなローラとは対照にハァと大きくため息をもらす。
だがこうやって何かを人に褒めてもらうことは普通にうれしい。
「あの、じゃあ、次は私の──」
すでに手遅れかも知れないが、アリナが少しでもこの先の自分の立場を訂正しようと、声をあげる。
「大丈夫よ、私は。みんな初めは驚いていたけどすぐ打ち解けてくれたし」
そのキャラを受け入れろと。目で訴える。
「アリナをよく知る人も、いなかったのもよかったのかもね」
人より勘の良いはずのローラなのに、全く今のアリナの心情はくみ取れてないようだった。
そして反論しようとしたが、確かにその通りなのでアリナも口をつぐむしかない。
「ちょうどいいじゃない。アリナだっていつまでも人を避けているわけにはいかないでしょ。それにキリリチェフ様とは普通におしゃべりできるんだし。キリリチェフ様といる時のアリナのように接してれば問題ないはずだわ」
もともと人嫌いというわけではないのだ、ただ自分のせいで誰かを傷つけてしまうのが怖くて深く人と関わり合うのを躊躇ってしまうのだ。
「ダニーとは兄弟みたいなものだから、普通に話せるだけよ」
ダニーは父にその才能を認められ、子供の頃弟子として屋敷内の黒魔法研究所に入って来た二つ年上の男の子だった。
幼いころ魔力暴走を起こしたアリナは、二度とそんなことが起こらないように、魔法をコントロールすることと、その知識を深めるため、幼いころから黒魔法研究所に入り浸っていたので、年の近いダニーとは自然と仲良くなれた。
「って、私とダニーが話してるとこ見たことあるの?」
学園では学年が違うのもあって、ほとんど顔を合わせることはない。
「まああなたも一応犯人候補だったから、いろいろ調べさせてもらったのよ」
「調べたって、いつ」
もしや私が部屋でダニーからもらった魔法石を、ニタニタと眺めてる姿も、見られていたのかもしれない。おもわず、ローラの肩を強くつかむ。
「大丈夫、部屋の中までは調べさせてないし、着替えを覗かせたりはしてないわよ。ただあなたの経歴や人間関係、普段の様子を調べさせてもらっただけ」
顔を真っ赤にしているアリナに、勘違いしたローラが慌てて弁解する。
それでも、知らないうちに人にずっとつけられていたと思うと、恥ずかしいやらゾッとするやら。
「大丈夫、人に知られて恥ずかしいことはなかったし。学園でもあまり目立つような行動はしないから」
すでに十分目立っていることにローラは本当に気がついていないのだろうか。
早く呪いを解かなくてはこの生活も終わらない。これ以上自分のイメージが改変されるまでにどうにかしなくては。
意気込むと同時に、自分のことで手一杯で気がつかなかったが、昨日ローラは自分と別れた後、どうやって帰ったのだろう、もちろんアリナが今は屋敷でなく学園の寮から通っていることは調べがついているのだろうが。
「部屋にはどうやってはいったの?」
アリナの部屋は魔法でロックされていて、解除の呪文を唱えないとあかないようになっている。
アリナの質問に、フフフとローラはただ笑って返したのだった。
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